ユーティリティはロフト角や番手で比較しても意味はない!

何かと便利なクラブと言われるユーティリティですが、実際にクラブセットに加えるときには、ロフトや番手を見て判断するか、他のクラブとの兼ね合いで選ぶのではないでしょうか。

それはそれで正しい考え方に基づかないと上手くいきません。

今回は正しいユーティリティの選び方について考えます。

ユーティリティは番手よりもロフトを呼称にしたほうが良い?

ユーティリティを選ぶときは、アイアンの番手と比較することが多いでしょう。

ユーティリティのロフト角をアイアンの番手と比較することで、ユーティリティの飛距離をつかむわけです。

使用するユーティリティがどのくらい飛ぶかは重要なファクターになりますが、アイアンの番手と比較することが必ずしも正しいとは限りません。

飛距離の目安としては、ユーティリティのロフト角に対して、アイアンのロフト角を比較する方法はあります。

これだとシャフトの長さやヘッドの反発力による誤差はあるものの飛距離の目安とすることはできます。

しかしながらアイアンの番手はメーカーやモデルによってロフト角がバラバラです。

例えば7番アイアンは、別のメーカーの5番アイアンと同じロフト角なことがあります。

このようにメーカーやモデルによって飛距離の違いがあるのですから、その番手の飛距離を特定することができないわけです。

したがってユーティリティとアイアンを比べるときは、ロフト角を対象にすると分かりやすいということになります。

各メーカーのユーティリティの番手のロフトはバラバラ?

ユーティリティにも番手はあり、番手は「4UT」とか「U4」、または「4番」と表示されますが、アイアン同様でロフト角の設定はバラバラです。

ユーティリティとアイアンは、ともに番手に対するロフト角がバラバラなのですから、比較対象にしても飛距離を正確に判断することはできないはずです。

ところが多くのゴルファーは、自分のアイアンの番手で飛距離を理解していることから、それを基準にしてユーティリティの飛距離の目安にしてしまいます。

ここまでの説明ですでに無駄だということは理解できると思いますが、現実には多くのゴルファーが4番アイアンとユーティリティの4番が同じ飛距離のように錯覚をしてしまうわけです。

フェアウェイウッドの4番とユーティリティの4番とアイアン4番の飛距離は違います。

例えば、あるメーカーの4番ウッドのロフト角は16度、4UTは21度、そして4番アイアンは23度です。

当然ですが飛距離は異なりますし、ランの距離も変わるのでボールの止まる位置はまったく違う箇所になるでしょう。

ユーティリティは番手よりロフト角を名称に使う理由とは

最近はユーティリティのロフトを名称にしていることが多くなっています。

すでにウェッジは番手の呼称を使っておらずロフト角がそのまま名称となっていますが、ユーティリティも同様にロフト角を名称として使うことが多くなってきています。

その理由の1つには、アイアンとの差別化があるのかもしれません。

アイアンのロフト角もメーカーやモデルによってバラバラですが、伝統的に番手を呼称としています。

距離がどれだけ飛ぶかよりも、ターゲットにどれだけ近づけるかがアイアンの役目ですから、ロフト角で呼ぶ必要性はないのかもしれません。

そのアイアンと同じ番手となるユーティリティは、特に3番~6番までの間で、必要な番手を揃えているはずです。

中にはユーティリティを主体に、セットの組み方をしているゴルファーもいるかもしれませんが、大半はアイアンを主体にしてドライバーとの間のクラブとしてユーティリティは存在しているはずです。

実際に使用する際に、キャディに「4番を取ってください」と伝えると迷いが出るためアイアンは番手を呼称にし、ユーティリティはロフト角を呼称にしていることが多くなっているようです。

ユーティリティと他のクラブはロフト角が同じでも番手は違う

ユーティリティとフェアウェイウッドは、番手が違ってもロフト角が同じであれば、飛距離は同じになります。

飛距離には個人差があるので、一般論としてみると5番ウッドの飛距離は約200ヤードです。

このときの5番ウッドのロフト角は18度を想定しているので、中には220ヤードまで達する人がいるかもしれません。

ユーティリティの3番の飛距離も約200ヤードで、ロフト角も同じ18度です。

同じロフト角で同じ飛距離だとしたら、打ちやすいユーティリティのほうがミスなくショットを放つことができると考えられます。

ここがユーティリティの人気の源なのですが、もしも違いがあるとしたら、キャリーの距離は変わらなくてもランの距離に違いがあることです。

ユーティリティに比べて、フェアウェイウッドのほうが重心は深いため打ち出すボールは高弾道になります。

つまり高く上がったボールは真下近くに落下してくるため、ランは少なくなるのです。

ロフト角が同じでもユーティリティは番手以上のランがある?

フェアウェイウッドとユーティリティを比較して、ドライバーと同じ感覚であれば、ランの少ないことがフェアウェイウッドのデメリットになりますが、アイアンと同じ感覚で考えるとピンポイントで攻められることがメリットになります。

この弾道をユーティリティに置き換えると、ドライバーの役割よりもアイアンの役割を求める可能性が高いわけですから、ユーティリティが万能というわけにはいきません。

ユーティリティはフェアウェイウッドに比べると低弾道となって、同じロフト角で放ったボールでもランは長くなります。

コース内のランの距離が長いということは、ターゲットまでの距離が不確定になる要素が大きいということになります。

一方でユーティリティは番手に限らずヘッドのサイズが小さいので、ラフの中でもヘッドの振り抜けは抜群ですし、短めのシャフトでミスショットが少ないことも特徴です。

さらにフェアウェイウッドに比べると低弾道ですから、横風に影響される確率は少なくないことも考慮しなければなりません。

ロフト角や番手で揃えるよりユーティリティは役目で揃える

使用する側としてはロフト角や番手によって区分し、それを他のクラブの性能と比較して、効率の良い揃え方をしたいと考えるのは当然のことです。

キャディバッグに入れられるクラブの本数は14本までですから、必要不可欠なドライバーとパターを抜くと残りは12本、それに使う場面の多いピッチング・アプローチ・サンドの3本のウェッジを含むと残りは9本しかありません。

3番から9番まで7本のアイアンを入れると、残り2本はフェアウェイウッド1本、ユーティリティ1本しか枠がありません。

なるべく飛距離でダブらないように、だけれども易しいと言われるユーティリティを増やしたいのであれば、ロングアイアンの番手を削って、そこにユーティリティを入れるのがベターです。

距離のピッチで揃えると確かに代用する方法はありですが、ライの状況や風の状況を考えてクラブ選択をする場合には、セカンドショットで必要な番手を知ることで解決ができるかもしれません。

無理矢理、飛距離でクラブをはめ込むのではなく、使いたいクラブや得意なクラブで揃えたほうが結果的に使用頻度は高くなり、信頼感のあるクラブでプレーをすることができるはずです。

そうなると易しいクラブのユーティリティを外すわけにはいかないでしょう。

他のロフト角や番手は気にせずユーティリティを揃える

ユーティリティを揃えるとき、他のクラブと比べるためにロフト角や番手を気にすることになります。

しかしながら本当に必要な性能を考えると、ターゲットにどれだけ近づけるかを考えて、他のクラブよりもユーティリティが有利なら、14本のクラブの中にどんどん加えるようにしましょう。