ユーティリティの飛距離の目安。自分の飛距離を正しく知ろう

2000年代に入り、ロングアイアンの代わりとして一気に市場に出てきたユーティリティ。

非力な女性や筋力の落ちてきた男性にはとても有難いクラブですよね。

ここでは、番手による一般的な飛距離の目安と実際コース上での飛距離を考えてみましょう。

ゴルフにおける飛距離の目安の計算式

皆さんはゴルフをするとき、飛距離を気にしていますか?

「当たり前だろ」という声が聞こえてきそうですが、飛距離の目安は次のように計算することができます。

1.ヘッドスピード×ミート率=ボールの初速

2.ボールの初速×4=飛距離

ヘッドスピードは良くゴルフ用語でも出てきますが、スイング自体の速さというよりは、いかにヘッドが走っているかが飛距離に大きく影響します。

またミート率は、イメージだと「芯」で捉えられているかどうかという感じでしょうか。

ゴルフでは、いかに効率良くボールを打てているかを見る数字だと言われています。

ドライバーをブンブン思い切り振っても大して良い当たりが出なかった人もいれば、軽く振っているのに「キーン」と良い音がしてすごく距離が出ている人もいたりします。

後者のゴルファーが効率良く打てているというのは、すぐに分かりますよね。

ヘッドスピードがそんなに速くなくても飛距離が出ているゴルファーは、ミート率がとにかく高いということです。

ドライバーに限らず、ユーティリティでもアイアンでもミート率を上げることがスコアアップのカギになりそうです。

一般的なクラブの飛距離の目安を把握しよう

では具体的に一般的なヘッドスピードとミート率から算出したクラブの飛距離を見てみましょう。

番手/男性/女性

1W/230/170

3W/215/150

5W/195/135

3U/200/150

4U/180/140

5U/170/125

6U/160/110

3I/180/125

4I/170/120

5I/160/110

6I/150/100

7/140/90

8I/130/80

9I/115/70

PW/105/60

SW/80/50

今回はユーティリティの飛距離の目安ということで、クラブセッティングとして可能性が高い3~6番のユーティリティの距離を記載しました。

フェアウェイウッドとも比較されやすいユーティリティですが、これを使う場面が多いのはセカンドショットです。

「ある程度距離は欲しいけれどセカンドOBだけはダメ、その為には方向性も重要。」

こういう意味でアイアンとの比較の方が現実的ではないでしょうか。

アイアンとユーティリティ、自分の飛距離を知る

前項目では、平均的な飛距離を出してみました。

あくまでも目安となる数字です。

しかしゴルフで重要なのは、自分の距離を知ることです。

それも、クラブによって得手不得手があるので、同じ170ヤードを打てるクラブとして挙げられている5番ユーティリティと4番アイアンでも、ユーティリティなら打てるけれどアイアンは打てないというゴルファーは多いでしょう。

例えばドライバーの飛距離が230ヤードでしたら、そのクラブの平均的な飛距離を出せるスイングをしているということになります。

その上で、番手通りの距離が出ていないということは、そのクラブを活かしたスイングができていない可能性があります。

ドライバーはティーアップしていますし、練習場でも多くのゴルファーがたくさん練習をするクラブですからその適正な距離を打つことができても、5番ユーティリティや4番アイアンを芝から直接打つ練習を同じだけやっている人は少ないでしょう。

練習場のマットと芝からのショットを比べると、やはり芝からのショットは難易度も高く、それもコースでは平坦なライから打てるとも限りません。

まずは、練習場でドライバーからみた適正な距離を打てるようにしましょう。

コースではその距離がマックスと考え、ショートしても仕方ないというくらいリラックスしてショットをしたほうが良い結果になるかもしれません。

ユーティリティとアイアンをどのように打ち分けるか

先に書きました飛距離の目安で、ユーティリティとアイアンが被る部分も多くあります。

女性にとってはロングアイアンをしっかり打つということは、重いアイアンをコントロールする筋力も必要となり、使いこなせるのは上級者と言われる層がほとんどでしょう。

対して男性は、女性に比べてロングアイアンをセッティングに入れている方も多いかもしれません。

では、ユーティリティとアイアンはどのように打ち分けるべきでしょうか。

同じ170ヤードの飛距離を持つ5番ユーティリティと4番アイアンで比べてみましょう。

まず、どちらも長所、短所があるので場面ごとに有利なほうを選んでいくということになります。

それぞれの長所と短所をおさらいしてみましょう。

【5番ユーティリティの長所】

・アイアンに比べてスイートエリアが広いので、真芯で捉えられなくても飛距離を確保できること。

・ソールが厚いので多少のダフりなどのミスにも寛容であり、ラフなどから打つ場合にもソールが滑ってくれるのでクラブヘッドが抜けやすいこと。

【5番ユーティリティの短所】

・アイアンに比べてフェイス面をスクエアに構えにくいというゴルファーもいること。

・球が上がりやすいため、風の影響を受けやすいこと。

【4番アイアンの長所】

・正しいスイング軌道でショットすれば、方向性が良く、長い距離でもグリーンを狙うことができること。

・ウッドやユーティリティに比べ、低い弾道で打ち出すので、風の影響を受けにくいこと。

【4番アイアンの短所】

・相応の技量が必要で、正確な軌道のショットができなければ、むしろ曲がってしまうこと。

・シャフトが長く重いため、コントロールが難しく、番手通りの飛距離を出すことが難しいこと。

ユーティリティの飛距離の目安を知って使いこなそう!

具体的に、残り170ヤードの状況というセカンドショットを見てみましょう。

グリーンを狙うか、グリーン周りのハザードを避けるために手前に運ぶかという選択をするような場面でしょうか。

ではライはどうでしょう。

フェアウェイをキープできていて、ライも平坦であった場合は、グリーンを狙ってみるのも攻めの戦略ですよね。

その際には、自分の技量にもよりますが、方向性とフルショットで距離の把握がしやすい4番アイアンを選択するのが良いかもしれません。

ではラフに落ちていた場合はというと5番ユーティリティでしょう。

ユーティリティが一番活きるのが、ラフからのショットでミスが少なくなるという点です。

ソールが厚くラフでも滑ってくれるので、多少芝に食われても4番アイアンで芝に噛んでしまうよりはグリーンに近づけらるからです。

このように、何ヤードだから何番で打たなければいけないということはありません。

その状況に応じて適正なクラブ選択をし、そのクラブを活かすスイングをすることが大切です。

その場合にも、目安となる飛距離を把握しておくことが大前提となります。

ユーティリティをもっとユーティリティ化して活用しよう

ユーティリティの適正な飛距離の目安はここまででだいぶ把握できたはずです。

しかし、ユーティリティという語源が持つように「便利」、「役立つ」クラブなのです。

最後に、ユーティリティの意外な活用法を紹介します。

残り20ヤード、エッジまで10ヤード、エッジからピンまで10ヤードといったアプローチでは通常ウェッジを選択するゴルファーが多いのではないでしょうか。

もちろん状況にもよりますが、無理に上げなくても良いアプローチの場合、ユーティリティで転がすことを考えてみるのもオススメです。

ロフトの立っているユーティリティを選び、ロングパターを打つような感覚で打ってみるのです。

「ユーティリティでアプローチなんて飛びすぎない?」と感じるゴルファーも多いと思います。

それがパターストロークで打ち出してみると、意外と距離感はパターに近く、それでいて少し浮いて打ち出されるので、芝の部分をうまくスキップし、慣れてくればパターでのアプローチよりも距離が読めるようになるでしょう。

ウェッジでミスをすると、ザックリやトップなどを引き起こし、次の一打がより難しいショットを要求され、結果的に大叩きにつながります。

それを回避するためにも、是非習得したいアプローチです。

ユーティリティの飛距離の目安を知ってスコアアップ!

ユーティリティは初心者でも簡単だとか万能だとかいうイメージが強くありますが、そんな魔法のようなクラブでもありません。

きちんとしたスイングを身につけた上であれば、ロングアイアンよりも扱いやすい、球が上がりやすいのでハザードを越えるのに安心、そういうメリットはあります。

まずは自分のスイングの飛距離の目安を知り、それを芝からのショットで安定して打てるように練習しましょう。