ドライバーで打ち出すボールがより遠くに飛ぶのは、ヘッドスピードの速さが関係していることは誰しも知るところです。
しかしながら最近のゴルフクラブは進化していて、芯をとらえさえすればヘッドスピードにこだわらずに飛ばすことができるようになりました。
今回は一度は試してもらいたい、簡単にドライバーの飛距離をアップさせることができる効果的な方法を紹介します。
ヘッドスピードを速くすれば飛ぶドライバーはすぐそこ
ドライバーが他のクラブよりも飛ぶのは、ヘッドスピードを速くさせることが簡単だからです。
長いシャフトのお陰でスイングの外周を回るヘッドのスピードは必然的に速くなります。
さらにシャフトのしなりも利用することができるため、スイングスピード以上にヘッドスピードは速くなります。
このシャフトの長さとしなり以外に、ドライバーが他のクラブよりも飛ぶ理由がもう1つあります。
それはドライバーのヘッドが、他のクラブよりも大きく作られていること。
本来は体積が大きいほど重くなるはずですが、現在のドライバーは限りなく薄肉で作れる硬い材質のチタン製のためボールが当たって割れる心配はありません。
ヘッドの内側が空洞でしかも薄い肉厚で作られていることから、結果的にドライバーのヘッドは軽量化されて、よりヘッドスピードを速くすることができます。
またチタンの薄い構造によってボールが弾むようになり、フェースの芯でボールをとらえる命中率が高まれば、ヘッドスピードの速さと命中率でとんでもない飛距離を生むことができます。
ヘッドの反発力が重要!
ドライバーのヘッドが軽量化されたことで、いままで以上に飛ぶドライバーが作りやすくなりました。
ただドライバーのメーカーやモデルによって飛ぶ距離に違いはあります。
いまでは大半のヘッドがチタンで作られているので、どのドライバーでも同じだけ飛ぶはずですが、実際の飛距離に違いがあるのは誰もが感じるところです。
これは初速となって表れる命中率の違いによるものが大きいと考えられます。
肉厚の薄いフェース面にボールが当たると、表面はたわみトランポリンのように弾んで打ち出します。
トランポリンは真ん中が一番弾むのですが、ドライバーのフェースはトランポリンのように均一で真四角の枠に張られているわけではないので、弾むポイントは真ん中とは限りません。
その最も弾む箇所をスイートスポットと呼びますが、ここでインパクトができれば飛距離は伸びます。
そのスイートスポットでボールを打てば誰でも飛ばせますが、実際にはピンポイントに命中させることは難しいとされています。
最新技術でドライバーヘッドは飛ぶように作られているのに当たらない
スイートスポットに当たりさえすれば飛ぶのは分かっていても、毎回その箇所でボールを打つことはプロでも難しいと言われています。
当然スイートスポットが1番飛ぶわけですが、そこから少し外れても同じくらい飛ばせるドライバーが現在もっとも求められるものです。
スイートエリアを広く取っていればいるほど、命中率が低くても弾みが変わらなければ容易に飛ばせるからです。
アマチュアゴルファーにとっては、スポット特性が限定的に優れているドライバーよりも、どれだけ広いエリアで変わることなく弾ませられるかが結果的に飛ぶドライバーになるわけです。
ちなみにフェース面は大きいほどトランポリン効果が大きくなります。
ただし現在ではそれに上限を設定してルールで規制されています。
それだけにインパクトである程度のブレがあっても、最大効果とほとんど変わらない弾みを得られるヘッドのドライバーが飛ぶと評価を受けることになるのです。
問題となるのは、ドライバーが飛ぶようになっても、ゴルファーの技量が追いついてこないことです。
これは長くて軽量のドライバーをプロ並みの速さでスイングしているため、それだけヘッドコントロールが難しくなっていることが理由と考えられています。
せっかくドライバーヘッドは飛ぶように作られているのだから活かさないと損
ドライバーのヘッドは飛ぶように作られているのに、スイートスポットに当てることができなければその性能のすべてを活かすことはできません。
スイートエリアと呼ばれる範囲の広いドライバーを選べば、ミート率は確実に上がるので平均飛距離は伸びます。
それで満足できずさらに飛距離を伸ばしたい場合には、やはりスイートスポットの点に近づけるしかありません。
同じくらいの反発力があるとはいっても、やはりピンポイントに芯でとらえることができればコンマ数パーセントは弾む力が大きくなるからです。
命中率を上げるには、スイング軌道を安定させることが大切で、そのためにはたくさんの素振りと打ち込みが必要です。
しかしながら相当な期間と練習時間の確保は、アマチュアゴルファーにとっては難しいものがあります。
そうであれば飛距離の元となるシャフトの長さを捨てて、命中率を優先する方法に転換してみてはいかがでしょう。
シャフトの長さが1インチ違うと飛距離は約5ヤード違うそうですが、スイートスポットに当たるか否かによる反発係数が0.005違っても5ヤード違うそうです。
ドライバーのヘッドが飛ぶ理由と反発係数について
ボールに当たって、ドライバーのフェース面がたわんで反発する力を反発係数で表します。
ルールによって反発係数は上限0.830までと定められています。
もしも0.830を超えると、不適合な高反発クラブと認定され競技で使うことができません。
このように反発係数には上限が設定されていますが、市販されるクラブは製造誤差で上振れが生じる恐れがあるので、すべてを規定内に収めるため実際にはそれよりも低い数値で設定されています。
仮に誤差を考慮して0.808だったとして、これを0.818にできたら10ヤードも飛距離が変わる計算です。
ただそのヘッドの真芯に当たって0.808だとしたら、それ以上に反発力が強くなることはありません。
ところが普段フェースの真芯でとらえていないゴルファーの場合は、真芯で当てることができると約20ヤードの飛距離アップが可能になると言われています。
仮に2インチ短いドライバーに変えて10ヤードマイナスになったとしても、真芯でボールをインパクトできたら20ヤードプラスになりますから、差し引き10ヤード飛距離が伸びることになるのです。
飛ぶドライバーはシャフトの長さよりもヘッドを重視しよう
シャフトの短いドライバーで、しかもヘッドは確実にスイートスポットでインパクトができるものに変えれば、今よりも飛ぶことは間違いないはずです。
ドライバーの長さの上限は48インチですが、一般的には45~46インチ前後を使っているはずです。
ここからさらに2インチ短くすると、およそスプーンの長さになり、ヘッドコントロールが容易になるでしょう。
ヘッドの形状はフェースの上下幅が狭く、上から押しつぶしたようにフェース面が横長のタイプがおすすめです。
上下にゆとりがなく左右はスイートエリアが広いため、当たれば芯でとらえることができるはずです。
さらに奥行きのある重心深度の深いタイプにすると直進性に優れ、曲がりによる距離のロスもなくなります。
弁当箱の愛称で呼ばれることもある個性的なデザインですが、確実にミート率を上げるには最適です。
ミート率が上がれば、おのずと飛ぶドライバーにもなるのです。
技量に合ったヘッドを選べば飛ぶドライバーは自分のもの
飛ぶドライバーを考えるとき、最初にヘッドスピードを速くしなければと練習しますが、現在はヘッドが進化しているので自分の技量に合ったタイプを選ぶだけで誰でも簡単に飛距離を伸ばすことができます。
将来的には、技術革新でどんな振り方をしてもスイートエリアにしか当たらないタイプも作れるようになるはずです。
スコアアップに悩むアマチュアゴルファーには待ち遠しい未来だと思います。