フェアウェイウッドとユーティリティは構造が違いますが、使用目的は基本的にどちらも同じです。
それはドライバーとアイアンの間の比較的長い距離を打つためのクラブだということです。
今回は、これらクラブの違いやメリット、デメリットについて説明します。
フェアウェイウッドとは
フェアウェイウッドもユーティリティも、グリーンまでの残り距離が長いときに使用することに違いはありません。
フェアウェイウッドのシャフトはドライバーの次に長く、ヘッドの形状はドライバーを小さくした形で、芝の上からでも打てる構造になっています。
フェアウェイウッドの種類は3番ウッド、5番ウッド、7番ウッドが代表的です。
昔のアイアンセットは3番アイアン~PWが主流でした。
扱いにくい3、4番アイアンの代わりに7番ウッドをセッティングすることもありました。
ところが今は、ほとんどのメーカーが5番アイアン~PWで販売しています。
扱いにくい3、4番アイアンの設計すらやめ、その代わりを、ユーティリティでカバーするケースが多くなりました。
フェアウェイウッドはドライバーの長さを基準に短くしているため、シャフトが長く感じられるかもしれません。
しかしその分飛距離が出るようになっています。
特に3番ウッドは、プロゴルファーでも真っ直ぐ打つのは難しいと言われています。
そんな3番ウッドを使いこなせるようになれば、すべてのフェアウェイウッドを使いこなせるでしょう。
ドライバーヘッドスピードが40m/sのフェアウェイウッドの一般的な飛距離
3番W/15度/210~220ヤード
5番W/19度/200~210ヤード
7番W/21度/190~200ヤード
ドライバーとの組み合わせは、3番ウッド、5番ウッドのセッティングが一般的です。
あとは7番ウッドかユーティリティを組み合わせることになります。
ユーティリティとは
ユーティリティの名前の意味は、使いやすさや役立つものです。
名前の通り、ロングアイアンやフェアウェイウッドよりも簡単に打つことができるクラブです。
ユーティリティが発売されたのはおよそ30年くらい前です。
当時のアマチュアゴルファーは、3、4番のロングアイアンを使いこなせず、3番アイアンにいたっては、難しすぎて使ったことすらない人もいました。
アマチュアゴルファーにとってロングアイアンは、ボールがまともに上がらず、ミスの多いクラブでした。
またシャフトの長いフェアウェイウッドは、グリーン上に止まるボールを打つのは難しいものです。
そうした悩みを解消すべく、ユーティリティはフェアウェイウッドとアイアンの中間的なクラブとして設計されています。
フェアウェイウッドとは違い、ボールにスピンが入って高く上りながら落ちるため、発売後はすぐに浸透していき、今ではほとんどのゴルファーが使用しています。
ヘッドスピード40m/sの一般的なユーティリティの飛距離
3UT/19度/190~200ヤード
4UT/21度/180~190ヤード
5UT/23度/170~180ヤード
6UT/25度/160~170ヤード
ユーティリティはヘッドが違う
フェアウェイウッドのヘッドの形は、ドライバーのヘッドを小さくした形です。
一方ユーティリティのヘッドの形は、ウッドタイプとアイアンタイプのニ種類に大別されます。
ウッドタイプはフェアウェイウッドをさらに小さくした形で、シャフトもアイアンに比べて長く、飛距離が出やすい設計です。
対してアイアンタイプは、だいぶ数が減ったタラコ型と呼ばれるヘッドのものと、ヘッドを中空にしたアイアン型があります。
タラコ型とアイアン型の違いは、見た目もそうですが、タラコ型はソール部分が厚くなっていて、芝を滑りやすくなっています。
ラフやベアグラウンドでも有効で、ユーティリティの名前の通り、使い勝手が良く打ちやすいヘッドです。
アイアン型は遠目にはアイアンと変わらず、バックフェース部分が中空でアイアンより厚くなっています。
ソールが厚い分、重心が深くなって安定的に狙った方向へ打つことができます。
しかしながらある程度のヘッドスピードが必要で、中上級者がロングアイアンの代わりにセッティングするケースが多いです。
使い勝手はウッド型やタラコ型のユーティリティのほうが良いでしょう。
フェアウェイウッドのメリットは飛距離の違い
フェアウェイウッドのメリットとデメリットを説明します。
フェアウェイウッドのメリットは飛距離です。
ロングホールで200ヤード以上の残り距離をツーオンを狙えるクラブは、フェアウェイウッドが一番です。
ユーティリティの中にも200ヤード以上飛ぶクラブもありますが、容易に飛距離を出すにはやはりフェアウェイウッドのほうが優れています。
ボールの弾道がしっかり上がれば、ドライバー以上に気持ちが良い球筋です。
特にプロでも難しいとされる3番ウッドをしっかりと打てたときは、飛距離以上の喜びを得られるかもしれません。
対してデメリットは、フェアウェイウッド特有の打ち方をマスターしないといけないことです。
ドライバーのようなアッパースイング気味ではなく、アイアンのようなダウンブローとも違います。
スイングの最下点でボールを払うようなイメージで打つレベルブローです。
ボールを右から左へ弧を書きながら振り払うような感じです。
この払い打ちがフェアウェイウッドの基本です。
フェアウェイウッドはソールが広くなっているため、芝の上を滑りやすくダフりにくい構造になっています。
慣れるまでは練習しかありませんが、コツをつかむとそう難しくはありません。
ユーティリティのメリットは正確性の違い
フェアウェイウッドに比べるとユーティリティは短い分初心者でも扱いやすく、中距離を正確に打てる構造になっています。
ユーティリティの打ち方は、アイアンと同じ打ち方が基本でダウンブロー気味で打ちますが、レベルブローで打っても問題ありません。
そのため特有な打ち方をマスターする必要はなく、ウッドの打ち方でもアイアンの打ち方でも大丈夫です。
ラフに沈んだボールでもダウンブロー気味に打てば、クラブヘッドが入りやすくなっています。
難しいライやきつい傾斜がある場所では、シャフトの長いフェアウェイウッドを使うのは難しいですが、ユーティリティならしっかりボールに当てられます。
フェアウェイでもラフでも同じクラブを使えるのは大きなメリットです。
デメリットはフェアウェイウッドほど飛ばない可能性があるということぐらいでしょうか。
しかしこれはどのクラブにも言えることで、飛距離の出るクラブと組み合わせることで解消できます。
フェアウェイウッドとユーティリティのクラブセッティングの違い
フェアウェイウッドとユーティリティのクラブセッティングを説明します。
簡単なセッティング方法は飛距離の違いで使い分けることです。
フェアウェイウッドはドライバーの飛距離から番手を下げて選び、ユーティリティは飛距離が一番良く出るアイアンから、番手を上げていくのが良いでしょう。
フェアウェイウッドもユーティリティも、残り160~230ヤード前後の距離で使用するクラブです。
一般男性なら、200ヤード以上はフェアウェイウッドにして、それ以下をユーティリティでセッティングするのが妥当ではないでしょうか。
最近のアイアンセットは5番アイアンから揃っているので、ドライバーから5番アイアンまでの間に4本をセッティングします。
勿論5番アイアンもユーティリティにしても構いません。
一般的なドライバー以下のセッティング例です。
3W/15度/210~220ヤード
5W/19度/200~210ヤード
3UT/19度/190~195ヤード
4UT/21度/180~185ヤード
ユーティリティはアマチュアには扱いにくい、3番、4番のロングアイアンの代わりにセットします。
また扱いの難しい3Wを抜いたセッティングもおすすめです。
5W/19度/200~210ヤード
7W/21度/190~200ヤード
4UT/21度/180~190ヤード
5UT/23度/170~180ヤード
ただし飛距離には個人差がありますから、自身に合ったセッティングをしてください。
クラブは自身を持って打てるものが一番!
フェアウェイウッドを選ぶか、ユーティリティにするかは、自分が自信を持って使えるクラブかどうかで選ぶのが良いでしょう。
ここで説明したクラブの飛距離はベストショットの飛距離です。
ゴルフにミスショットはつきものです。
飛距離にこだわりつつも、ミスをカバーしてくれるセッティングにするのがベストです。