ドライバーの総重量が軽いと飛距離はアップしますが、ヘッドだけ重さがあると遅れてフェースが開き、スライスすることが多いようです。
本来はスイングを修正しますが、多くのゴルファーは別の対処法をとっています。
今回はスライスを防止する3つの対処法を紹介します。
ドライバーが軽いとスイングは速くなるけれどスライスの原因に
何も考えずにドライバーを振り回すと、ヘッドの重さでシャフトがしなりインパクトでヘッドが遅れてスライスします。
ただし振り回すほどのスイングですから、ヘッドスピードは速いはずですから、もしもフェース面がスクエアに当たれば、いつも以上に飛距離が伸びる可能性はあります。
一方ゆったりしたリズムでスイングをする女子プロがいます。
ゆったりとしたリズムで振っているのに、一般の男性ゴルファーよりも飛んでいます。
これはインパクトゾーンに入ってからヘッドスピードを上げるために、コックをリリースしたり腰をスライドさせてビハインドザボールにしたりと、スイングの技術で飛ばしているからです。
マン振りして飛ばすスイングと技術で飛ばすスイング、どちらが理想的なのかについての答えは決まっていますが、現実多くのゴルファーが前者のマン振りを選択しています。
勢い良くスイングするためには、ヘッド重量の軽いドライバーを選ぶ必要があります。
軽いドライバーは飛距離が伸びてもスライスしてしまう?
総重量が軽いドライバーでスイングすると、飛距離が伸びることは歴史が証明しています。
昔の木製ヘッドのドライバーは、重たい木製ヘッドと頑丈なスチールシャフトだったので、勢い良くスイングをするにはパワーが必要でした。
そのためドライバーを構えるときは、ショートアイアンとは違って強く握り、肩からグリップまでは力が入っていたはずです。
もしかするとテークバックのスピードも、ダウンスイング並みに速かったかもしれません。
その当時と比べ、現在のドライバーの大半は肉厚が薄く内部が空洞のチタンヘッドで、シャフトは炭素繊維でできたカーボンシャフトになり、昔とは比べ物にならないほど軽量化されてきています。
もちろんヘッドの進化もありましたが、ゴルフクラブ全体が軽量化されたことでヘッドスピードが上がり、飛距離は伸びていくことになったのです。
より速いスイングをすることがヘッドスピードを上げることに繋がったのですが、ヘッドを返す技術がないとフェースが開いてスライスすることになります。
軽いドライバーのせいでフェースが開きやすく誰でもスライスするの?
ゴルフを始めたときにスライスが頻繁に出るのは、総重量の軽いドライバーが原因ではありません。
回転軸に近いグリップと外周を回るヘッドでは、ヘッドのほうが運動距離は長くなります。
スイングは円の軌道を描いていますが、ヘッドの重さによって円軌道の外に出ようとします。
そのためインパクトではフェースが開き、スライスの原因となるわけです。
つまりゴルフ用語のようになっている、物理の「慣性モーメント」がスライスをさせているということです。
そのためインパクトのとき、意識的にフェースを返さないと、いつまで経ってもスライスは直りません。
そのためには、インパクトの直前でコックをリリースして、ヘッドを返す必要があります。
ただゴルフを始めたばかりでは、ボールを打つだけでも精一杯でしょうから、とてもコックのリリースを覚える余裕はないはずです。
そこでアドレス時点でフックフェースに構えるという対処法が考えられたわけです。
アドレスの時点でフェース面を左に向けておけば、インパクトでフェースが開いても、相殺されてちょうどスクエアになるという計算です。
スライス防止対策が裏目になる?
軽いドライバーでマン振りすると、スイングスピードの速さでフェースが開きスライスしてしまいがちです。
本来はスイングで修正しますが、相当な練習量が必要になるので、対処法としてフックフェースで構えるのが得策です。
事実メーカーもフェースが開くことを想定していて、ドライバーの中には最初からフックフェースで設計されているものがあります。
スライスを作られたフックフェースで相殺するのであれば、練習することもなく簡単に対処できます。
ただしドライバーを構えたときに、「フックフェースだ」と認識してしまうと、フックしないようにと体が勝手に反応して効果がなくなってしまう可能性もあります。
実は多くのゴルファーが同じような反応をしてしまうようで、アドレスのときにはスクエアフェースでセットをして、インパクトのときにはフックフェースになる方法をとっています。
それがフックグリップであり、もしかするとゴルフを始めたときに「グリップの握り方はフックグリップで!」と教えられた人もいるかもしれません。
スライスをフックグリップで対処する軽すぎるドライバー
軽いドライバーでスイングスピードが速くなり、これが原因でスライスが出るのであれば、アドレス時点でフックフェースでセットするかフックグリップで構えるかを選択します。
グリップを握るときは、上半身を前傾させて肩から腕を下ろします。
体の中心で両手を合わせてからグリップを握るとスクエアグリップです。
このとき左手甲は、ターゲットのほうを向いているはずです。
対してフックグリップは、アドレスで左手はグリップを上から握り左手甲を上に向けます。
この状態でスイングをしても、インパクトではスクエアグリップのときの肩から下ろして両手を合わせたときと同じ形に戻るのが人間本来の動きです。
左手が左回転するのですから、握っているドライバーのフェースはフックフェースになっていきます。
フックグリップであれば、構えたときにフェースを見ても違和感がないため、簡単にスライスを防ぐことができるでしょう。
ただし左手甲を上に向けると、左手首が甲側に折れてしまうので、そのままトップまで引き上げてしまうとオーバースイングになり、それがスライスの新たな原因となる可能性があるため注意が必要です。
スライスする軽いドライバーには鉛板を使う
全体的に軽いドライバーは飛距離を伸ばしますが、方向性の安定度が低くなり、特にスライスが出やすくなるというデメリットがあります。
簡単な対処法は前項までに紹介したように、フックフェースで構えたりフックグリップに握ったりすれば良いだけですが、それでも効果が少ないようであればドライバーを数グラム重くする方法があります。
ドライバーのヘッドに鉛板を貼ると、ヘッドが重く感じるため安定感が増します。
さらにその鉛板の貼る位置をヒール側にすると、重心距離が短くなってフェースが閉じやすくなります。
またフェースの真後ろに貼ると重心深度が深くなり、重心角が大きくなるため、フックグリップと併用するときはこちらのほうが良い場合もあります。
これとは反対に総重量は軽いのに、ヘッドだけが重くバランスが出過ぎているために振り遅れてしまう場合もあります。
その場合はグリップの付け根に鉛を貼ってカウンターバランスを取ると良いでしょう。
なおどちらでもたくさん貼る必要はなく、市販の鉛板1枚程度で十分効果は得られます。
2グラム程度であればスイングスピードに影響を及ぼすことはないはずです。
本来はスイングによってスライスを直すべきですが、多くのゴルファーはフックグリップにしているのが現実ですから、特段スイング改造をするほどのことはないのかもしれません。
軽いドライバーでスライスするときの3つの対処法
軽いドライバーができたことで、スイングスピードが速くなって飛距離は伸びてきましたが、一方でスライスに悩むケースが多くなってきました。
現在のスペックを変えることなくフェースの開きを修正するために、フックフェースで構えるかフックグリップで握るアドレスのどちらかが最善策だと考えられています。
それでもスライスが収まらないようであれば、鉛によるバランス調整をしてみましょう。