ゴルフにおいて、スコア改善のもっとも有効な手段として、アプローチの技術を向上させることが挙げられます。
そんなアプローチには、習得すべき基本技術はありますが、ゴルフ練習場と実際のゴルフ場ではアプローチの状況は大きく変わってきます。
今回はアプローチの練習方法とともに、覚えておきたいコツを紹介します。
スコア改善のためのアプローチの重要性とアプローチのコツ
ゴルフラウンドでスコアを良くしようとすると、ドライバーやウッドの技術の向上はもちろん必要ですが、特にアプローチの技術の向上は不可欠でしょう。
なぜならティーショット、セカンドショットでグリーンまで良い位置につけたとしても、アプローチショットでグリーンを行ったり来たりしていると、結局ボギー以上を叩いてしまう結果となるからです。
アプローチでは、まず方向性を良くすることとと距離感を覚えることが必要になります。
まず方向性ですが、アプローチにおける方向がカップを向いていないと、もちろんボールはカップに寄りません。
ただ、プレー中には意図しないシャンクなどのショットが出てしまうこともあります。
また距離感ですが、アプローチとなると5ヤードから100ヤードまでの距離を正確に打ち分けなければ、オーバーやショートになってしまいます。
これらの方向性及び距離感に関しては基本的な技術とともに、一定のコツも必要になってきます。
この点は後述していきます。
アプローチの基本技術の確認
アプローチは方向性と距離感が大事になると述べましたが、そのためには最低限度、確認しておく必要がある基本技術があります。
まずアプローチの方向性を良くしようとすると、以下ような事項で基本的な動きなどを確認しておく必要があるでしょう。
・ボールは体の中心から右側の範囲に置くようにする
体の中心より左に置いてしまうと、ボールの頭を叩く可能性が高まってしまいます。
その防止のために、ボールは体の中心から右側に置くようにしてください。
・構え方、手の動き
基本的にはハンドファーストで、手首は動かさないようにしましょう。
またインパクトの際にフェースが目標に向くようにするために、構えたときの腕の三角形の形を維持するように心がけましょう。
・クラブはゆっくりと振る
特に距離のあるアプローチでこそ、クラブはゆっくりと振ることを心がけましょう。
振り急ぎやすいゴルファーは重点ポイントです。
また、アプローチの距離感を良くするためには以下ような事項を確認してください。
・利用するクラブを決める
アプローチにはPW、AW、SWがありますが、それぞれをどのような場面で利用するかを事前に把握しておく必要があります。
・振り幅を確認しておく
前述で決めたクラブでも、ショットの距離が違ってきます。
できれば10ヤードごとに、どの振り幅であればどれだけ飛ぶのかということを事前に把握しておく必要があるでしょう。
なお、これらは基本技術ではありますが、実際のショットを打つ際には状況に応じてのコツがあります。
ゴルフ練習場等でのアプローチ方法
ゴルフのラウンドにおいてはアプローチが重要である点は十分に分かったでしょう。
ただ実際のプレーで、アプローチをうまく決めるには、やはり一定の練習でコツを掴む必要があります。
まず、方向性を良くするための練習方法としては、次のようなことが考えられます。
構え方や手の動きを習得するために、自宅室内で棒状のものを持って素振り練習を行います。
特に胸を回転することを意識して、ハンドレイト(手首がクラブヘッドより後ろにあること)にならないよう練習しましょう。
このときには、実際のクラブを持ったときのボールの位置にも気をつけてください。
練習器具が使えるぐらいの広さがあれば、アプローチ用マットや室内用ネットなども利用すると効果的でしょう。
次に距離感を覚える練習方法としては、次のことが考えられます。
距離感を養う練習方法として、10ヤードから100ヤードまでの距離をそれぞれ10ヤード刻みに打てるかを確認します。
100ヤードの距離を打ち、次に90ヤード、その次は80ヤードというように距離を短くしていきます。
自宅に庭があれば、5ヤードから10ヤードの短い距離の練習も行っておくと良いです。
実際にコースでは、パターで寄せることができない短い距離のアプローチも必要になるからです。
ただゴルフ練習場は、整備された人工芝と平らな場所でのアドレスしか体感できない状況であり、実際のコースでは状況が違ってくる場合もあります。
練習場と実際のゴルフ場の違いとアプローチの違い
前述の通り、練習場での練習は、アプローチを体得するために重要な事項ではあります。
ただ実際のコースでは、ゴルフ練習場のように平らな状況であることはなく、またフェアウェイであればまだ練習場の人工芝に近い形でアプローチできますが、コースではラフからのショットを打たなければなりません。
具体的には、次のような違いがあります。
・斜面がある、高低差がある
練習場では、平らなところからのショットのみですが、ゴルフ場のほとんどは山岳や丘陵地にあるので、斜面からのショットを打たなければなりません。
また、グリーンまでのショットでの高低差もあります。
・バンカーやハザードがある
練習場では、ショットの途中にバンカーなどのハザードは見られませんが、実際のコースでは、ハザードが存在します。
そのため、アプローチショットでも心理的なプレッシャーがかかります。
・ラフからのショットがある
練習場では、人工芝からのショットですが、実際のコースではラフにつかまる場合もあります。
加減が必要なアプローチショットでは、ラフからの脱出が非常に難しくなります。
単に練習場でアプローチショットの練習は大事ですが、これらの事項を踏まえての練習は必要です。
そのためのコツを次項から紹介していきます。
ゴルフ練習場でのアプローチのコツ
コースでアプローチをうまく決めるためには、まずはアプローチでの基本技術を覚える必要があります。
そのためにゴルフ練習場や自宅での練習は欠かせないものです。
練習を行う場合でも、以下のようなコツがあります。
・距離感を覚えるための練習・コツ
アプローチでは、距離感が大事ということは前述の通りです。
ただ特に初心者の方は、自分がどれだけの強さやスイングの振り幅で、どれだけのヤードが飛ばせるのかを一度確認しておく必要があります。
ゴルフ練習場の多くは、ヤードの表示を行っているため、自分の距離感をまず確認しましょう。
距離感がある程度つかめれば、次は日常の素振りで5ヤードから100ヤードの振り幅を10ヤード単位で繰り返し練習していけば、本番においても体が距離を覚えていることでしょう。
・方向感を覚えるための練習・コツ
方向感を一定にするためには、特に構えたときの腕の三角形の形を意識する必要があります。
このことを体に覚えこませるために、距離感を覚えるための素振りを行うときにもインパクトからフォローにかけて左腕に意識を置いて、腕の三角形の形を保つように素振りをすることをオススメします。
これらの点に留意しながら、毎日の練習を心がけましょう。
実際のゴルフ場でのアプローチのコツ
前述のような練習場などでのアプローチ練習で基本技術を覚えれば、アプローチの技術は向上するでしょう。
ただ実際のコースでは、斜面や高低差、バンカーやハザードの存在によるプレッシャー、深いラフからのショットとゴルフ練習場では練習しにくい状況があります。
近隣に会員メンバーになっているゴルフ場があれば、アプローチ練習場などが充実しているケースもあるでしょうが、そのような状況にある方は少ないと思います。
そこで、練習場でも実際のコースを想定した練習できるようなコツや、実際のコース上でできるコツを紹介します。
・斜面や高低差への対応
練習場は、ほとんどが平らな状況からのショットしかできません。
ただ複数階の構造の練習場は多いでしょうから、2階以上の打席を利用して打ち下ろしの練習なら可能です。
また斜面の練習を行うには、ボールを2個用意し、足で踏みながらショットすると斜面の感覚を体感できます。
かかとで踏めばつま先下がりを、足先で踏めばつま先上がりの場面になります。
・深いラフからのショット
深いラフの場合は、ボールをラフから脱出させることと距離を加減しなければならないということが要求されます。
ラフからのショットは、フェアウェイからのショットに比べてバックスイングの振り幅を調整しなければなりません。
それぞれによって違いますが、おおよそ通常のショットの半分になってしまうので、深いラフの場合は、通常の距離の倍程度の振り幅でのショットになるでしょう。
・バンカーやハザード越えのショット
これらのショットは、心理的にプレシャーがかかります。
しかしこれらのシチュエーションは、練習場はなかなか再現することは難しいです。
そのためフェースを開いてティーアップしたボールの下のティーを打つ練習がオススメです。
直接ボールを打たない練習をしておけば、バンカーに入れたとしてもそのスイングイメージで打てば脱出はできるはずです。
また、入れてしまうとペナルティになってしまうようなハザードに関しては、超える自信がなければ、多少打数がかかったとしても刻んで安全な箇所からグリーンを狙うといった勇気も必要になるでしょう。
ゴルフコースのアプローチは十分な練習とコツが必要
アプローチショットの技術向上は、スコアアップの近道です。
ただ、アプローチは状況に応じての対処が必要になります。
普段の素振りや、練習場で漫然と練習していてはアプローチの技術は向上しないので、練習のコツや状況判断のコツを覚えてどんどん活用していきましょう。