シャフトの硬さXを使いこなすための条件とその秘密を探ろう

一般的にXのシャフトの硬さを使えるのは、ヘッドスピードが速く、体力もある男性という印象ですが、インターネットなどで検索すると、女性でも使用が可能ということも謳われているようです。

それはどのようなカラクリなのでしょうか。

女性でも取り扱えるということは一般男性にも取り扱えるということなのでしょうか。

今回はXのシャフトの硬さを使いこなす条件とその秘密、合わせて硬いシャフトと軟らかいシャフトのメリットとデメリットを検証してみます。

シャフトの硬さXの従来の条件

シャフトの硬さには、L、A、R、S、Xと大きく分けて5種類あり、LからXまでをシャフトの振動数で硬さの基準を決めていきます。

これに合うスイングか合わないスイングかは、ゴルファーのヘッドスピードを照らし合わせてシャフトの硬さの適合を判断してきました。

ここで見るXのシャフトに適合するヘッドスピードは、46m/s以上という高き門だったはずです。

実際に周りを見渡してみても、シャフトXを使用しているのは、若くて体力もある体型の優れた男性しかいません。

今までは、多くのゴルファーが全く縁がないと思われがちであったシャフトXの存在ですが、調べてみると気付かなかったメリットが見えてきます。

今後のゴルフの改善に繋がるかもしれませんので、今回の検証を参考に該当するゴルファーはシャフトXも検討してみてください。

シャフトの硬さXのカラクリ

シャフトXのカラクリで一番に思い当たるのは、メーカーによって硬さの種類はバラバラということ。

市販されている別々のメーカーで、シャフトSよりもシャフトRの方が硬いというのは、実際によくあることらしく、上記したヘッドスピードだけでシャフトを選ぶのは無謀というのです。

それにしても、女性がシャフトXを使いこなせるという話は、そんなカラクリだけでは可能かもしれませんが、納得しづらいですよね。

そこでもう少し詳しく調べてみると、一般的にヘッドスピードの速い人は硬いシャフトに向いていて、ヘッドスピードの遅い人ほど軟らかいシャフトに向いているという従来のセオリーを覆す理論がありました。

まず、自分のキャディバッグの中身を見ていただきたいのですが、上記の理論でいけばドライバーが最もヘッドスピードがある打ち方で使用しているのに対して、アプローチなどのウェッジは使用時ヘッドスピードが遅いですよね。

それなのに振動数で硬さを測った場合一般的なウェッジの振動数は350cpm程度に対して、硬さSRのドライバーの振動数は250cpm程度なのです。

こうして見比べてみると、使用時にヘッドスピードが求められていないウェッジの方がシャフトが硬いと感じてしまうかもしれません。

振動数は大雑把にいえば、1インチ短くなるとおよそ7cpm増えるため、ウェッジと同等のレディースドライバーシャフトは280cpm前後となります。

元来ドライバーは距離、アイアンは方向性を求められるクラブなので、このシャフトの硬さの差はそこに関係があるのでしょうか。

もう少しこの理論を深く掘り下げてみます。

ドライバーのシャフトの硬さの疑問に辿り着く

上記の理論にたどり着くと、現在主流のヘッドスピードが必要なドライバーは軟らかく、方向性が必要なウェッジの方が硬いことに疑問を抱くようになります。

もしもドライバーとウェッジのシャフトの硬さを合わせてみたらどういう結果に至るのでしょう。

この考えは、とあるシャフトメーカーも取り入れられていて、実際に該当する結果が得られる場合には、シャフトの硬度X以上のドライバーシャフトをオーダーメイドされることも珍しくないそうです。

今までの一般的な印象では、『硬いシャフト=重い』という考えが主流でしたが、現在では改良され、余分な接着樹脂を残すことなく、無塗装で仕上げており、軽く硬いシャフトが製造可能となりました。

現在市販されている最新のドライバーとは逆行した方向となりますが、この理論から女性でもシャフトの硬いフレックスXを扱うことは可能ではないかという答えに辿り着きます。

現在主流の長尺で軟らかいドライバーと、硬く短いシャフトのドライバーを、ヘッドの重量を変えずに女性が振ってみたらどうなるでしょう。

理論だけでいえば、硬く短いシャフトの方が圧倒的に軽く感じるはずであり、スイングのタイプによるところもあるが、インパクトのタイミングを取りやすくなるのではないかという考えに至ります。

シャフトのしなりに自分が合わせるのではなく、自分のタイミングでインパクトを迎えられるということです。

それでは、実際に女性がシャフトの硬さXの硬く短いドライバーを使用してみた結果を見てみましょう。

女性が短くシャフトの硬さXのドライバーを使ってみた結果

一般的な女性用ドライバーのシャフトの硬さLの振動数は230cpm以下が主流です。

もしかしたら230cpmでも硬いほうに分類される可能性すらあります。

試打比較するドライバーは振動数40以上多く硬いシャフトが装着されています。

このスペックは今だからこそ試せる技術の進歩でしょう。

それでは実際に試打をした女性ゴルファーの意見はどうだったのでしょうか。

「軽くて振りやすい」

「当たりやすい」

と、高評価だったようです。

実際、女性用の硬さのLやAよりもミート率は上がり、方向性が安定する結果となったようです。

しかしながら、飛距離は従来の軟らかく長尺なシャフトの方が伸びるらしく、このドライバーを好むのは、ゴルファーの求めるものによるという結果でした。

今回のこの実験から見えてくる、硬いシャフトと軟らかいシャフトのメリットとデメリットをまとめてみます。

硬さXのシャフトのメリットとデメリット

今話題の軽・硬・短のドライバーのメリットとデメリットは以下の通りです。

まずメリットをまとめると、やはり軽いのでヘッドスピードは落ちません。

そして、短い分振りやすく、ミート率も上がります。

そして、硬い分方向性が安定します。

これは人によりますが、インパクトのタイミングを掴みやすく、自分のスイングでインパクトを迎えられます。

飛距離は多少落ちる傾向にあるようですが、ミート率が上がる分飛距離は伸びる可能性もあります。

対してデメリットを上げるとしたら、シャフトが硬い分ボールが上がりづらいということでしょうか。

しかしながら、これはロフト角でカバーできそうです。

それと硬いシャフトの場合は安定した飛距離を再現できますが、軟らかいシャフトのような当たったら飛ぶという飛距離には及びません。

これは好みですね。

ここまでシャフトの硬さXを軽く、短く使用した場合のメリットとデメリットを見てきました。

最後に、軟らかいシャフトのメリットとデメリットを見てみましょう。

軟らかいシャフトのメリットとデメリット

シャフトが軟らかいと、ヘッドスピードが出ていなくてもシャフトのしなりで楽に飛距離が出ます。

上手く当たれば非力な人でも、体力のある人と変わらないくらいの飛距離を出すことが可能です。

自分のパワーで打ち抜くというよりも、ドライバーが仕事をしてくれるのです。

人によりますが、スイングのタメが取りやすく、飛距離に直結します。

再現性は下がる傾向がありますが、当たった時の一発は凄いです。

しかしながら、これは練習により再現性を上げることができます。

対してデメリットは、ヘッドスピードの速い人が振ると、ヘッドが暴れやすいということ。

そして方向性が不安定。

こうしてシャフトの硬さXと比べてみると、ドライバーに求めるものにより、好みで分かれる結果になりそうです。

また、タイプにもよるようです。

技術の進歩により硬さXのシャフトも使える時代が来た

今回検証してみた結果、今までは自分とは無関係と思われていたシャフトの硬さXも、試してみたいと思われた方もいるのではないでしょうか。

実際Xまでいくと、まるで別次元のように感じていましたが、実はウェッジなどではおなじみの硬さだったのです。

全てのゴルファーに適合するとはいえませんが、該当するようでしたら、一度検討してみてはいかがでしょうか。

飛距離よりも方向性を重視されるゴルファーにはおすすめのシャフトです。