アイアンは、コースの中でも半分近く使用率を占める大事なクラブです。
その用途は飛距離を稼ぐのでなく、目標に確実に近づける方向性と正確性を求められます。
今回は、練習によってアイアンの方向性と正確性が安定する方法を検証してみました。
今まで思うような場所へボールを落とす事ができなかった理由など、当てはまるものが無いか確認してみて、自分に合った練習方法を見つけてください。
アイアンの方向性はスタンスが決め手
ゴルファーの皆さんは、アイアンに限らず真っ直ぐ目標に向かわないボールが出る原因を、スイングのせいにしていませんか?
実は、スイングの問題の80%はアドレスにあるのです。
アドレスとは、姿勢、スタンス、クラブを地面に付けるという3段階でできていますが、中でもスタンスとは方向性に最も関与しています。
そのスタンスを直して方向性が安定すれば、スコアは驚くほど縮まります。
これから紹介するスタンスのポイントを確認してみて、ご自分のスタンスと見比べてみてください。
まずスタンスとは、向き、幅、重心の位置で構成されます。
向きにはスクエアスタンス、オープンスタンス、クローズスタンスとあります。
中でもスクエアスタンスが基本で、目標とボールを結んだ線と平行に構えるスタンスのことをいいますが、これが簡単そうでできていないゴルファーが多いです。
練習場ではラインが引かれているため分かりやすいのですが、いざコースに出ると目で確認したものに体を向けるのは意外と難しいようです。
コースでは何か目印を見立てて、スタンスの向きを決めるとスクエアに構えることができます。
コースで実践してみてください。
次はオープンスタンスとクローズスタンスを確認して、アイアンの方向性が安定するポイントを見ていきましょう。
オープンスタンスとクローズスタンスを確認して方向性を安定させる
オープンスタンスとは、左足が右足よりも一歩後ろに下がった状態で、一般的に体が開いているスタンスのことをいいます。
このスタンスは、ボールに力が伝わりやすいので、スイング幅が小さくてもダウンブローが打ちやすく、安定性と正確性が上がります。
そのためショートアイアン以外でも、足元に傾斜がある時など活躍の場は多いです。
ただ、軌道がアウトサイドインなのでフック回転が軽減してスライスが出やすいことを理解しておきましょう。
続いてクローズスタンスですが、このスタンスは右足が左足よりも一歩後ろに下がった状態で、一般的に体が閉じたスタンスのことをいいます。
このスタンスは体が閉じることでボールが捕まりやすく、ドローボールが出やすいので飛距離が出ます。
また、左足から力が抜けにくいので方向性も安定します。
ただ軌道がインサイドアウトなので、スライス回転が軽減してフックが出やすいことを理解しておきましょう。
続いては、手首の使い方からアイアンの方向性が安定する方法を見てみましょう。
手首の正しい動きをマスターしてアイアンの方向性を安定させる
アイアンの方向性を安定させるには、手首の正しい動きをマスターする必要があります。
手首の動きには、コックとリストターンがあります。
詳しく見てみましょう。
コックとは、テイクバックの時に親指側に手首を倒す動きで、アイアンの方向性を安定させるには特に必要な動きです。
スイングの理想的な動きは左手始動にあるので、コックは必ず左手首で行いましょう。
また、コックの動きを始めに行うか、トップの位置まで入れないかはゴルファーの好みに分かれます。
動き始めでのコックはアーリーコックといい、コントロールショットに向いています。
しかし手首始動でコックを行うため、トップの小さなフォームになり、小手先で打ってしまう可能性があります。
対してトップでコックを行う事をレイトコックというのですが、ゆったりとしたフォームに向いています。
しかしトップでのコックは安定しづらく、時にミート率が下がってしまったり、振り幅で飛距離を打ち分けることが難しいといった点があります。
このようにアーリーコックとレイトコックにはそれぞれメリットとデメリットがありますが、これから練習に加えるのであれば、丁度中間のテイクバック開始から90度当たりのところでコックを入れてみると良いでしょう。
双方のメリットとデメリットを持ち合わせていますので、習得することができれば、アイアンの方向性の安定に繋がります。
次にリストターンですが、これはインパクトの前後に手首を返してフェースを閉じる動きのことをいいます。
これを習得すると、ボールを捕えて簡単に飛距離を伸ばすことができます。
次はアイアンの方向性が安定しないことの考えられる原因を見てみましょう。
アイアンの方向性が安定しない原因
アイアンの方向性が安定しない原因として考えられるのは、スイングの振り遅れがあります。
振り遅れることによって起きるミスとは、フェース面がインパクトの瞬間に開いてしまって、打った瞬間にボールが右に飛び出してしまうプッシュアウトです。
これは、アイアンの方向性のミスで最も多いミスです。
原因として考えられることは、力いっぱい速く振ることを意識しすぎている可能性があります。
そのため体の回転に腕がついていかず、プッシュアウトが起きてしまう傾向があるようです。
改善方法は、今まで10割の力で振り抜いていた力を8割に変えて、少しゆっくり振り抜く練習をしてみてはいかがでしょうか。
一見飛距離が落ちてしまうように思われますが、力いっぱい振り抜くことでミート率を落とし方向性を落とすよりも、ゆっくり振り抜いてミート率を上げた方が方向性も安定し、飛距離も伸びる可能性があるからです。
その際、インパクトの瞬間にフェース面が目標を捕えている事を確認しましょう。
打つ前にゆっくり素振りをしてみて、フェース面の方向を確認してみることも効果的です。
特にセカンドショットの場合は、ドライバーのスイングの印象が残ったまま挑むことになるので、上手く切り替えて安定性のある、ゆっくりとしたアイアンのスイングを取り戻しましょう。
アイアンのショットを8割の力でスイングをして方向性の安定を手に入れたら、更に飛距離も併せて伸ばす方法を見てみましょう。
アイアンの方向性を安定させて更に飛距離も伸ばす方法
コースに出ていると、ここ一番で失敗したくない、ミスをしたくない場面がありますよね。
または足場は悪いが、確実に目標にボールを落としたい時があります。
そんな時ほど力が入ってしまい、ミスをしてしまいがちです。
こういう時には、力で振り切るのではなく、アイアンの番手を一つ上げて練習通りに8割の力でゆっくりと振り抜いてみましょう。
更にこの時に、いつもよりグリップを握る位置を指一本分短く持ってみるとさらに方向性も安定します。
また、飛びすぎることを抑えることができるので、間違ってもスイングを途中でやめるようなことはしないでください。
アイアンショットの入射角は方向性の安定にとても重要です。
鋭角でも浅すぎても打点が安定しないので、しっかりと大きく振り抜いて、ヘッドの軌道を安定させて、再現性を落とさずに打つことを心がけましょう。
最後に、アイアンの方向性を安定させるその他のポイントを見てみます。
アイアンの方向性を安定させるその他のポイント
先述しました、アイアンのスタンスで大事なポイントの一つの重心の位置ですが、拇指球(足裏の親指の付け根の下の膨らんだ部分)が理想的です。
この拇指球よりも重心が前方であれば、インサイドアウトでフックが出やすく、後方であればアウトサイドインになり、スライスが出やすくなる傾向があります。
どちらもダフリやミスを引き起こす原因になり得ます。
また、構えた時の重心は両足の中央に重点を置くことを心がけましょう。
その他のアイアンの方向性を安定させるポイントの一つに、右手の人差し指の使い方が広く知られています。
右手の人差し指は、グリップを握る際に拳銃の引き金を引く形をしています。
この右手の人差し指の第一関節から付け根までの部分を意識して、ボールを押し出すようにショットをすることで、アイアンの方向性が安定するのです。
この方法を実践してみると、アイアンのフェース面が閉じるタイミングが安定することで、ボールを目標へ落としやすくなるようです。
アイアンの方向性を安定させるには基本が大事
今回はアイアンの方向性を重点的に見ていきましたが、正確性や再現性も併せて、大事なのは基本にあるということが分かりました。
正しい方向を向いて、正しいスイングを身に付けて、それをいつでも再現できるような練習が必要だということですね。
そして、力いっぱい振るのではなく、8割程度の力でゆっくりとリズムよく振り抜くことを意識した練習方法が、方向性も飛距離も手に入れる近道だということ。
ぜひ明日からの練習に取り入れてみてください。