パターは、自分に合わないものを使うとスコアが崩れる原因になることがあります。
扱いが難しいと言われますが、昔ながらのピン型パターに憧れて使っている人、使いたいと思っている人はいると思います。
今回は、そんなピン型パターの特性と最近様々な種類が出ているパターグリップについてお話をします。
種類が増えてきたパターのグリップ
まずピン型パターの特徴をお話しする前にパターのグリップについて話します。
グリップはどのクラブでも重要なパーツです。
体の動きをダイレクトに受けるグリップはストロークにも影響します。
どのグリップでも同じと考えている人は、まず知識を身につけましょう。
●グリップの素材
主にゴムグリップ、エラストマーグリップ、ほぼ消滅した革グリップの3つがあります。
ゴムグリップは、標準的なものでグリップ力、硬さは普通で万人に合うグリップです。
エラストマーグリップは、グリップ力が非常に高く、カラーバリエーションが豊富なグリップです。
くっつくような感触が好みの人、また手に汗をかきやすい人におすすめです。
革グリップは、グリップ力は低くなりますが、柔らかいグリップが好きな人に向いています。
●グリップの形状と太さ
グリップの形状はテーパー形状(グリップエンドが太く、グリップの先端が細い)が主流でした。
しかし、昨今ではノンテーパー形状のグリップも人気が出てきました。
左右の手を同じ感覚で握りたい人は、ノンテーパー形状を選ぶ傾向があります。
また太さは、細め、普通、太めの3種類があります。
細めのほうが手首を使いやすく、太くなるほど手首の自由度がなくなります。
パターのグリップは細いより太い方が良い?
パターはものすごく繊細なタッチが必要なため、フィーリングを大切にされてきました。
それが昨今の考えはパターに任せる、ストロークはオートマティックに、しかしながら打感は感じられるようにと考え方が変わってきています。
最近の傾向は、太めのパターグリップのほうが人気が高くなっています。
パターのストロークに対する考え方が、話したように昔に比べて変わってきたことが影響しています。
パターのヘッド形状もピン型パターよりもマレットタイプのものが多数出てきたことからも分かります。
マレットタイプは、直線的なストロークを基準とし、ヘッドに仕事をさせるように作られています。
そのため、ヘッドの動きを邪魔しないよう太めのグリップにし、手首の余計な動きを抑制しているのです。
実際、プロゴルファーもマレットタイプで太めのグリップを使っている人が増えてきています。
とは言え、太さの感じ方は人それぞれです。
手首の動きは抑えたいけれど、太いと握りにくい人は普通の太さを選んでも問題ありません。
実際に握ってみて、自分のフィーリングを大切にしましょう。
パターはシャフトの長さによって扱いが変わる
パターを選ぶ際に、重要になるシャフトの長さについてここで触れておきます。
アイアンやドライバーなどと違ってパターのシャフトは何となくで選ばれがちです。
多くは、身長を基準に選ばれるのではないでしょうか。
しかし、シャフトの長さがパターの動きに与える影響は思ったよりも大きいです。
例えば、34インチのピン型パターを使っているとしましょう。
このパターを35インチに変えるとどのようなことが起こるか分かりますか?
まず、ストロークした感覚が変わるのは理解できると思いますが、そこで何が起きて感覚が変わってくるかです。
シャフトが長くなると、慣性モーメントが大きくなります。
すると、34インチと同じ感覚でもヘッドスピードが速くなり、ボールがいつもより転がります。
シャフトが短くなると、その逆のことが起きます。
長さが変わると慣性モーメントの変化により、どの程度パターにオートマチックに仕事させるのか変わってくるのです。
これに気が付かず変えると、同じグリップ位置で握っているつもりでもフォームや感覚が崩れます。
このようにシャフトの長さの影響を理解しておきましょう。
パターはマレットタイプよりピン型パター?
では、ここでピン型パターのメリットについて考えていきます。
まず、なぜ最近マレットタイプが主流になっているか簡単にお話しします。
パターのようにボールを狙ったところに転がす場合、フェース面をそのままターゲットに向けるほうが転がりをイメージがしやすいと思いませんか。
特にアマチュアはこの傾向にあります。
クラブはまっすぐ直線的に動くものだと考えがちです。
そのため、オートマティックにかつ直線的に動くマレットタイプが出てきました。
しかし、マレットタイプは微妙な変化がつけにくいというデメリットがあります。
一方、ピン型パターは操作性が高く、上級者には好まれる傾向があります。
グリップテンションや手首の使い方をコントロールできるようであれば、ピン型パターがおすすめです。
また、グリーン周りのエッジからパターで寄せるときは、ヘッドが小ぶりなためピン型パターのほうがやりやすかったりします。
無理にウェッジでアプローチして、ざっくりなんてこともなくなるので、メリットは高いでしょう。
ピン型パターを使うために知っておくべきこと
マレットタイプにはないピン型パターのメリットをお伝えしましたが、やはりアマチュアにはマレットタイプが向いています。
なぜかというと、マレットタイプは直線運動をイメージしておけば、それなりに扱えるからです。
マレットタイプに限らず、よりクラブの特性を知ることで正しく扱えるようになります。
冒頭でグリップは重要なパーツと話をしましたが、同じくらいクラブの特性を理解することも重要です。
そこで、ピン型パターを扱うために最低限知っておくべきことがあります。
ピン型パターはマレットタイプと違い、フェースバランスがとれていません。
実際に、手のひらにシャフトを乗せてバランスを取ったら、ヘッドの動きを見てみてください。
ほとんどのマレットタイプは、フェース面が天井を向くようにバランスが設計されています。
対してピン型パターはどうでしょうか。
アイアンと同じでトゥが下へ回り、フェース面が斜めになるはずです。
これが何を意味するかというと、ストローク中にフェースの開閉が起きるということです。
つまりピン型はフェースターンが必要であるということになります。
そのためマレットタイプと同じように直線運動をイメージして扱うべきではないということです。
あくまでもフェースターンが少なからず必要だということを覚えておいてください。
ピン型パターに合うグリップは?
ピン型パターを扱うために、最低限必要なことを伝えました。
では、どんなグリップが合うのでしょうか。
ピン型パターはフェースターンが必要であるなら、グリップは細いほうが良いと思った人は多いのではないでしょうか。
それはもちろん正解です。
ただフェースターンは必要ですが、マレットタイプに比べて操作性は高いです。
そのためフェースターンを極端に阻害しなければ、ある程度自分の打ちやすいストロークで打てると捉えても問題ありません。
つまり、いろいろなストロークに対応できる万能パターと言えます。
正直、グリップはどんな種類のものでも相性の悪さはでないでしょう。
自分が求めるストロークに合わせてグリップを選べば良いため、自由度が高いです。
その中でも初心者には太めのグリップをおすすめします。
自分のストロークが出来上がっていないのであれば、まずは手首を使わず体の回転でしっかりとボールをインパクトできるようになることが先決だからです。
その後、よりフィーリングを出しやすい太さに変えて、好みのピン型パターに仕上げていけば良いでしょう。
パターは一生ものになる
ピン型パターについていろいろと話をしましたがいかがでいたか。
プロゴルファーもそうですが、パターは長期間同じものを利用する人が多いです。
それは繊細な感覚が必要なため、ころころとパターを変えるのはリスクだからです。
つまりパターは一生ものになることもあります。
正しい扱い方を理解し、自分に合ったパターを見つけてください。