横風などを避けるためにドライバーのティーアップを下げて、低い弾道を狙うことあるでしょう。
上手くいくときもありますが、打点がズレると吹け上がって横風に流されるときもあります。
今回はティーを低くしても失敗しない打ち方を紹介します。
ドライバーショットで敢えて低いティーを選択する理由とは?
ドライバーは、通常の高さよりも低いティーアップのほうが良い場合があります。
通常のティーアップの高さは、ドライバーのヘッドをソールして、フェースの頂点とボールの中間点が一致する位置です。
この高さであれば、ティーの手前で定めたスイングの最下点からヘッドが浮かび上がってインパクトをする、アッパーブローのスイングで確実にミートすることができるからです。
このアッパーブローのスイングでボールを打ち出したとき、適正な打ち出し角は14度です。
これは220ヤード先のターゲットのおよそ55ヤード上空に向けて打ち出す角度ですから、かなり打ち上げることになります。
もちろんボールは放物線を描くので、55ヤードに達する前に落下していきますが、仮想のターゲットは55ヤード、つまり50メートル上に設定することになります。
この高さは20階建てのビルに相当するので、アドレスに入る前にこのイメージを持つことが必要です。
ただしティーショットのときに横風が強ければ、高い球筋は影響を受けることになるので、必然的に低い球筋が必要になります。
低いティーでドライバーショットをするとボールは吹け上がる
横風の強い状況下ではドライバーのティーショットは、低いティーアップにして低弾道で打ち出すのが安全策です。
ゴルフ場ではホールの両サイドに樹木が配置されていることが多く、一定の高さまでは横風が気になることはありません。
しかしながら樹木の高さを越えると風の影響をもろに受けることになり、曲がり具合を計算するのは難しくなるはずです。
このような場面ではティーアップを低くして、低い球筋のボールを打つほうが懸命です。
アッパーブローで打ち上げなければ打ち出すボールは低く飛ぶはずですが、実際には吹け上がってしまい、いつも以上に高い弾道になることがあります。
なぜなら低いティーアップにしたことで、レベルブローでインパクトをすることになります。
仮にドライバーのロフト角が11度であったとして、打ち出す角度もそのまま11度だったとします。
ところがレベルブローだと、ヘッドの進入角によってバックスピンの入りやすいベクトルの力が働きます。
さらにフェースの下部に当たるとバックスピンが増える縦のギア効果も合わさってしまいます。
そのため、打ち出しはアッパーブローと比べて低くても吹け上がって上昇し、風の影響を受けることになってしまうのです。
ティーは低いままドライバーの吹け上がりを止めるにインパクトロフトを考える
低いティーでドライバーショットをすると、バックスピンでボールが吹け上がってしまう原因は説明した通りです。
単純に考えると、バックスピンを減らすためにフェース面を立てて、ドライバーのロフト角11度よりも少なくすれば対応できると考えられます。
仮に地面と垂直な0度フェースでインパクトしたら、ボールにスピンはかからずに吹け上がることはなくなるはずです。
これならスピン量からみると良い案なのですが、実際には失速してしまいロングアイアン程度しか飛ばないかもしれません。
なぜなら今度は極端にスピン量が減ったことで浮力がなくなり、しかも打ち出し角がなくなったことで、ボールに勢いがなくなればすぐ着弾して地面の抵抗を受けるからです。
では少しだけフェースを立てるというのはどうでしょう?
ロフト角11度のドライバーのフェースを立てて、9度くらいにしたとしましょう。
通常のティーアップの位置は、左足内側のくるぶしの延長線上ですが、インパクトでフェースを立てるためにはボールの位置を右側に移動します。
ボールの位置を右側に移動して、低いティーでドライバーショットをすると、低弾道のボールを打てるかもしれません。
右側に移動する距離は個々のプレーヤーによって変わりますが、一般的にはボールを体の中央に移動すると、スイングの最下点と一致するので、インパクトでのフェース面は11度です。
さらにボールを右側に移動すると10度、9度とフェースの斜度は小さくできます。
左足の前にあったときのスイングがアッパーブロー、中央に移動するとレベルブロー、さらに右に移動するとダウンブローになるということ。
ただダウンブローで打ち込むと、やはりフェース面でボールを擦ってバックスピンがかかるので、低い打ち出し角でも徐々に浮き上がり横風の影響を受けてしまうかもしれません。
狙ってトップ気味に打つ低いティーでのドライバーショット
低いティーアップでドライバーショットをしても、吹け上がると横風の影響を受けるので、とにかくバックスピン量を減らすしかありません。
簡単な方法は、まず通常のティーアップの位置よりも少しだけ右側に寄せること。
左足内側のくるぶしよりもボール1個分程度、右側に寄せるようにします。
そしてティーは通常よりも低く、普段の半分程度にします。
この状態で通常のアッパーブローのスイングをするだけで、いわゆるトップしたようなインパクトになり、フェース面に食いつくほどの接触がなくなり、バックスピンが減らせます。
ティーが低いので通常よりも打ち出し角は低く、しかもバックスピンがかかっていないので吹け上がりを心配する必要はありません。
飛距離はかなり落ちますが、トップ気味のボールは着弾からランが長くなるので、風の中で打つ中では正解と言えるのではないでしょうか。
このスイングのポイントは、アッパーブローの打ち上げるスイング軌道のまま打点を下目にズラすことです。
究極のテクニックは高いティーで打点コントロール!
低いティーにしてドライバーのスイングを変えないで打つ方法を説明してきましたが、実はもっと理想の球筋にできる方法があります。
それはドライバーでのダウンブローです。
ここまでの話と矛盾すると感じるかもしれませんが、そこには明確な理由があります。
ドライバーのフェースは真っ平ではなく真ん中に膨らみを持たせた形状をしているのはお気づきですか。
縦の丸みをバルジ、横の丸みをロールと呼びます。
ロールは打点が左右にズレてもセンターに戻ろうとするギア効果を働かせる目的で設計されているもの。
そしてバルジは放物線を理想に近づける目的です。
これを意図的に利用することでスピンコントロールできます。
もっとも吹け上がらない打点がフェース上部トゥ側です。
フェース上部でバックスピンを減らし、トゥ側でフック回転を生ませるのです。
その打点に当てるには、高めのティーであり、さらにロフトを立てるダウンブローが求められます。
普段と真逆のことをしなければならないため、かなりの難易度ですが、レベルアップのために練習でやってみることをオススメします。
低いティーでドライバーを打つための練習は正眼の構え
誰でもスイングを変えずにできるのは、やはりドライバーで低いティーを打つ方法です。
そこで気をつけたいのは、ティーの高さに合わせてスイングを変えないこと。
低いティーでジャストミートしようと意識すると、体が前に突っ込んだり、ダフったりしてしまう可能性が高まります。
ジャストミートしてもボールを右側に移動していますので、プッシュアウトする可能性大です。
スイングに不安がある場合は、グリップを短く握ってトップで良いとイメージして打ちましょう。
林の中やベアグラウンドから脱出するときのように、慎重にミートすることを心がけます。
最初はハーフスイングで練習をして、フォロースルーもトップの位置と同じ高さにします。
時計の文字盤で例えると、3時から9時までのスイング幅です。
フォロースルーでドライバーのヘッドはターゲットを指し、決してシャフトを立てないようにします。
フォロースルーでシャフトを立てなければ、ボールは上がりません。
しかもドロー気味の球筋になるので、バックスピン量が緩和されて吹け上がりも防止できます。
慣れてきたら、テークバックは通常に位置まで引き上げますが、フォロースルーは9時のままでストップします。
このとき両腰、両肩、両目がターゲットと正対するように体を入れ替えて、剣道の「正眼の構え」にすると勢いのある低弾道のボールを打てるようになります。
低いティーで低い弾道がインテンショナルに打てれば十分
ドライバーのティーアップを通常よりも低くすることで横風に影響されないショットを打つことはできます。
距離はナイスショットに満たなくても、風がある日はそれでも十分だと考えることをオススメします。
風のある日のゴルフは本当に難しいです。
転がすゴルフでスコアを作っていきましょう。