パターの長さが適正と感じるのはフォームが固まったときか

パターの長さが合わないと構えたときになにかしら違和感があるものです。

グリップを握ってヘッドが浮いていれば、否応なく前屈みになるしかありませんが、もしかするとその姿勢が自分にとって適正なのかもしれません。

今回はパターを選ぶときの長さについて考えていきます。

シューズを履いてパターを選ぶと適正な長さが分かる

パターを構えたときに違和感があるようなら、長さが合っていないかもしれません。

ゴルフクラブを選ぶ場合、一般的には基本の構え方を基準にして長さを決めます。

しかしながらパターの場合は構え方が自由なので、適正な長さは個々の構え方によって違ってきます。

そこでパターを選ぶときに、注意しなければならない点について考えていきます。

まずはゴルフショップの店頭に並んでいるパターの中から選ぶとき、注意しなければならない点からです。

ゴルフショップに行くときには日常生活で使っている靴を履いていると思いますが、ゴルフシューズとは微妙に靴底の厚さが違っていることのほうが多いでしょう。

ゴルフシューズは、歩行による疲労がたまらないようにと靴底を厚くしています。

しかもプラスチップ製の鋲によって、少しだけ浮いたような感じになり、さらに靴底が厚く感じるはずです。

もちろん芝の上に立つとプラスチック鋲の先は噛むように沈むので気になることはありませんが、グリーン上では浮く場合もあるのでパターを選ぶときには考慮に入れておくと良いのではないでしょうか。

適正なパターの長さを選ぶ時はグリップのどこを握るかが重要

適正なパターの長さとは、グリップを構える位置よっても違ってくるものです。

ゴルフショップの店頭に並んでいるパターをみると、圧倒的に33~35インチのものが多くなっています。

売る側からみると売れ筋商品の在庫を厚くするのは当たり前のことですから、店頭にたくさん並んでいるこの33~35インチが良く売れていることが分かります。

もしも身長でパターの長さを決めているのであれば、日本人の平均身長は170センチなので中間の34インチのパターを選ぶことになるでしょう。

そうすると160センチの人が33インチで、180センチの人は35インチということになるかもしれません。

ザックリとしたこの考え方からすると、身長10センチに対して1インチ(2.54センチ)刻みということになります。

ここでパターの握り方が重要になってきます。

日本人の平均身長である170センチのゴルファーが、グリップエンドぎりぎり握ってピッタリなのは34インチのパターですが、指1本分あけて握りたいのであれば35インチが適していることになります。

つまりグリップをどこで握るかによって、パターを選ぶときの長さは変わってくることになります。

適正なパターの長さはスタンスの幅と向きが重要

適正なパターの長さを選ぶときには、グリップの握り位置だけでなくスタンスが重要なポイントになります。

スタンスの幅を比べたとき、両足を揃えたときと肩幅よりも広くスタンスをとったときとでは腰の高さが変わってきます。

上半身の傾きが一定であれば、腰の高さが変わるということは、グリップの高さも変わることということに繋がります。

シャロースタンスはグリップが高くなるので長いパターが必要ですし、ワイドスタンスはグリップの位置が低くなるので短いパターが必要になるということです。

またパッティングラインと平行に立つスクエアスタンスばかりではなく、オープンスタンスで構えるゴルファーもいるでしょう。

オープンスタンスの場合は、右足に体重がかかりボールの位置も中央よりは右側に置くことが多くなります。

そこからテークバックを小さくとり、パッティングラインに対して右の手のひらを真っ直ぐに出すことで方向性を安定させます。

前傾姿勢の角度にもよりますが、肩幅のスタンスで中央にボールを置いたときよりは、グリップの位置が高くなる場合が多いようです。

つまりオープンスタンスでは長いパターが必要になると考えられます。

パターの適正長は上半身の前傾姿勢の角度で決まる

前傾姿勢の角度も適正なパターの長さを選ぶときの重要なポイントになってきます。

パターを構えるときの姿勢は自由ですが、パッティングラインの上に両目があると良いとされています。

前傾姿勢をとってグリップを構えたとき、パターのシャフトはやや傾いて斜め前にヘッドがあります。

このパターヘッドを上から見下ろすと、ヘッドを真っ直ぐに引き、打ち出すことができるといわれています。

前傾姿勢を深くとる場合は、グリップの位置が低くなるので必要なパターの長さは短くなり、前傾姿勢を軽くとる場合にはグリップが高くなるのでパターは長めにしなければなりません。

またボールの置く位置は左目の真下が良いとされていて、しかもボールを見るときは右目が良いとされています。

いわゆる「利き目」を右目にすると、ボールとの距離感が安定して正しいストロークができるようになることが理由です。

アドレスのときに左目を閉じて、右目だけでボールを見てから両目で見ると、多くのゴルファーは右目が利き目になっているはずです。

右目でインパクトする部分を見ることができると、無理に前屈みの姿勢をとらずに、背筋を伸ばしてパッティングができるはずです。

ストロークの姿勢で決まるパターの長さ

ストロークの姿勢もパターの適正の長さ決めに影響します。

前傾姿勢とも通じるところはありますが、前傾角度が同じであってもパターを構えるとき、またストロークしているときの姿勢に違いがあればグリップの高さは変わります。

そしてグリップの高さが変われば、パターの長さを変えなければなりません。

自由に構えることができるパターですが、大別すると両肩と両肘とグリップで作る五角形と、両肩とグリップで作る三角形の2種類が基本形になります。

五角形は両肩と両肘が垂直になるか、もしくは肘が肩のラインよりも広がるようにするために、グリップを身体の近くまで引き上げて構えなければなりません。

すると必然的にグリップが高い位置になるので、長いパターが必要になります。

一方で三角形は両肘を伸ばしてグリップを握っているので、グリップ位置は低くなり短いパターが必要になるというわけです。

ただし左右の手を逆にするクロスハンド(逆ハンド)にすると、グリップを先側で握るため短めにする場合もあります。

パッティングスタイルによって適正は様々

長さが適正であるかは、ここまで話してきたグリップの握り方や構え方、またパッティングの仕方によって違ってくるものです。

身長191センチのフィル・ミケルソンは32インチの短いパターを使っています。

彼は狭いシャローなオープンスタンスで、右足に体重を乗せた変形フォームですが、多くの勝利を手にしています。

またパッティングのお手本のような構え方をするタイガー・ウッズですが、彼もまた33インチの短めのパターを使用しています。

タイガーの身長は185センチですから、普通に考えると前屈みの姿勢のような気がしますが、腕が長い分だけ背筋を伸ばした綺麗なフォームになっています。

身長や腕の長さも関係はしてきますが、重要なのはパッティングフォームによって長さを変える必要があるということです。

ここを理解できれば、自分に合った長さのパターを見つけることができるはずです。

まずはフォームを固めよう

パターの長さは身長や腕の長さによって違うというのが一般的ですが、実際にはグリップのどこの部分を握るのか前傾姿勢をどこ角度にするのか、パッティングフォームが三角形なのか五角形なのかによって違っていきます。

適正な長さは実際にアドレスの姿勢を決めてから選ぶようにしましょう。