ゴルフでスコアアップを図るには、パットの打数を減らしていくことが必要です。
もちろんドライバーやアプローチなど他にも必要な要素はありますが、ゴルフではパットのスコアに占める割合は圧倒的に多いものです。
パットの技術向上には、正しい打ち方や練習が必要なのはもちろんですが、パターにもいろいろ種類があり、どのパターを選択するかも重要です。
今回は、特にマレット型と呼ばれるパターに関して考えていきます。
ゴルフでスコアアップに関してのパターの重要性
ゴルフラウンドでは18ホールあり、そのプレーの中で様々なクラブを使うことになります。
ドライバーや、アイアンは多用しますが、各ホール必ず利用するのはパターです。
そのパターは、ドライバーやアイアンなどとは構造的に違ったクラブになっています。
グリーン上では、ロフト角のないパターでボールを転がしてカップインさせる流れです。
また、スコアアップのため各ホールのスコアをパーやボギーに抑えようとすると、各ホールでは2パット以内のパット数でホールアウトする必要が出てきます。
3パット以上を叩いてしまうと、ティーショット、セカンドショットがうまくいき、グリーンにパーオンしたとしても、3パット以上叩いてしまうと、すぐにダブルボギーといったことになってしまうものです。
パターはボールを遠くに飛ばす必要はありませんが、カップに向かって距離感を合わせながらボールを打ち出す必要があります。
また、パッティング時に単純に平らなグリーンはほぼ存在せず、ラインを読み、ライン通りに打ち出すということも必要です。
一方で、パターにはいろいろな種類の形状があります。
いずれもゴルファーが打ちやすくするための設計コンセプトで作られているのですが、形状に応じて多少打ち方も違ってきます。
今回は、基本的な打ち方やパターの種類の違いを見ていきながら、特にマレット型と呼ばれるパターの考察をしてみます。
パターの打ち方の基本
パターには種類がいろいろあり、構造の差によってスイング軌道なども違ってくるのですが、いずれの形を用いたとしても、真っ直ぐにカップに向かってボールを打つために以下の点に関しては基本的な打ち方だと考えられます。
①アドレス時のボールの位置
ゴルフのスイングの際には、アドレス時のボールの位置が重要です。
もちろん静止したボールを打つことになるのですが、パターの場合、体の中心より少し左側に置くのがベストとされています。
ちょうど自分の左目の位置にボールを置くのが良いでしょう。
これは、インパクトの瞬間にフェースを真っ直ぐにボールに当てやすくなるからと考えられます。
②アドレス時の頭、視線及び足の位置
アドレス時においては、足は下半身が安定すれば良いのですが、目安としては肩幅ぐらいが良いでしょう。
頭、視線についても、打ちやすければあまり固定的な箇所はないのですが、①のボールの位置が見やすいように、ボールを頭、目線の下もしくは外側に来るようにアドレスを取りましょう。
ボールが頭、目線の内側に来てしまうようにボールをのぞき込んでしまうと、パターのストロークがうまくできない姿勢になってしまいます。
③ストローク時の腕の固定
パターのストロークの理想型は、振り子のような運動だと言われます。
従って、ストローク時の腕の形を三角形や五角形になるようにし、その形を崩さないようにストロークするのが良いでしょう。
三角形が合うか五角形が合うは、個人差によります。
これ以外の打ち方の基本もありますが、マレット型等の種類別に考察していきます。
パターの種類(ピン型とマレット型)
大きく分けるとピン型とマレット型の2種類があります。
●ピン型パター
パッティングで良く使われている種類の一つが、ピン型でしょう。
ピン型が歴史上登場したのは、1950年代の後半と言われています。
それまでは、パターと言えばL字が主流でした。
L字型のパターは、アイアンのようにヘッドのヒール側にシャフトがある形状となっています。
その形状のためか、ストロークの際に、ヘッドのスイートスポットをとらえにくい一面がありました。
そこで、PING GOLF社が、L字型パターに関してスイートスポットをとらえやすくするために、スイートスポットを広げた形状のパターを開発しました。
それがピン型です。
開発した社名がパターの名称に用いられています。
●マレット型パター
現在ピン型と双璧をなすのが、マレット型です。
マレット型は、ヘッドが大きな楕円形であることが特徴です。
1990年代に、Callaway Golf社が、Odysseyブランドとしてマレット型を開発したのが始まりです。
前述のピン型から、さらにスイートスポットにヒットしやすく、大きなヘッドゆえスイートスポットを外してもボールが十分転がってくれるといったことから、急速に普及しました。
なおマレット型の中にも2種類あり、通常のマレット型とネオマレット型という種類に分けられます。
このように、マレット型とピン型は構造が違います。
そのため、打ち方も違ってくるのです。
マレット型パターとピン型パターとの打ち方の違い
ピン型とマレット型は主流のパターですが、その構造の違いから打ち方が少し相違します。
ピン型は、ヘッドの重心のバランスが良く、多少スイートスポットを外れてもボールは直進してくれるパターです。
そのため、真っ直ぐにストロークしなくとも、弧を描くような軌道でパッティングできます。
またマレット型に比べてヘッドの容量が小さく、インパクト時にボールを押し出す力が若干弱くなります。
従って、パットがオーバー気味な場合は、ピン型を選択すると良いでしょう。
対してマレット型は、ヘッドが大きな楕円形になっており、ピン型より重くなります。
また、ヘッドの面積が大きい分、ピン型より安定した方向性で打ち出すことができます。
マレット型の場合、ピン型に比べて弧を描くような軌道ではなく、直線に近い形でのストローク軌道で打っていくのが合っています。
また、ヘッドが重い分、インパクト時にボールを押し出す力がピン型より強くなるため、パットがショート気味のゴルファーは、マレット型を選択すると良いでしょう。
マレット型パターとネオマレット型パターの構造の違い
前項では、マレット型とピン型の違いを述べていきましたが、細かく分類していくと、マレット型パターやピン型パターも複数の種類があります。
特にマレット型には、近年になり、ネオマレット型が登場してきました。
ネオマレット型とは、従来のマレット型と比べて、ヘッドの大きさがさらに一回りほど大きくなります。
単純にヘッドの面積が大きい分、従来のマレット型と比べて、方向性やボールに対する反発力も向上します。
但し、従来のマレット型より重量が重くなる分、操作性はネオマレット型のほうが難しくなります。
しかしながら最近では、同じネオマレット型でも操作性を追求したモデルも出てきています。
このような操作性を求めたネオマレット型は、ヘッドの先の部分のほうが重い構造になっています。
見た目では分かりにくいのですが、ヘッドを浮かせた状態でシャフトを水平に置いたときにフェースが傾けば、操作性重視のネオマレット型になります。
但し操作性は良くなりますが、ストロークで少し弧を描くような円軌道にする必要性が出てきます。
なお、この構造上の違いが打ち方の違いにもつながってきます。
マレット型パターとネオマレット型パターの打ち方の違い
従来のマレット型とネオマレット型とは構造が違うことを説明しました。
特にネオマレット型パターに関しては、ヘッドが従来型のものより大きく重いという特徴があり、以下の点で打ち方に留意する必要があるでしょう。
●グリップを短く持ち、ハンドファーストに構える。
ネオマレット型は、従来型と比べてヘッドが重く、重心が深くなっています。
そのためグリップを短く持ち、ハンドファーストに構えることによって、スムーズにストロークができるようになるでしょう。
●ストレートなストローク
ネオマレット型は、ヘッドが大きい分、直進性が従来型よりも優れています。
従ってストロークも従来型より、さらにストレートな軌道で行う必要があります。
ロボットのように様々な部分を固定し振り子運動をしてください。
なお、前述のようにネオマレット型の中には操作性を意識したものがありますので、その場合には、単純にストレート軌道ではなく、弧を描いた軌道寄りが求められます。
2パットでホールアウトするために自分の打ち方に合ったパターを選択しよう
今のパターは様々な形状のものがどんどん登場してきたため、形で分類するだけでは正しくないのかもしれません。
そのため、フェースがどう動きやすいかで分類したほうが選択しやすくなると考えられます。
フェースが開きやすいトゥヒールバランス、真上を向くフェースバランスといった感じです。
そんな中から自分の打ち方に合ったパターを見つけ、それを使い続けることでパターの技術を向上させ、各ホール2パット以内でホールアウトできるようになりたいものです。