ドライバーのスライスが改善したら、アイアンショットがチーピンになってしまうことがあるものです。
そんな予期せぬ球筋に動揺して、次のアイアンショットが上手く打てなくなることもあります。
今回は、そもそものチーピンの意味と、原因とその直し方を紹介します。
チーピンする意味と直し方を知ることが大事
ドライバーのスライスが直ってきたと思ったら、今度はチーピンの嵐でアイアンショットが打てなくなることがあるのがゴルフです。
ゴルフ用語で左に引っかける球筋をチーピンと言います。
いつからこのチーピンが使われているかは分かりませんが、語源はゴルフではありません。
マージャン牌の七筒(ピンズの7)は、4つ●で四角を作り、その上に残り3つを斜めに並べていて、その形が左に曲がるボールの球筋に見えたからだ、ということで名づけられたものです。
おそらく隠語として使われたものが常用されて、日本独自のゴルフ用語になっていったのではないでしょうか。
ちなみに本場の英国では「ダックフック(duck hook)」ですし、日本語的には「引っかけ」になります。
プレーヤーはストレートボールをイメージしているのに、急激に曲がるチーピンが出ることで衝撃を受けて、通常のミスショット以上のダメージが残るものです。
「もしかすると…」と次のショットにも不安が残り、その結果チーピンを繰り返すことになっていきます。
まさに負のスパイラルに陥るため、チーピンが出たらすぐに修正しなければなりません。
そのためにはチーピンが出る原因と、その直し方を知っておく必要があります。
アイアンがチーピンになる原因が分かれば直し方も分かる
ひと口に「チーピン」と言っても、実際にはいくつかの球筋があります。
もっとも多いのは、アイアンショットのボールが左側に打ち出されて、そこから左に曲がるタイプです。
この場合は、インパクトでアイアンのフェース面が左を向いていることは想像できると思います。
ボールと接触する時点でフェースが左側を向いていれば、当然左方向に飛び出しますし、ボールには左回転がかかります。
問題は、なぜ左方向を向いているかです。
アドレスでクラブヘッドをセットしたときには、間違いなく飛球線に対して垂直なフェース面を作っていたはずです。
そうして正しくセットしたフェース面が、インパクトで方向を変えるのには2つの理由が考えられます。
1つ目は、グリップの握り方がフックグリップになっているからです。
そして2つ目は、アドレスでのグリップの位置がハンドファーストになっていることです。
この2つある原因の理由と直し方を知れば、簡単に修正することができるでしょう。
アイアンでチーピンがでる1つ目の原因の直し方
まずは1つ目のフックグリップの握り方です。
アイアンショットがチーピンになるのは、インパクトでフックフェースになっているからだと仮定したら、それを確かめなくてはいけません。
難しそうな気はしますが、確かめる方法は意外に簡単です。
まずグリップを右肩の位置まで引き上げて、そのままゆっくりとボールの位置まで振り下ろします。
このときのフェース面は必ず左を向いているはずですが、これは正しいフェースの向きなので何も問題はありません。
アドレスではスクエアなフェースで構えていますが、左手甲をターゲットに向ける正しいスイングができているからこそ、フェースは左を向くことになります。
正しいスイングをやめるか、そのまま続けるかを選択するのであれば、答えは1つしかないはずです。
ヘッドのトゥ(先端)の振り遅れを解消するためのフックグリップが、ドライバーショットのスライスが改善したこともあって、アイアンでは必要なくなってきたということです。
直し方は、上から見たとき左手のコブシが3つ以上見えているのであれば、2個半以下に握り方を修正するだけです。
アイアンがチーピンする原因のハンドファーストの直し方
チーピンチェックのためのゆっくりした素振りをしても、フックフェースになっていなければ、次の2つ目のハンドファーストが原因なのでその直し方を確認しましょう。
ハンドファーストで構える理由はインパクトの形にあります。
身体の中心でグリップを構えると、両腕が均等な状態になるので、両肩や両胸は飛球線に対して平行な姿勢でアドレスをとることができます。
しかしながらこれは机上の話であって、実際のスイングは振り下ろす勢いでグリップは左側に流れるものです。
できるだけ左に流れないように注意してダウンスイングをしても、インパクトでグリップは身体の中心を越えてしまうのです。
そうしてグリップだけが先行するとフェースは開きますので、打ち出すボールはスライスします。
そこで構える時点でグリップを左に置いて、フェースはスクエアにセットします。
ところがドライバーショットのスライスが改善されたことで、アイアンのグリップを本来の身体の中心に移動すると、フェース面は左を向いているはずです。
つまりチーピンになる原因はスイングが正常になったことに問題があるのです。
チーピンの直し方はアイアンを素振りしてグリップ位置を確認
現在の構え方の主流は、ボールよりもグリップをターゲット側に構えるハンドファーストです。
ゴルフは再現性のスポーツと言われていて、アドレスとインパクトが同じであることが最良とされています。
この構え方に問題はありません。
ダウンスイングでヘッドの返しができるようになったことで、ドライバーは改善されているのですから上達したことが考えられます。
ところがスイングスピードの遅いアイアンでは、身体の正面でボールをとらえることができるようになっているはずです、
身体の中心でボールをとらえることができるようになったのに、左側のグリップを想定しているために、フェースがかぶってチーピンになったと考えられるのです。
直し方はボールの位置を気にせずに、連続してブンブンと素振りをすること。
練習場の人工芝の擦れた位置を確認して、次にインパクトの位置でピタっとグリップ止めます。
このときのグリップの位置が、現在の自分のグリップポジションの目安になるので、あとはボールを打ちながら微調整を行いましょう。
チーピンの直し方はアイアンショットの悪い癖を身体から抜く練習
基本的にはフックグリップとハンドファーストを改善する直し方で、チーピンは収まりますが、ドライバーのスライス修正に伴う過度な右手の返しがあるかもしれません。
ドライバーを普通にスイングすると、シャフトがしなってヘッドは遅れます。
これを修正するために、それまでの左手甲が上を向いた状態から、右手を返して右手甲を上に向けるようにしてインパクトをします。
実際には右手が返る動きをしている中でインパクトを迎えるので、その瞬間の左手甲はターゲットに面しています。
ところがこの返しが早くなると、左手甲が下を向いた状態でインパクトを迎えることになります。
いわゆるシャットフェース、フェース面が閉じた状態になってボールに接触し、フックボールになるわけです。
ところがアイアンの場合には、このフェースの角度が顕著に現われて、チーピンとなってしまいます。
直し方は、グリップエンドから指3本分短く握り、左手甲でボールを払うようなイメージでショットの練習をすること。
左手甲の向きが正常になれば、通常の握りに戻して同じようにショットの練習を続ければ、悪い癖は身体から抜けていくはずです。
原因を見つけることが大事
アイアンがチーピンになるのは、インパクトのときのフェース面の歪みが原因です。
まずは原因を見つけて、次にその原因にあった直し方を実践します。
注意しなければならないのは、原因が1つではないこと。
フックグリップにハンドファーストの構えは良くあることなので、どちらに原因があるかを1つずつ見つけておくようにしましょう。