アイアンは距離感が優れていないと、ターゲットにボールを運ぶことができません。
普通にショットの練習をしただけでは、目標とする地点を的確に狙うことはできないかもしれません。
今回は、スコアメイクにとって重要となる距離感を養うアイアンショットの練習法を紹介します。
アイアンの距離を把握してから距離感を養う練習を始める
アイアンの距離感を養うためには、まず自分の飛距離を把握することを始めなければなりません。
各番手のフルショットの飛距離を確認しましょう。
番手と飛距離には固定概念があって、「9番アイアンは120ヤード」とか、「7番アイアンは140ヤード」と最初から決めていて、距離が合わなかったときはミスショットだと納得したり、斜面の距離感を読みきれなかったとか、上空の風が影響したと言い訳したりして、なんとなく納得して正しい距離を追求することはないものです。
また練習場ではそもそもワンピースやツーピースの練習ボールであり、距離が違うし、それぞれの距離表示も練習場用のボールに合わせているもので、実際のヤード表示よりも短いことが多いようです。
そもそも1階打席であっても、わずかな打ち下ろしだったりすると、フラットな距離感ではなくなります。
さらに言えば2階打席以上は距離を考えても仕方がないので、スイング練習のためと考えるしかないと言えます。
次では、その練習場で改めて距離感を養える練習方法を紹介します。
練習場でアイアンの距離感を磨いても無駄?
まずはアイアンの正確な距離を知らなくてはいけません。
そのためには計測器のついている室内練習場が便利です。
ゴルフゲームのシミュレーション画面がついているタイプと、ゴルフショップの試打室のように数値のみ計測できるタイプがあります。
一般的にアイアンは10ヤード刻みで設計されているので、9番アイアンが120ヤードなら8番アイアンは130ヤードになりますが、中には「8番の飛距離は140ヤード」と10ヤード刻みにならないゴルファーもいるようです。
こうした番手間の距離を、クラブごとに知ることが大切です。
計測器がついていると1ヤード刻みで確認することができるので、ほぼ正確な距離感を知ることはできるはずです。
もちろんスイング軌道が安定していることが絶対条件ですし、ダウンブローなどの特殊な打ち方をしていないことも大切です。
ロフト角に合わせたスイングで出された数値を元に、そのクラブの飛距離を知ることから始めましょう。
アイアンの距離感を養う練習と計測器の必要性
アイアンの距離感は、飛距離を計測できる室内練習で養うようにしましょう。
ただ計測器を使った室内練習場は経済的な負担が大きいことと、打席数が限られているので毎回使用することは難しいはずです。
そこで計測器を使わない室内練習場で時間制限の打ち放題サービスなど、球数を考えずにドンドン打てるところで距離感を養う練習をしましょう。
使うのは8番以下のアイアンとウェッジです。
グリップを振り幅の基準にして、最初はスタンスの範囲内でスイングします。
スイートスポットでボールをとらえる練習からスタートです。
確実にミートできるようになったら、室内練習場に置いてある輪にネットを張った籠のようなものを目標にして低い球筋のアプローチショットを練習します。
籠がなければ何か変わりになるものを目標にしてください。
仮に8番アイアンがスタンスの幅で籠に入れられたら、ピッチングウェッジは腰の位置かもしれません。
同じ目標に対して振り幅で打ち分けることで、各番手のキャリーの高さと距離感を揃えてていきます。
練習場の打席でできるアイアンの距離感の精度
地方に住んでいる場合、周辺に室内練習場に計測器付きの打席がない、また室内練習場自体がない場合もあります。
そんなときは普段利用しているゴルフ練習場の打席でできる距離感を養う練習をしましょう。
まずスイングするアイアンヘッドを時計の針に見立てて、フルスイングを0時から1周して12時までとしたとき、ハーフスイングは3時から9時までをスイング幅とします。
9番アイアンを0時からスイングしたときと、3時からスイングしたときの距離の差を確認します。
文字で見るとフルスイングに対してハーフスイングは半分の距離のような気がしますが、時計の針でみると0時と3時の差は25パーセントしかありません。
つまり9番アイアンのフルショットが120ヤードであれば、ハーフスイングは90ヤードになる計算です。
この机上の距離感を実際に打ってみて、実際の距離との違いを比較すると、実践で使える距離感になるわけです。
屋外練習場でしかできないアイアンの距離感磨き
普段利用している屋外練習場での距離感を養う練習の中には、室内練習場でできない内容があります。
室内練習場はスイング自体を分析し練習をすることが目的の練習場ですが、屋外練習場は自分の打ったボールの球筋を確認しながらスイングを作り上げていくことができます。
室内練習場では、ロブショットやバックスピンを効かせたスイングを練習はできますが、球筋を判断した結果を知ることはできません。
つまり球筋で判断するアイアンショットの練習は、屋外練習場が適しているということになります。
分かりやすいところでは、ロブショットの練習を想定してください。
ロフト角60度のウェッジが滑るようにボールの下に入り、フェース面の溝によってスピンがかかりながら高く上がります。
ロブショットで大事なことはこの球筋ではなく、ターゲットを定めてピンポイントに落とすことです。
難しいショットではありますが、距離感がなければ実践で使うことはできません。
そのためには、フルショットやハーフショット以外の振り幅と距離の関係をチェックしておくことが必要になります。
距離感が頭の中にある意味
すべてのアイアンの距離感が把握できたら、あとは安定してその距離を出すための練習が必要になります。
スイング幅と距離、番手と距離を知ったとしても、コンスタントに打てなければ意味はありません。
頭の中だけで理解していても、いざ実践で使うときには合わないことがあります。
そのためにはアイアンの練習は地味ですが、コツコツと少しでも多くのショットをこなしていくことが、信頼感のあるものへと変わります。
練習方法はティー打ちでスイートスポットを外さないインパクトを身につけること、ハーフスイングで手打ちにならないように捻転するスイングをすることです。
さらに高度な部分では、レベルブローとダウンブローの距離の比較、ピッチショットとロブショットの距離感など、1度にすべては無理ですが少しずつ習得していくと実践のプレーで役に立つことがあるはずです。
なおアプローチに関しては、クラブを使わずゴルフボールを握って、下手投げで40ヤードの先をめがけて投げるのが、距離感を養う上でもっとも優れた練習方法と言われています。
距離感は感覚ですから、ボールを打つだけではなく、イメージトレーニングを積むことも効果があるはずです。
アイアンの距離感はデータを知ってから練習をしよう
アイアンの距離感を養う練習をするには、まず自分の飛距離を1ヤード単位で確認することが大切です。
そのためには室内練習場などの計測器でデータをとって、各番手の飛距離を知ること、そして番手間の差を分析しておくことが大事です。
その上で安定した距離を出すための練習を重ねることで、距離感はどんどん養われていくことでしょう。