ドライバーでスライスと言えば、アマチュアゴルファーの悩みの典型です。
極端なスライスでなければ、持ち球にできるため問題ありませんが、大きく曲がりすぎてしまうと収拾がつきません。
そうしたスライスには様々な原因がありますが、クラブ選びが正しくできていないケースもあります。
そこで今回はクラブ選びを間違えないよう基本的な選び方を考えます。
ドライバーでのミスショットはスライスが多い
ドライバーでスライスに悩まされているアマチュアゴルファーはとにかく多いようです。
そのため自分だけがスライスで困っていると悩まなくても、同じ悩みを抱えた仲間は大勢いるのですから、安心してください。
細かくは後ほど解説しますが、スライスになる原因はいくつもあり、大きく分けるとスイングとクラブ選びが間違っていることが挙げられます。
アマチュアの半数以上がスライスで悩んでいると言っても過言ではないこの市場に、ゴルフメーカーがビジネスチャンスを見逃すわけがありません。
スライスがしにくい要素を詰め込んだドライバーを色々と作っています。
フェースアングル、ライ角、シャフトに至るまで、スライスしない(捕まる)ドライバーに力を注いでいるのです。
こうしたクラブを正しく利用できれば、スライスは軽減していくはずなのですが、アマチュアの場合はそのクラブ選びが正しくできていません。
なぜなら自分のスイングの分析や道具の知識が不足しているからです。
今回は、そんなアマチュアゴルファーに向けて、正しいクラブ選びのための情報をまとめます。
スライスはスイングとクラブ選びのふたつを疑う
ドライバーでスライスが出る原因は、大きく分けるとスイングとクラブにあります。
まず、なぜスライスが起こるか簡単に説明します。
フェースが開いて(返らないことも含む)インパクトしていることと、カット軌道でのスイングになっていることが挙げられます。
説明の都合上、なぜカット軌道になるかというと、アウトサイドイン軌道のスイングになっているからです。
細かな原因は多数ありますが、大半がバックスイングでインサイドに入れすぎていたり、体を使わず手で持ち上げていたりするためです。
それからフェースが開いてしまう理由については、振り遅れが原因です。
振り遅れは、体の開き過ぎや、手元だけが先行し過ぎることで起こります。
しかし、もうひとつ、クラブそのものにも理由があります。
シャフトが合っていない、重心距離が遠過ぎてヘッドが返ってこない場合です。
どんなに良いスイングをしていてもクラブ選びが間違っているとスライスは起きてしまう可能性があるのです。
スライスするドライバースイング
正しいクラブ選びをするには、まず自分がどのようなスイングをしているか分析する必要があります。
スイングといってもアドレスから間違っていればスライスになりやすくなります。
まずウィークグリップで握っている人は、フェースターンが足りずフェースが返りづらいです。
またオープンスタンス気味で構えている人は、ターゲットに対して肩と腕のアライメントがズレているケースがあります。
つまり理想に近いスイングをしても、ターゲットに対してカット軌道になるアドレスをしているケースがあるため見直す必要があります。
そしてスイング途中に関しては、バックスイングに問題があるケースです。
バックスイングから切り返しまででは、ターゲットライン後方から見てグリップエンドが反時計回りにスイングできているか、またトップで右手がしっかりと背屈しているかをチェックしてください。
ダウンスイング以降は、体が開きすぎていないか、インパクトのタイミングでグリップが先行しすぎていないかが重要です。
トップからの切り返しの際に、クラブが自重で落ちるのを待つような、間を作るイメージで振るようにしましょう。
またドライバーは長いため、ある程度は腕を振る必要があります。
体と一体にすることばかり考えるのではなく、トップから落ちてきたあとは振り抜くことが重要です。
間違ったクラブ選びはスライスを生む
では、クラブ選びで注意すべき点を話します。
特にドライバーのように長いクラブの場合、自分のスイングに合っていない、間違った認識でクラブを買ってしまうとミスショットの原因になります。
どちらかというとヘッドの性能をアマチュアは気にしがちです。
しかし、ドライバーを選ぶ上で大切なことはシャフト選びです。
まず、シャフトの長さ、重さ、フレックス、トルクをしっかりと考える必要があるのです。
シャフトの長さは、男性で45~46インチ程度です。
自分が振れる長さを選ぶことが重要ですが、ヘッドスピードが出せるゴルファーはミート率を優先して少し短めにするのも選択肢としてはありです。
長くなるほど振り遅れの可能性が高まり、スライスの原因となるからです。
次に重さですが、軽いとヘッドスピードが出やすいですが、反面軌道の不安定を招くため、少し重みを感じるものが良いでしょう。
重みがあっても、カウンターバランス調整で解消できます。
最後にフレックスとトルクですが、ヘッドスピードに対して軟らか過ぎるとタイミング合わせの難易度が高い上に、ヘッドが返りすぎてしまう可能性も高いです。
逆に硬すぎても、ヘッドが走らない上に、フェースが返らずスライスになるため良くありません。
振動数やセンターフレックスといった客観的な数値を参考に、ヘッドスピードに合ったものを選びましょう。
クラブ選びが合っていても勘違いしてはダメ!
クラブ選びついて話をしましたが、自分に合っているものを手に入れたとしても、すぐにすべてが改善されるわけではありません。
もちろん場合によっては変えるだけでスライスが簡単に解消されることはあります。
しかし、多くの場合はドライバーの振り抜く感覚が変わるため、違和感が出てくるはずです。
アマチュアの場合、違和感をネガティブな要素にとらえる傾向が強く、『自分に合わなかった』と言ってすぐにまたクラブを変えようとします。
なぜ、ドライバー選びで客観的データを用いて適正な重さやフレックスを決めるかというと、根拠を明確にするためです。
今の状態が正しくないがゆえに、スライスが起こっているのです。
ゴルフの場合、感覚は非常に大切ですが、正しくない状態に慣れてしまったスイングは、変化(ドライバーが変わる、スイングを変える)が起これば違和感が出るのが当たり前です。
逆説的に言えば違和感は『正しい方向への変化』と捉えるべきでしょう。
元々の感覚は正しくないものとして、違和感を受け入れ練習することがとても大切です。
ドライバーでスライスを使いこなすのも上達への道
スライスを解消する、また自分に合ったクラブ選びについて話をしてきましたが、最後は少し視点を変えてスライスを使いこなす方向性で考えてみます。
スライスは、ミスショットとして扱われていますが、本当にそうでしょうか。
多くのアマチュアゴルファーは、真っ直ぐもしくはドローで打てると正しいと認識しているようです。
しかし、それは少し違うのです。
ミスショットとは、『狙った球筋とは違うボール』です。
つまり、スライスを狙ってスライスが出るようになれば、それはミスショットでは無いのです。
スライスやフックを狙って打てるようになることは、どうやったら球筋が真っ直ぐになるのかも傾向が分かってきます。
もし、なかなか真っ直ぐに打てないようであれば、スライスやフックを狙って打つ練習をして、そこからどうすれば良いのか考えるようにしてください。
例えば、フックが多ければフェースが被っている可能性が高いため、ボールが左に出過ぎていないか、気持ち内側に置いてみたり、スクエアグリップを意識してみます。
またスライスが多ければ、カット軌道やフェースの開きを疑い、フックグリップで気持ちクローズに構えて右方向へ打ち出すイメージで打ってみます。
練習場で真っ直ぐ打つのは効果的ではありません。
右に左に交互に曲げてみましょう。
そうして曲がり球を扱うことによって、真っ直ぐに打ったりドローに打ったりするヒントが見えてきます。
上達への近道は、ひたすら真っ直ぐ打つことだけではありません。
正しいクラブ選びと正しい知識が大切
始めのうちはスライスが出ても仕方ありませんが、ある程度経験を積んでいるのに変わらずスライスを打っているのであれば、クラブ選びを根底から変えてみてください。
そして曲がりを抑えるのではなく、曲がりを操るイメージで練習してみてください。
曲げる楽しさを知ることで、今の自分のゴルフに光明が差すに違いありません。