アイアンセットにウェッジを組み込むことで、同一メーカー、同一モデルにしたほうが安定したショットができるかもしれないとの考えがあります。
一方でウェッジはその特異性を生かして単品で揃えたほうが良いという考えもあります。
今回はアイアンとウェッジのメーカーを揃えることの良し悪しについて考えていきます。
アイアンとウェッジは同一メーカー同一モデルのほうが良い?
アイアンとウェッジのメーカーは揃えたほうが良いのか、それともアイアンセットと単品ウェッジで別に揃えたほうが良いのかを迷うことありませんか。
14本のクラブセットとして考えると、同一メーカー同一モデルが望ましいと考えても不思議なことはないはずです。
同じタイプのヘッドですから、番手間の距離も等間隔でセットされているはずだからです。
特に最近のアイアンは、以前と比べると飛ぶようになってきているため、9番アイアンの飛距離は120ヤードで設定されているようです。
そうするとピンチングウェッジは110ヤードが必要になるわけですが、単品ウェッジの中には100ヤードを基準に設定しているものがあるので、9番アイアンとピッチングウェッジの番手間だけ20ヤード差になってしまう可能性があります。
使い慣れれば、9番アイアンで120ヤードから101ヤードまでを打ち分けることはできますが、100ヤード周辺はグリーンを狙う上で良く使う位置ですので、できれば選択肢が多くなるように、アイアンセットにウェッジも組み込まれていたほうが良いかもしれません。
9番アイアンとピッチングウェッジを見るとメーカーは揃える
アイアンとウェッジ、特に9番アイアンとピッチングウェッジは同一メーカーで同一モデルにしたほうが番手間の距離に歪が生じないという考え方がありますが、一方でウェッジは単品で揃えたほうが良いという考え方もあります。
元々バンカーショットのために作られたのがウェッジですから、その専門性を考えると飛距離を考慮する必要は全くないかもしれません。
グリーン周りからのバンカーショットが何ヤード飛ぶかを知ることが不必要とは言えませんが、それを知っても使う場面はないかもしれないということです。
サンドウェッジにとって大事なことは、どこまで飛ぶかの飛距離よりも、いかに容易く脱出できるかです。
さらにピンそばに寄せられる精度があればもっと良いわけで、アイアンとの飛距離を対比する必要は微塵もありません。
そう考えると、アイアンセットとウェッジは別々に揃えることで、お互いの役割を果たせば良いという結論に至っても何ら不思議ではありません。
アイアンとウェッジのメーカーを揃えると100ヤード以下が不安
アイアンとウェッジはそれぞれの役割を果たすためにも、メーカーやモデルに縛られることなく、別々に揃えたほうが良いという考え方もありますが、それを繋げるのがアプローチウェッジなのかもしれません。
ウェッジの中でも広範囲なのがアプローチウェッジです。
極端に言えば、ピッチングウェッジとサンドウェッジ以外は、すべてアプローチウェッジとして含めることになります。
元々はピッチングウェッジの次のクラブで、ロフト角のあるウェッジはピッチングサンドという名称で、芝面使用するサンドウェジがありました。
時代とともにアプローチウェッジのロフト角が増えてきたこともあり、ピッチングサンドはいつしかアプローチウェッジに吸収されていきます。
そうするとピッチングウェッジの次の番手として、100ヤードからサンドウェジの60ヤードまでをカバーするクラブとなったのです。
このアプローチウェッジを上手く活用すれば、単品で揃えなくても同一メーカーのアイアンとウェッジでも問題は解決できるのではないでしょうか。
アイアンセットのメーカーとは別にウェッジを揃えるべき?
アイアンとウェッジが同一メーカーであっても、アプローチウェッジでカバーできるので不利益はないという考え方がありますが、柔らかい打感を求めるウェッジは軟鉄鍛造を使いたいと希望するゴルファーは多いようです。
基本的にアイアンがステンレスをベースにしたコンポジッドで、ウェッジは軟鉄鍛造のマッスルバックというセットはないかもしれません。
アイアンもウェッジも性能重視で揃えているので、好みはあってもそれぞれのクラブの揃え方に問題はないはずです。
プロも含めて多くのゴルファーは、打感が柔らかくなるという理由から、軟鉄製のウェッジを好んでいます。
文字通り感覚的なものではありますが、微細な感覚が必要なショートアプローチでは、その好みを否定することはできません。
そう考えるとアイアンとウェッジは、単独で揃えたほうが良いことになります。
ここで問題となるのは、最初の9番アイアンの次の距離を埋めるウェッジです。
一案としてはアイアンセットにピッチングウェッジまでを組み込んで、それ以降は専門性の高い揃え方をしてみるというものです。
アイアンセットとウェッジを同一メーカーにする余裕はない
アイアンセットの中にピッチングウェッジを組み込み同一メーカーで揃えて、アプローチウェッジから単品で揃えていくという考え方がありますが、14本の限られた本数の中で入れられるウェッジの数は限られるため、物理的には無理があるという考え方もあります。
14本のクラブセットに必ず入れるドライバーとサンドウェッジ、それにパターを除くと、残りは11本です。
オーソドックスなセットとしては、フェアウェイウッドは3番と5番、アイアンは3番から9番、それにピッチングウェッジで10本、そうすると残りは1本です。
この1本がアプローチウェッジになるので、ピッチングウェッジの次の番手にするか、ロフト角の大きなウェッジにするか、1つしか選ぶことができません。
仮に3番アイアンを抜いても、代わりにユーティリティを入れることが多く、総対数に変わりはありません。
そう考えると、机上の論理では同一メーカーで揃えて、必要な分だけ単品ウェッジを揃えて解決できますが、実際には新たに加えるウェッジのために、他のクラブを抜くことになるのではないでしょうか。
アイアンとウェッジをメーカー別か統一かの最終決断
アイアンとウェッジを同一メーカーで揃えて、必要な分だけ単品で揃えるのは、絵に描いた餅で現実的ではないという考え方がありますが、ほぼ使うことのない不必要なクラブを精査すれば、ウェッジを厚くすることができるという考え方があります。
すでにプロゴルファーの多くは、数本のウェッジを携帯しています。
自分の飛距離とコースのレイアウトを考えれば、不必要なクラブは見つかってくるかもしれません。
得意不得意を問わず、ドライバーやサンドウェッジ、それにパターは入れておくことになります。
セカンドショットでの残り距離がどのくらいあるかにもよりますが、ロングホールならセカンドとサードを2回とも5番アイアンを使えるので、それ以上の飛距離のクラブは必要としません。
このように精査していくとフェアウェイウッドは必要なくなり、アイアンも3番4番が必要なくなり、それらの代わりにユーティリティを2本入れればカバーできるはずです。
これだけでアプローチウェッジは3本入れられるようになり、同一メーカーで揃えたピッチングウェッジまでのアイアンセットと、単品のウェッジのどちらも揃えることができます。
あとは使いこなす腕を磨くだけ、頑張って練習に励みましょう。
セットとウェッジはメーカー別にするかは自分次第
アイアンセットとウェッジは同一メーカーで揃えたほうが良いのか、ウェッジは単品で揃えたほうが良いのかについて考えたとき、正しい答えというものはありません。
自分にとって何を優先するのかを考え、それを具現化でいるように自分なりに努力することでお気に入りのクラブセットを組むことができるはずです。