ゴルフスイングでフェースを開いて閉じるためのメソッド

軸を中心とした理想的なゴルフスイングをするためには、インパクト前後のフェースの動きは「開いて閉じる」必要があります。

これに体重移動を加えると、複雑なスイングアークが必要になりそうですが、今回は簡単に習得できる回転軸を中心としたスイングのメソッドを紹介します。

ゴルフスイングにおけるフェースの動きは開いて閉じるもの

トップからのゴルフスイングを、別名ダウンスイングと言います。

上から下に向けて振り下ろす強烈なインパクトを想像する人もいるかもしれませんが、同時に軸を中心とした円のスイングも行っています。

上から下への振り子のようなスイングアークは、木製や鉄製のシャフトだったずっと昔のことです。

現在は回転軸を中心とした円のスイングが基本となっていて、それはボディーターンと言われたり、レベルスイングやジャイロスイングなどと呼ばれることもあります。

時計の文字盤を想定してスイングを真上からみると、回転軸を背骨として時計の針がゴルフクラブです。

ヘッドは3時→2時→1時と進行して0時でインパクト、打ち終わってからも11時→10時→9時とフォロースルーをして、フェース面は開いて閉じる動きをします。

つまり0時のタイミングでインパクトをしなければ、フェースは開いてスライスボールを打ち出すか、閉じてフックボールを打ち出すことになってしまうということです。

フェースが開いて閉じることをゴルフスイングで実感できない

フェースを開いて閉じることを先ほどの説明から頭で理解しても、実際のゴルフスイングでそれを実感することは少ないかもしれません。

ただイメージをしっかり持つことができれば、正しいインパクに近づけるようになるので心配は要りません。

なぜ「イメージ」なのかと言うと、トップからインパクトまでは、わずか0.5秒もないからです。

人間は脳で考えたことを行動に移すときに0.2秒の時間を必要とします。

つまりスイングが始まってから何かをしようとしても、インパクト後になる可能性が高いというわけです。

しかも体は目的を持って動いていますので、そこに違う動きを加えるのは至難の技と言えます。

ましてスイング中にフェースの向きをコントロールすることなどできません。

すべてはトップの位置で、どのようなスイング軌道になるかは決まっているのです。

そこで大事になるのがアドレスで、正しい姿勢でゴルフクラブを構えることができれば、50%は達成したと思っても良いかもしれません。

ちなみにトップの位置で40%が加わり、残り10%がインパクトまでのスイングといった割合です。

開いて閉じるために必要なゴルフのアドレスの仕方

フェースが開いて閉じるスイングをするためには、正しいアドレスで軸を中心としたゴルフスイングをしなければなりません。

その正しいアドレスの仕方は、スタンスを肩幅に開き軽く膝を曲げて腰を落とし、背筋を伸ばして前傾姿勢をとります。

肩から下ろした腕でグリップを握り、フェース面はターゲットに面します。

このフェース面をインパクトで再現することが、テークバックとダウンスイングに課せられたミッションなのです。

ここで大事なことは、最初のセットを適当にしてしまうと、正しいインパクトはできないということです。

その上でテークバックを開始しますが、決して飛球線の後方線上にヘッドを引いてはいけません。

時計の文字盤では0時から1時に向けてヘッドは移動しています。

つまり「0時」から真横の「1時の外」にスライドするような動きはありません。

このままトップの位置まで引き上げていくのですが、ここで捻転という面倒な動作をすることになります。

回転軸のゴルフスイングで生まれる開閉フェース

正しいアドレスができていることを前提に、テークバックはクラブヘッドを引くのではなく、右腰と右肩を後方に引きます。

左肩を回そうとすると前傾姿勢が崩れて、トップの位置で左肩が沈んだ姿勢になってしまうからです。

右肩を引くことで回転軸である背骨を中心に捻転することができ、フェースを開いて閉じるスイングが可能になります。

また右腰を引くことで、腰の回転が捻転の半分を受け持ってくれるので、無理な姿勢で捻転をしなくても、程良いねじれ感でゴルフクラブをトップの位置まで引き上げることができます。

あとは回転軸を中心としたテークバックをしたのですから、その軌跡を戻れば良いわけです。

ただしダウンスイングは0.5秒でインパクトに到達してしまう「勢い」があります。

インパクトのときにアドレスで構えた位置にグリップを合わせられれば、フェースは正しい向きになっているはずです。

ところが勢いによってグリップが先行してしまい、ヘッドは遅れてフェースは開いてしまうことになります。

特に回転軸を中心としたボディーターンではこの開きが常態化するので、アドレスの時点でハンドファーストに構えて、フェースの開きを防ぐようにします。

楕円のゴルフスイングでもフェースは開いて閉じるイメージ

勢いのあるゴルフスイングをしようとすると回転軸が移動します。

テークバックで右腰を引いて捻転すると、右股関節の上に回転軸が乗っていることを実感できるはずです。

つまり両足の中心にあったはずの回転軸が、テークバックで右側に移動したわけです。

ダウンスイングによって、回転軸は元の位置に戻ることになります。

本来であれば両足の中央に戻れば良いのですが、勢いのついた体重移動は中心を通り越して、左股関節の上までいってしまいます。

回転軸は右足の上から左足の上まで移動することになるわけですが、このときのフェースの動きは右足から左足までの間、ほぼストレートにスライドしています。

インパクトの直前直後のフェースの動きは開いて閉じると説明していますが、実際にはストレートに動いているのです。

スイングを上から見ると丸い円ではなく、横長の楕円になっています。

ただしここで大事なことは、横長の楕円をイメージしてスイングするのでなく、あくまでも丸い円をイメージしてスイングをすることなのです。

フェース開閉のためのアームローテーション

楕円のゴルフスイングであっても、フェースが開いて閉じるようにイメージしないと、グリップが左に流れてフェースが開いたままインパクトを迎えてしまう可能性があります。

体重移動と回転軸を中心としたスイングをしながら、一緒に体重移動をするのですから、タイミングを合わせるのが難しいような気がしますが、そこは大丈夫です。

ダウンスイングでグリップが右足まで到達したときに、コックをリリースすれば開いていたフェースは飛球線に対してスクエアになり、そのまま右手を返すとフェースは閉じます。

このアームローテーションを取り入れれば、体重移動をしていてもフェースの開閉動作は、簡単にコントロールできます。

アームローテーションのコツは、グリップエンドを自分のオヘソに向けてインパクトをすることです。

体が動いていてもグリップエンドが一定の方向を指していれば、フェース面がブレることはありません。

そうすれば、横長の時計の文字盤の上をなぞるように、フェースを移動させることができます。

ゴルフは開いて閉じるフェースの向きを習得することがスタート!

回転軸を中心とした円を描くゴルフスイングをイメージすると、インパクトの前後でフェースは開いて閉じる動きをします。

この動きができるようになってから体重移動のスイングを練習すると、体が流れることなく正しいインパクトができるようになるはずです。