ずっと以前にあったクラブ「たらこ」から派生したといわれるユーティリティですが、現在では欠かせないゴルフクラブになっています。
ただ飛距離でみると、そんなに多くの場面で使える機会はないようです。
なぜ「役に立つ」という意味のユーティリティが必要なのか、考えてみましょう。
ゴルフクラブのユーティリティは飛距離を生むアイアン?
形は似ていてもフェアウェイウッドではなく、だけれどもアイアンでもないのがユーティリティです。
もともとユーティリティは「役に立つ」という意味で使われる言葉ですが、ゴルフでは飛距離を生むフェアウェイウッドと、芝草の抵抗を気にせずにショットできるアイアンの特性を両方兼ね備えた便利なクラブです。
日本国内のユーティリティの大半は、ヘッドがウッド型になっていますが、世界的に見るとアイアン型とウッド型の2つの形状があります。
どちらにも長所はありますが、日本ではアイアンに近いタイプは少なく、アイアンのシャフトにフェアウェイウッドのヘッドをつけたものという方がしっくり来るかもしれません。
ただキャディバッグにはフェウェイウッドも入っていて、併用していることが多いので、使用の観点からはフェアウェイやラフで使用できる、ロングアイアンの代わりをなすものと位置づけて良いかもしれません。
ちなみにキャディバッグの中の3番アイアンや4番アイアンは多くはお飾りのようものなので実践で使用する機会は少なく、仮に使用してもティーショットくらいのものではないでしょうか。
ユーティリティと他のゴルフクラブとの飛距離を比較
ユーティリティの飛距離はゴルフメーカーによって違いますが、およその目安はあるようです。
まずユーティリティの種類を確認しましょう。
市販されている中で使用されている頻度が高いのは、3UT、4UT、5UT、6UTの4種類ではないでしょうか。
飛距離はヘッドスピードによって変わりますので、一般的なヘッドスピード40m/sでみると、3UTは190ヤード、4UTは180ヤード、5UTは170ヤード、6UTは160ヤードです。
190ヤードの飛距離をアイアンで比較すると、3番アイアンが目安になります。
仮にユーティリティを持っていなければ、ラフから3番アイアンを使えるでしょうか。
そう考えると、ユーティリティは便利なクラブです。
一方フェアウェイウッドで比較すると、5番ウッドか7番ウッドといったところです。
仮に7番ウッドであれば、ユーティリティとも大差はないかもしれません。
同じ飛距離のアイアンと比較すればユーティリティですが、7番ウッドであるならばフェアウェイウッドを選択する人も多くいるかもしれません。
役に立つゴルフクラブのユーティリティの飛距離
そもそもフェアウェイウッドとアイアンは例え飛距離が一緒でも役割が違うので、ことさらに性能や使い勝手を比較する必要はありません。
ところがフェアウェイウッドのヘッドを持ち、アイアンのシャフトを備えた「役に立つ」ゴルフクラブのユーティリティは、フェアウェイウッドやアイアンとの違いが気になります。
そこで外形的なスタイルを見て判断するのではなく、ロフト角を比較すると、およその飛距離は分かってくるものです。
多くのユーティリティの3UTのロフト角は20度程度です。
同じ20度のロフト角をアイアンで比較すると最も近いのが3番アイアンですし、ウッドであれば7番ウッドです。
ただウッドの場合にはロフト角がそれぞれ違うので、4番ウッド、5番ウッドにもロフト角18度はあります。
7番ウッドと4番ウッドではかなり使いやすさの印象が違うので、一概にユーティリティとフェアウェイウッドを比較して、どちらが使いやすいかを判断することはできません。
ゴルフコースではユーティリティの3番の飛距離が使える?
実際にゴルフコースでユーティリティを選択するときのシュチュレーションを見てみましょう。
平均的なミドルホールである360ヤードのパー4、ドライバーの飛距離を230ヤード(キャリー210ヤード・ラン20ヤード)としたとき、グリーンセンターまでの残り距離は130ヤード(キャリー120ヤード・ラン10ヤード)です。
女性ゴルファーであればUT8の飛距離ですが、男性ゴルファーだと9番アイアンでフルショットもしくは8番アイアンで軽めにショットする距離です。
つまり平均的なミドルホールでは、無理してユーティリティを使わなくても、アイアンで十分な距離といえます。
平均的なロングホールである500ヤードのパー5、1打目がドライバーで230ヤードなら残りは270ヤードです。
この270ヤードを2打でグリーンに乗せれば、パーオンになります。
逆算して3打目はアプローチウェッジの80ヤードにすると、2打目は190ヤードです。
190ヤードは3UTの距離ですから、この条件下であれば使用する機会がある計算ができます。
ゴルフでユーティリティを選択するのは飛距離ではなく安心感
先ほど説明したようにゴルフコースでユーティリティを使用する機会は限られています。
しかしこれは他のクラブでも同様で、例えば1ラウンドで190ヤードの飛距離を持つ4番アイアンを使う回数を考えれば、ユーティリティと大差はありません。
そもそもドライバーやパターのように、毎回のように使うクラブは少ないはずです。
仮に自分が得意とするのが5番アイアンであれば、残り距離が200ヤードを超えていても、そのクラブを選択することがあります。
最初から飛距離が足りないことが分かっていても、「安全策」として信頼のおけるクラブを選択するのです。
ユーティリティを選択する場合も同様で、ロングアイアンでは芝草を噛んで飛距離が出ない、フェアウェイウッドではフックやプッシュアウトが心配と、安心感を得られずにアドレスに入ることがあります。
そんな場面では、アイアンのシャフトにフェアウェイウッドのヘッドを備えたユーティリティであれば、その不安を消してくれる効果があるのかもしれません。
リアルゴルフではユーティリティの飛距離が必要になる
ゴルフコースを考えるとユーティリティを選択するのはセカンドショットが主体になりそうですが、実際にはグリーンを狙うことができるクラブです。
難易度の高いスイングの技術がなくても、飛距離190ヤードでグリーンをとらえることができれば止めるボールを打てるのです。
ユーティリティは、ロングアイアンと比較すると高弾道な球筋になり、しかもスピン量があるので着弾後に止めることができます。
ロングアイアンで止める球筋が打てるようになるには、相当な練習量が必要です。
しかしながらユーティリティであれば、今日はじめて使用しても、その止めるボールを打つことができるのです。
ただ使用頻度で考えると、セカンド地点で選択する機会は少ないように思えます。
ここまでは机上の論理であって、リアルゴルフではドライバーショットのすべてが230ヤードということはありません。
ミスショットをリカバリーしてくれるのが、「役に立つ」という名称がついたユーティリティの役目と考えると、ほぼ毎ホールで使用する機会はあるのかもしれません。
役に立つゴルフクラブであるユーティリティの魅力
役に立つゴルフクラブといわれるユーティリティですが、飛距離だけでみると使用機会は限られてきそうな気がします。
しかしながら実際にはファーストショットがミスしたときのリカバリーで、グリーンを狙えるクラブなのです。
つまり「失敗しても大丈夫」という安心感を担保できるクラブがユーティリティなのかもしれません。