ドライバーを使ったティーショットは、ティーアップしてボールを下から打つアッパーブローが基本です。
アドレスの時点でインパクトの瞬間をイメージ化することで、この難しいアッパーブローが打てるようになります。
今回はイメージしたアッパーブローを正確に具現化する方法を紹介します。
インパクトした瞬間にドライバーはフェースの乱れが生じない
ドライバーのティーショットは、他のゴルフクラブとインパクトの形が違います。
基本的なゴルフスイングは、レベルブローと呼ばれるボールを払い打つスイングをします。
芝生の上にあるボールの側面を正確にインパクトすると、その衝撃によってボールはフェースに反発して飛び出すことになります。
そのレベルブローはクリーンショットとも呼ばれていて、芝を削ることなく「シュ!」とソールが擦れる音を鳴らしてボールをとらえます。
これはアイアンだけではなく、フェアウェイウッドやユーティリティも同じ打ち方です。
芝の抵抗を受けないことから、インパクトの瞬間にフェースの角度の乱れはなく、正確な距離と方向を狙うことができます。
一方ドライバーの場合には、そもそもティーアップしたボールを打つため、芝の抵抗を受けることはありません。
他のクラブでもティーアップすることはありますが、ドライバー以外のクラブは、芝面とほぼ同じ高さのショートティーを使い、ドライバーはロングティーを使います。
インパクトする瞬間フェース面は上を向くのがドライバー
ドライバーはアッパーブローでボールをとらえます。
アッパーブローとは、ティーアップしたボールを斜め下からインパクトをすることです。
ロングティーの上に乗っているボールを下から打つためには、スイングの最下点をティーよりも手前に定めて、その最下点を通過してヘッドが浮かび上がるときにインパクトします。
つまり手前で空振りしてからボールを打つのが、アッパーブローのイメージということになります。
アッパーブローはスイングのコツを掴めば、ボールをとらえることはできますが、問題なのは打ち出したい角度が決まっていることです。
ドライバーのロフト角にアッパーブローの角度が加わることで打ち出し角になるのですが、適当に打ち出して良いわけではありません。
もっとも飛ぶと言われてる角度は14度から18度なので、仮にドライバーのロフト角が11.5度なら、アッパーブローの角度は3.5度から7.5度も必要になります。
この角度を計算してインパクトの瞬間をイメージすることが、ドライバーにとっては大切なことなのです。
ドライバーを10センチ離すと計算通りインパクトの瞬間を迎えられる
ドライバーをアッパーブローでインパクトするためには、アドレスでティーアップしたボールから10センチ離してヘッドをセットします。
このヘッドを置いた箇所がスイングの最下点となり、最下点でのフェース面はアドレスと同じターゲットを正対していますが、そこからヘッドが浮いてくるときフェース面は上を向きます。
このときのフェースの角度が打ち出し角になるわけですが、理想とする打ち出し角にするためにはインパクトの瞬間をイメージしていなければなりません。
ヘッドを走らせてフォロースルーを大きく取ると、ヘッドは最下点からスライドして浮き上がりません。
スイングの途中でインパクトの瞬間をイメージすることはできませんから、アドレスの時点でフォロースルーまでしっかりとしたイメージを作っておくことが大切です。
トップからインパクトまでヘッドが到達する時間は、たったの0.3秒と言われています。
一般人の場合は、脳から指示を出して体が動作に入れる時間は0.2秒だそうですから、仮にスイング中にインパクトの瞬間をイメージしても、それを具現化できるのはフォロースルーになってからだということです。
イメージするドライバーのインパクトの瞬間には誤差がある
ドライバーの場合、トップからインパクトまでの到達時間は0.3秒しかなく、スイングの途中でイメージしても、実行に移す前にスイングは終わってしまうものです。
アドレスの時点でインパクトの瞬間をイメージしておくことが大切ですが、逆に考えるとイメージしたスイング以外はできないということになります。
打ち出す角度を14度にするために、3度のアッパーブローにしたいとイメージしたら、ミスショットでそれよりも少ない角度になることはあっても、角度がプラスになる可能性は限りなく少ないはずです。
14度から18度の打ち出し角を理想とするのであれば、インパクトの瞬間は14度ギリギリではなく15度や16度をイメージしておくと、理想的なドライバーショットができるはずです。
ただ現実はイメージだけでは正しいインパクトはできません。
イメージしたスイングを寸分たがわずに実行できる技術が必要です。
もちろんイメージ化できなければそのスイングはできませんが、イメージをしたからといっても完全なインパクトの形になっているわけではありません。
イメージしたドライバーのインパクトの瞬間を実行する方法
イメージしたインパクトの瞬間を実行するためには、それに見合った練習をしなければなりません。
スイングの形を作るのが練習の目的であり、実際にボールを打つ必要はありません。
またボールを打てる環境があったとしても、ボールの行方が気になってしまうとスイング作りには邪魔になるため、ボールは打ちません。
まずゴムティーの入る穴の開いている練習マットにロングティーをセットしてください。
ティーの位置は左足内側のくるぶしの延長線上にセットし、そこから10センチ間隔をあけてドライバーのヘッドをソールします。
そこからドライバーの素振りをしますが、スイングの最下点ではソールを人工芝に擦って、シュッと音が聞こえるようにしてください。
その擦った位置がティーから10センチのところにあればOKです。
擦れた音を聞きながらアッパーブローで、ゴムティーにぶつかる音が聞こえます。
最初はバチンとフェースでとらえた音が聞こえますが、スイング軌道が安定してくるとソールで擦ったシュっという音が聞こえるはずです。
ドライバーのインパクトの瞬間は耳で確認する
イメージしたインパクトの瞬間を実行するためには、事前にその動作を体験しておく必要があります。
頭で考えたことを行動に移し、その結果を耳で確かめることで、ドライバーショットの成果を判断するわけです。
あとは繰り返し練習することでスイング軌道は安定してきますし、脳で考えることなく体が動くようになります。
そうなるとイメージする必要はなくなるわけですが、あえてインパクトの瞬間をイメージすることで、不測の事態であるミスショットをなくすことができます。
元々ドライバーだけアッパーブローという特異なスイング形態を取り入れています。
スイングの最下点に仮想のボールを置き、そのボールを空振りしてヘッドが浮き上がるときに実際のボールをとらえたいからです。
イメージせずに「飛ばすぞ!」とスイングに入るだけでは、ボールの側面に向けてヘッドを振り下ろしてしまい、正しい打ち出し角が得られずに失速してしまいがちです。
アッパーブローのつもりがレベルブローになって、強いインパクトの割りに飛距離が出ないのはこのためです。
アドレスに入る前にインパクトの瞬間のイメージを持つこと、これで理想のドライバーショットができるようになるはずです。
ドライバーのインパクトの瞬間は目で確認しなくても大丈夫!
ドライバーのインパクトの瞬間は目で確かめることができないため、イメージしたスイングができているかを耳で確かめていきましょう。
ソールの擦った音を聞いて、正しいスイングの最下点を通過し、アッパーブローでインパクトの瞬間を迎えることができたかでチェックできます。
結局はどのクラブにも言える最下点を揃えることが大切になってくると言えるでしょう。