アイアンとドライバーの打ち方の違いで判るスイングの重要性

コース内の芝の上から打つアイアンと、ティーアップしたボールを打つドライバーでは、打ち方の違いがあって当然といえます。

しかしスイングを確認すると、実は同じスイングをしていることが判ります。

ここではレベルブローとアッパーブローのスイングについて考えます。

アイアンとドライバーの打ち方の違いはスイングの角度

アイアンとドライバーの打ち方の違いについて考えていきます。

ゴルフを始めたとき、最初に練習するクラブはアイアンではないでしょうか。

一般的にはスイング作りのために、中間番手といわれる7番アイアンを使って練習をしますが、これは理にかなったものです。

アイアンは番手によってボールの位置を変えて使うゴルファーが多いですが、スタンスの中央に置くのが7番アイアンだといわれます。

その理由からスイングの最下点をスタンスの中心にして正しいスイングを作るのには最適なわけです。

この正しいスイングとは、ボールを払い打つレベルブローのスイングのことです。

基礎的なスイング方法であり、このスイングによってほかのスイングができるようになります。

レベルブロー以外のスイングとしては、上から下に向けて振り下ろすダウンブローと、ボールを下から打ち上げるアッパーブローがあります。

ダウンブローはディボットにはまったときのように、ボールの上から打ち込むスイングです。

一方でアッパーブローはドライバーショットのように、ティーアップしたボールを打つときに使う打ち方です。

アイアンとドライバーには基本的な打ち方の違いがない?

アイアンとドライバーに打ち方の違いはありますが、基本のスイングがレベルブローであることに間違いはありません。

7番アイアンで練習をしたレベルブローは、スイングの最下点をボールの真下に設定する打ち方です。

練習場の人工芝でクリーンなショットができれば、かすかにアイアンのソールと人工芝の擦れる「シュ」と音が聞こえてきます。

日ごろ練習場を利用している人にとっては、特別なスイングには感じないかもしれませんが、実際にレベルブローのスイングができるゴルファーは一握りしかいません。

自分のスイングがボールの真下とスイングの最下点が一致しているように感じいているだけで、大抵はボールの手前からダフリ気味に入り、人工芝の上を滑ってインパクトしていることが多いからです。

ボールの手前にコインを置いてショットしてみてください。

スイングの最下点とボールの真下が一致していれば、コインを弾くことなくボールを打つことができるでしょう。

もしもコインが弾けるようなら、ダフリ気味のレベルブローになっていると判ります。

仮想ボールによってアイアンとドライバーの打ち方の違いを出す

繰り返して7番アイアンでコインを弾かないレベルブローのスイングができるようになったら、自然とドライバーでアッパーブローのスイングができるようになっています。

アッパーブローのスイングは、ボールを下から打つのですが、いくらティーアップをしているとはいえ、レベルブローのスイングでは下から打ち上げることはできません。

アッパーブローのスイングは、ボールの手前にスイングの最下点を設けます。

通常であれば、インパクトしたあとのフォロースルーになったところにボールがある状態です。

つまりアッパーブローはティーアップしたボールの手前にレベルブロー用の仮想のボールを置いて、そのボールにレベルブローのスイングをするだけでできます。

仮想ですから当然空振りしますが、フォロースルーに入ったところでティーアップしたボールを打つことができます。

つまり打ち方の違いはありますが、アッパーブローとレベルブローはボールの位置が違うだけで同じ打ち方といっても良いわけです。

ただし、仮想のボールを空振りするイメージを持つと、リアルボールは気の抜けたショットになってしまう可能性があるので注意が必要です。

打ち方の違いはアイアンとドライバーの目的違いによるもの

アイアンとドライバーの打ち方の違いは、ボールをダイレクトに打つスイングをするか、仮想のボールを打つスイングをするかが重要で、ボールとフェースの接触部分はその結果でしかありません。

ただスタンスの幅は違います。

ゴルフのスタンスは肩幅が基本ですが、飛距離を求めるドライバーは、肩幅よりもスタンス幅を広くすることが多いようです。

ドライバーでスタンスを広く取るのには2つの理由があります。

1つは下半身の安定です。

長いドライバーを振り回すことで、ヘッドには遠心力が加わることになりますが、それを抑えるためにスタンスを広げてスイングをするのです。

もう1つは飛距離アップです。

ゴルフスイングは軸を中心とした円の軌道が基本となりますが、スタンスを広げることで体重移動が起きるため、楕円のスイングになります。

この横長のインパクトゾーンによって、ヘッドは走り強いインパクトを与えることができるようになるのです。

ドライバーとアイアンは打つ場所が違う

ドライバーとの打ち方の違いは、アイアンが番手によってスタンス幅が違ってくることです。

しかも飛距離を求めるドライバーとは違います。

飛距離を求めるロングアイアンよりも、バンカーから脱出するサンドウェッジのほうが、スタンスを広く取ることはあります。

もちろんアイアンも基本は肩幅のスタンスですが、ライの状況や球筋を打ち分けるためには、その状況に合ったスタンス幅に変えることがあります。

これはスタンスをとるポジションが関係しています。

ドライバーはフラットなティーグラウンドの上で使用するので、ほぼ練習場のスイングフォームと同じで問題はないはずです。

ところがアイアンはセカンドショット以降に使用することが多く、コース内の微妙なアンジュレーションや芝の草丈などを考慮しなくてはいけません。

なによりもクラブの持つ飛距離をフルに使える場面は少なく、残り距離を調節するショットが要求されます。

そのためには体重移動する楕円のスイングよりも、軸を中心とした円のスイングのほうが距離をつかみやすいわけです。

アイアンのスイング角度はドライバーより縦振り

アイアンとドライバーの打ち方の違いで決定的なのはスイングプレーンです。

本来のアドレスは、クラブが変わっても同じ姿勢をとるものですが、実際にはシャフトが短くなるほど前屈みになります。

さらにアイアンの番手が大きくなるほどシャフトは短くなるので、ボールは身体に近づいてきます。

ボールが身体に近くなると必然的に縦振りになるので、スイングプレーンはアップライトになるはずです。

一方でドライバーはシャフトが長いのでボールが遠くなり、横振りのスイングになり、スイングプレーンはフラットになります。

これは単にスイングプレーンの傾斜が違うということではなく、縦振りは捻転度合いが少なくなって手打ちになりやすく、横振りは捻転度合いが大きく体重移動によるスイングがしやすくなるということです。

ドライバーでも体重移動を抑えて円に近いスイングをすると、ピンポイントに狙うことができますが、アイアンの役割はピンポイントにボールを運ぶしかないので、大きな体重移動のスイングをすることはないのです。

そもそもドライバーとアイアンに打ち方の違いはなかった

遠い昔アイアンとドライバーはもともと一緒のクラブだったので打ち方の違いはありませんでした。

それが、より正確性を求められるようになったアイアンと、より飛距離を求められるようになったドライバーがすみ分けられるようになった結果、その打ち方にも違いができてきます。

ただ基本とするスイングは1つです。

レベルブローさえ習得できれば、同じスイングでボールをとらえることができるようになります。