パターの長さが合っていないと、アドレスの姿勢が上手く取れずに構えただけで不安になることがあります。
パターの選び方で重要なのは、ヘッドの形状よりも長さがポイントになってきます。
自分に合ったパターの長さの見つけ方を紹介します。
自分に合ったパターの選び方は長さが基準
パターが合っていないと感じてしまうと、不信感からタッチを合わせられなくなるものです。
少なくともパターを構えるときには、絶対的な自信を持っていなければ、容易な距離でも外してしまうことがあります。
ベテランゴルファーに「どんなパターが良いのか?」と問うと、多くは「しっくりした感じ」とか「フィーリング」といった分かりそうで分からない答えが返ってくるものです。
もう少しハッキリした答えを望むのであれば、長さに着目してみると良いかもしれません。
パターの選び方でもっとも注視するのはヘッドの形状です。
ただへッドの形状には「流行」があるので、必ずしも自分の好みでなくても人気モデルを選ぶことがあります。
対してグリップ位置は不変なので、パターの長さを合わせれば、ヘッドの形状が違っていても違和感のないパターを選ぶことができるはずです。
ルールを確認すると、パターは18インチ(45.7cm)以上であれば、どんなに長くても問題はありません。
ただ長すぎると扱うのに不便なので、市販されている長さから自分に合ったものを探しましょう。
長さを重視したパターの選び方で重要なのはアドレスの姿勢
長さを重視したパターの選び方では、自分のアドレスの姿勢やパッティングスタイルがポイントになってきます。
他のクラブと違ってパターの打ち方は「自由」なので、構え方も自分に合ったもので問題はありません。
ここでは一般的なアドレスとストロークを前提にしますので、あとは自分なりに修正してみてください。
まずアドレスの姿勢を確認しましょう。
肩幅程度にスタンスを広げて、背筋を伸ばして腰から前傾します。
左目の真下にボールがあるように、深めに前傾をします。
両肩と両肘とグリップで五角形を作るフォームと、両肩とグリップで三角形を作るフォームがあります。
腕を伸ばす三角形のフォームよりも、肘が曲がる五角形のフォームのほうがグリップの位置は高めになり、長めのパターが必要になります。
あらかじめ重りをつけた紐を握って地面までの長さを測り、アドレスの姿勢でのグリップの高さを確認しておくと良いでしょう。
ちなみに市販のパターはインチ刻み(1インチは2.5センチ)なので、シューズを履いて計測すると誤差がなくなります。
パターの長さと身長を目安にした選び方との関係
紐は引力に対して垂直に下がりますが、実際にパターを構えるときは、シャフトが斜めになり、紐の長さと実際のパターの長さには違いが生じます。
左目の真下にあるボールと、それよりも身体側で構えるグリップの位置は微妙な違いがあるので、気になるようであれば現在使用しているパターを使って、正しい長さを計測してみましょう。
ちなみにパターはグリップエンドで握ることはないと思いますので、選び方としては「グリップの中心で握る」ことをイメージしておくと良いかもしれません。
一応身長を元にしたパターの長さの目安があります。
国内用のゴルフクラブは身長170センチを基準にしているといわれています。
身長170センチの目安は33インチ、10センチ刻みで180センチなら34インチ、160センチなら32インチと自分の身長に合わせみると良いでしょう。
ただし腕の長さや前傾姿勢、また下半身と上半身のバランスなどから、1インチ程度の誤差は出ることも考慮しておく必要があります。
量販店の店頭に並んでいるものは、31インチから36インチくらいまでありますが、種類的には女性用としての32インチから、男性用の34インチまでが多いはずです。
パターの長さに合わせるアドレス姿勢の選び方
基本とするパターの構え方であれば、グリップの高さを確認することでおよその長さは割り出すことはできますが、パッティングに悩みを抱えているゴルファーは、独自のフォームにしていることが多く一概に長さを割り出すことはできません。
パッティングの悩みの元となっているのは、正確なストロークに対するこだわりです。
この想いが強いほどテークバックのわずかな揺れが気になったり、フォロースルーのヘッドの出し方が気になったりするわけです。
そうした正確なストロークにこだわりを持つゴルファーのパターの選び方としては、短いタイプのパターが良いかもしれません。
手元からヘッドまでの距離が短いほど、ヘッドコントロールがしやすく、自分の意思で打つことが実感できるからです。
短いパターを構えるときは肩から左腕を真っ直ぐ下ろして、左肩を基点に振り子のパッティングをすれば、方向性や距離感に悩むことはなくなるはずです。
ルール上のパターの長さは約45センチ、つまり膝の高さと同じくないの長さであれば問題ありませんが、市販では18インチのパターは売ってないでしょうから、ジュニア用の中から選ぶと良いかもしれません。
長さによる選び方に成功するとパターの調子が本当に良くなる?
長さの短いパターは、自分の意図するタッチを正確に伝えることができます。
しかしパッティングそのものに悩みがあって、手が動かないとか打てないといった、いわゆるイップスの場合は長いタイプのパターが使われていました。
竹ぼうきのように長いシャフトのグリップエンドを左手で握ってあごにつけ、右手で動かすと大きな振り子のようにストロークができるというものです。
これはイップスの特効薬だったのですが、ルール改正によって「アンカーリング」が規制されたことから、長いパターは使われなくなってきました。
そのルール改正後、奇妙なパッティングフォームにすることで、アンカーリングをしなくても同じ効果のあるパッティングができるようになります。
人によって握り方は違いますが、代表的なグリップの握り方を紹介します。
左手は普通に握りますが、右手は甲を前方に向け、手のひら側を自分に向けて、人差し指と中指そして親指でシャフトをつまみます。
グリップエンドを固定するとアンカーリングになってしまいますが、左手は普通に握っているのでルール違反にはなりません。
これは上半身が右に傾くような変則的なフォームなので、パターの選び方はシャフトが重力に対してほぼ垂直になる長さのもので、自分のフォームに合ったものを選ぶようにしてください。
長さによるパターの選び方と打ち方とのマッチング
やはりパターの打ち方によって選び方を変えたほうが良いかもしれません。
オーソドックスな振り子タイプの場合は、できるだけシャフトを垂直に構えてヘッドを引き上げ、あとは打ちに行かずにヘッドの重みでストロークします。
引いたヘッドの高さが距離になり、パッティングライン上でヘッドを動かしているのでブレもありません。
またストロークの際には、フェースのロフト角によって順回転がかかり、カップの淵で止まることがなくなります。
ヘッドの重みで振り子をイメージするため、パターはある程度の長さが必要です。
もう1つのスライドタイプの場合は、ソールを浮かせてヘッドをパッティングラインの後方に引き、そのまま高さを変えず真っ直ぐにストロークするイメージです。
「OK」をもらえるくらいのショートパットでは、この打ち方をしているはずです。
下り斜面や芝目が順目のとき、また高速グリーンなど繊細なタッチが要求されるときに使うため、短めのパターのほうがコントロールはしやすいでしょう。
自分に合った長さのパターは安心感に繋がる
自分に合った長さでパターを構えると不安感がなくなり、たとえカップインしなくても、納得のパッティングになるはずです。
自分に合うパターの選び方は、身長や腕の長さ、上半身の前傾角度など、さまざまな要件はありますが、握ったときに「しっくり」すれば安心してパッティングに臨めるはずです。