ドライバーを比較して「やさしい」と感じるのは、それぞれのゴルファーによって違うものです。
スライスやフックに悩みがあればストレートに打てるドライバーがやさしいですし、飛距離を欲しているゴルファーにとっては、飛ぶドライバーこそがやさしいと感じるかもしれません。
そこでここからはやさしいドライバーの見分け方を紹介します。
比較的やさしいドライバーの基準はある?
有名メーカーや人気モデルを比較してドライバーを選ぶ場合、自分にとって合っているのかは二の次になっていることが多いようです。
格好良いからと選びがちなプロが使っているモデルの多くは操作性に優れていますが、それだけに扱いは難しく意図せずにスライスやフックの荒れ球になることがあります。
ボールをコントロールする自信がないようであれば、やさしいタイプを選んだほうが安心感は高く、結果的に自信をもって振り切ることができるはずです。
問題は「やさしい」の基準です。
ドライバーを握ったときの感覚やヘッドを揺らしたワッグルだけでは、本当にやさしいのかは分かりません。
また試打で数発打って感じが良くても、実際にコースで使うと「イマイチ」と感じることがあるものです。
実はヘッドのスタイリングを見ただけで、ある程度のことは分かるようになっているのをご存知でしょうか。
まずはヘッドのスタイリングの見分け方を確認していきましょう。
やさしいドライバーの比較対象はストレートが打てること
比較的やさしいと呼ばれるドライバーは、苦もなくストレートボールを打ち出せるタイプです。
曲がらないドライバーこそが「やさしい」と感じるのは間違いないはずですが、プラスアルファーで現在よりも飛距離アップすれば、さらに良いドライバーになることは間違いありません。
ヘッドの上部(クラウン)に丸みのないものは、直進性が高く曲がらないタイプが多いようです。
ヘッドを上から潰したように、フェースの上下幅が狭く、なるべく奥行きのあるタイプだと直進性が増して球筋が安定します。
こうしたフェースの上下幅が狭いタイプをシャローヘッドと言いますが、さらに奥行きがあり低くなっていくタイプをシャローバックと言います。
シャローバックは重心深度が深くて低いので、ボールのスピン量を減らしながらも上げやすいのが特徴です。
飛距離を生む3要素は、ボール初速と打ち出し角とスピン量です。
打ち出すボールの初速を速くして、14度程度の角度で打ち出し、スピン量を2500回転にとどめることができるシャローバックは、飛距離アップが期待できるやさしいドライバーと言えるのではないでしょうか。
シャフトを比較したらやさしいドライバーは見つかる
方向性が安定しているドライバーとは、普通にスイングをしてもサイドスピンがかからずに打ち出せるものということです。
ここで言う「普通のスイング」とは、アームローテーションやフェースローテーションを考えたスイングや、タイミング良くコックをリリースするスイングをしなくても、フェースを合わせようとするだけのスイングです。
あとはクラブの性能で方向性を安定させてくれるドライバーがベストです。
シャローバックタイプのヘッドは重心深度が深いので、打点がズレてもヘッドがぶれずボールを擦らずに打ち出せます。
ただグリップからヘッドまでの距離が長い、長尺のシャフトは芯でミートすることが難しい場合があります。
飛距離を求めて長尺ドライバーを使った時代はすでに過去のものであり、現在はシャフトの性能が進化しているので、短尺(44インチ程度)ドライバーでも飛距離は確保できます。
自分の技量に合ったシャフトの長さと硬さのものを選ぶと、比較的やさしいドライバーにめぐり合うことができるでしょう。
やさしいドライバーは飛距離の3要素を比較して検討する
直進性の高いドライバーは、比較的やさしい部類に入りますが、もともと曲がらないタイプのゴルファーには魅力が半減してしまう可能性があります。
ドライバーの最大の魅力は飛距離にありますから、難しいスイングをしなくても飛びのあるドライバーこそが、ゴルファーには望まれているのではないでしょうか。
つまり普通のスイングでも飛距離が確保できるドライバーこそ「やさしい」と言えるのかもしれません。
飛びの3要素の1つに初速があります。
ヘッドスピードの速さとスイートスポットでのミートの確率が反発力を生んで、打ち出すときの初速になります。
現在のドライバーへッドは、内側が空っぽの状態で、硬い鋼材を薄くすることで軽量化しています。
フェース面はトランポリンのように弾み、インパクトで芯をとらえると良く弾みます。
この芯をスイートスポットと呼び、同等の反発力を得る周辺をスイートエリアと呼びます。
スイートスポットほどの反発力はなくても、そん色なくボールを弾くことができるのがスイートエリアですから、このエリアが大きいほどやさしいドライバーだと言えます。
ドライバーを比較してやさしいと感じるのはヘッドの形状?
スイートスポットは点ですが、スイートエリアは面なので、エリアの範囲が大きいほど、打点がぶれても初速が遅くなることはありません。
つまりスイング軌道に若干のブレがあっても、「正確なインパクト」と同じ効果を得ることができるわけです。
スイング軌道が安定しない初心者でも、ドライバーのフェース面が広ければそれなりのスプリング効果を得ることはできますが、ここで1つ問題があります。
「飛び」で考えると肉厚が薄くフェース面の大きなタイプが良いのですが、スイートスポットに近いという観点かすると、フェースの上下幅の狭いシャローヘッドのほうがミスは少なくなります。
シャローヘッドは幅の狭い上下でインパクトのぶれは少なく、スイートエリアも横に広くなっています。
相対的に弾むのは大きなヘッドですが、スイングのミスを考えて比較すると「やさしい」のはシャローへッドのほうかもしれません。
自分のスイング軌道の安定性を考慮して、どちらが確実に「飛び」を実行できるかを考えてみると良いかもしれません。
比較するよりカチャカチャのほうがやさしいかも
ドライバーを選ぶとき、人気プロが使用しているモデルや流行っているモデルが気になるものです。
多くのゴルファーが支持するドライバーは、初心者から上級者まで満足感のあるものが多いようです。
ただ多くの人に支持されているとしても、自分にとって合っているかについては、やはり不安なもの。
特に気になるのが、シャフトの傾きを表す「ライ角」です。
アイアンの場合には専用の工具で曲げて調整できるものもありますが、ドライバーは製造された角度をあとから変えることはできません。
ライ角が合わないとスライスやトップの原因となりますが、最近では「カチャカチャ」の愛称で呼ばれる可変式ドライバーが多数出てきました。
自分の身長やアドレスの姿勢に合わせて、シャフトの角度を変えることができるため、構えたときのグリップの高さも自分に合わせることができます。
つまり自分でやさしいドライバーを作ることができるわけです。
他のドライバーと比較することなく、オリジナルな自分専用のクラブを持つことが、もっともやさしいドライバーになるのではないでしょうか。
やさしいドライバーを比較して選ぶよりオリジナルを作ろう
たくさんの中から比較して、自分にとってやさしいドライバーがどんなタイプなのかは、個々によって違いはあるはずです。
1つの事象にとらわれることなく、可変式のガチャガチャにすれば、自分にピッタリのドライバーに調整することができる可能性大です。
今度買い替えを検討する際は、候補に必ず入れてみてください。