ゴルフでもっとも大事なことはインパクトです。
正しいスイング軌道ができて、フェースを合わせることが大切です。
そのためにはインパクトゾーンでのグリップエンドが指す方向と身体の動きが重要となります。
楕円のスイングが簡単になるグリップエンドの活用法を紹介します。
グリップエンドの動きに合わせるゴルフスイングが簡単
ダウンスイングは一瞬の出来事です。
トップからインパクトまでは、遅くても0.5秒、早ければ0.3秒でボールを叩いてしまう動きです。
このわずかな時間に、「あれをしよう」とか「こんな風にしよう」なんて考えても、修正する前に打ち終わっています。
脳に伝達してから実行に移るまで、およそ0.2秒かかるそうです。
ゴルフクラブを振り下ろしてから、何かをしようと考えても間に合うことはないと思ったほうが良いでしょう。
唯一あるとしたら、握っているグリップを離すことくらいですが、それでは正しいインパクトからさらに離れていってしまいます。
ダウンスイングはスタートする前から始まっているのです。
トップの位置で切り返すときに、すでに脳にはインパクトの指令が流れているわけです。
中には先を越して、フィニッシュまで進んでヘッドアップしてしまうこともあります。
一瞬で迎えるインパクトでは、微細なコントロールを体任せにしてしまいがちですが、グリップエンドの動きに合わせると、その短時間でも自分の意思でコントロールすることができるようになるのには驚くかもしれません。
ゴルフスイングのグリップエンドの役割はパターの動きで!
ゴルフスイングでインパクトが安定しないときは、グリップエンドの動きに合わせましょう。
ゴルフは再現性のスポーツですから、アドレスのときにボールの真後ろにフェース面をセットし、インパクトで再現するのがスイングの基本です。
ヘッドの動きをパッティングに置き換えると分かりやすいかもしれません。
ペンデュラム(振り子)のパッティングは、グリップエンドを支点に置いてヘッドを作用点にする縦振りのストロークです。
アドレスでパターを構えたとき、グリップエンドは身体の一箇所を指します。
ストロークの間は、同じ箇所を指し続けることで、振り子の動きができます。
もっとも分かりやすいのが長尺パターです。
左手をグリップエンドに置いてあごにつけ、そのあごを基点に振り子の動きでパッティングをします。
ルール改正によって、その身体の一部にグリップエンドを接触させるとペナルティを科せられるようになりましたが、グリップエンドを意識することで正確なストロークが可能になることはすでに実証されています。
グリップエンドを意識した振り子の動きがゴルフスイングの元
グリップエンドを基点とするペンデュラムのパッティング理論を、大きな動きをするゴルフスイングに取り入れるとダウンスイングが簡単になります。
トップからインパクトまでが一瞬で完結するダウンスイングは、先ほど説明したようにスイング中に何かを思いついても行動に反映させることはできません。
スイング軌道がわずかにズレたとしても、自分の意思で修正することはできないのです。
ただ日ごろの練習の積み重ねによって、体が勝手に反応して微調整をしてくれています。
フェースを開いて半紙1枚分の隙間もないところに入射し、スピンをかけて狙い通りのポイントに落とすことは頭で考えても無理、「感覚」でしか対応することはできません。
ただし無意識に微調整で対応するといっても、ゴルフスイングの軌道やフェースの向きにバラつきがあると、対応しきれずトップやダフリまたはスライスやフックといったミスショットに繋がってしまいます。
そこでスイング軌道を安定させる簡単な方法が、グリップエンドの指す位置を一定にすることなのです。
楕円のゴルフスイングはグリップエンドの動きがポイント
机上でのゴルフスイングは背骨を中心軸にした丸い円の軌道ですが、実際のスイングはスタンスの分だけ縦長の楕円形になります。
この楕円形の長い部分は、右足の内腿辺りから左足の内腿辺りまでで、これをインパクトゾーンと呼んでいます。
楕円形のスイングとはいえ、基本は円のスイングをしているので、トップからインパクトまでのフェースは開いていますし、インパクト後は閉じていきます。
ただ楕円形のスイングになると、スタンスを分だけインパクトゾーンが長くなるので、へッドの動きはスライドしていると感じているはずです。
実はこのスライドするヘッドの動きがスイングを複雑にしている原因なのです。
ゴルフスイングは頭上から見たときの横のスイングと、飛球線の後方から見た縦のスイングが複合されています。
インパクトでフェースを合わせるのが難しいと感じるのは、横の動きと縦の動きを同時に行うコックを解くときに起こります。
コックを解くポイントがインパクトゾーンに入るときで、そのタイミングでグリップエンドの向きをベルトのバックルに合わせれば、簡単に解決することができます。
クラブの動きはグリップエンドの向きでコントロール
インパクトゾーンに入るときにコックを解くと、フェースはターゲットに面しているはずです。
このとき自分のベルトのバックルにグリップエンドの先が向くようにすると、体の回転に合わせてゴルフクラブを振ることができるようになります。
ミスショットで多いのは、左肘が逃げてフェースが開くスライス、または手首をこねてフェースが閉じるフックです。
左肘が逃げたときグリップエンドは体よりも左側を指していますし、手首をこねて左手首を甲側に折ると体よりも右側を指しています。
そこでグリップエンドをベルトのバックルに合わせると、体重移動をしながら回転軸を中心とした楕円のスイングができ、しかもアドレスのときのセットしたフェース面でボールをとらえることができます。
これだけで左側に逃げる腰の動きがなくなり、体の正面でボールをとらえることができるようになるのです。
トップからインパクトまでの一瞬の間ですから、実際にはグリップエンドをバックルに合わせるイメージを持つだけで、複雑なスイングがシンプルなものとなります。
グリップエンドの方向がゴルフフォームの動きを抑える
スタンスを肩幅に開き前傾姿勢でアドレスをとると、両腕は肩から真っ直ぐ下がります。
グリップを握るとグリップエンドはベルトのバックルを指していると思います。
ゴルフスイングのイメージとしては、このアドレスの再現をするわけですが、実際の体の動きは膝が伸び、グリップは左腿の内側辺りでインパクトを迎えます。
このとき左腿内側でインパクトするイメージをおくと、左腿よりもさらに左側でインパクトを迎えることになります。
ゴルフクラブを勢い良くスイングすると、クラブの動きに身体が同調して、体重が左足の上に移動します。
そしてトップでは右足に体重を乗せて、一気に左足に向けて体重を移動すると、歯止めがかからずに左足の外側に腰が流れようとします。
しかしグリップエンドがベルトのバックルを指すようにスイングすると、身体の正面でボールをとらえ、インパクト後のフォロースルーでは右足のつま先をターゲットに向け、かかとを上げて身体をターゲットに向けることができます。
つまり軸を中心に回転することで腰は流れず、両目と両胸そして両腰は左脚の上に乗ってた状態でフィニッシュを迎えることができるはずです。
参考になるのはアニカ・ソレンスタムでしょう。
グリップエンドの動きを意識したゴルフスイングで飛距離アップ
グリップエンドの向きを意識したゴルフスイングをすれば、簡単に回転軸を中心とした楕円を描くスイングができます。
トップで右足に乗った体重はダウンスイングで左足のほうに動き、体重を乗せた強いインパクトが可能になります。
またインパクトゾーンの長くなることで、スイングの安定性とインパクトの正確性を高まることになるのです。