ウェッジにバンスが必要な理由とその選び方のポイント

ウェッジのソールにはバンスと呼ばれる膨らみがあるのをご存知ですか。

硬い床にソールをつけると、バンスの膨らみでリーディングエッジが浮くのが分かるはずです。

そんなバンスの大きなウェッジが好まれている理由と、バンス角の小さなものとの対比、また選び方について紹介します。

ウェッジのソールの膨らみ「バンス」の選び方でスコアアップ

9番よりも小さなショートアイアンをウェッジと呼び、ピッチング、アプローチ、サンドの3種類を持っているゴルファーも多いことでしょう。

特にアプローチ用のウェッジの場合は、ロフト角で呼ぶことが増えてきているので、56度や58度、またロブ用の60度を選び方の基準にしている人もいるかもしれません。

一般的なアイアンの作りは、番手を表す数字が小さいほどロフト角も小さく、フェース面が立っています。

逆に番手の数字が大きいとロフト角は寝ていて、しかもソール幅は広くなっています。

ソールが広くなるほどダフリを防げますし、ソールが芝面を滑るためにフェースを合わせやすいというメリットがあります。

広くなったソール幅は平らな場合もありますが、少し盛り上がったような膨らみを作っているのが一般的です。

この膨らみをバンスと呼びますが、グリーン周りからのアプローチでは、ウェッジのバンスを上手く使いこなせるかがスコアメイクの決め手になることがあります。

バンスの膨らみによる違いがウェッジの選び方の違いになる

ウェッジのバンスの選び方は、自分の技量を考慮すると良いと思います。

フェアウェイやエプロンからのアプローチの機会が圧倒的に多ければ、ソールの膨らみが少ないタイプを選ぶのが基本です。

短い芝の上のボール場合は、ダウンスイングで地面に対して強く打ち付けることはないはずです。

芝を削ることもなく、クリーンなアプローチショットでピンそばを狙うことができるからです。

一方でショットが安定せずに、グリーン周りのラフやバンカーからのリカバリーショットが多ければ、芝の草丈でヘッドが絡まることがないよう振り抜く必要があります。

振り幅に関係なく力強いヘッドの動きが、グリーンオンを狙うために必要なことです。

もしもコースのセンターを進むプレースタイルであればバンスの少ないタイプを選び、ラフからのアプローチが多い場合にはバンスの大きなタイプを選ぶようにしましょう。

バンスが大きいことでラフからのアプローチが簡単になる理由は、インパクトのメカニズムによるものです。

バンスによるウェッジの選び方は想定するライで決まる

バンスが大きいウェッジを使うと、インパクトで「アジャスト」する必要がなくなります。

分かりやすい例としては、サンドウェッジを使うバンカーショットです。

バンカーの中の砂の上にあるボールは、砂の中に沈んでいなくても、ボールの重みによって接地面は少なからず砂の中にあるものです。

その砂の中にフェースの刃を潜り込ませるためには、確かなスイング軌道が必要になります。

少しでも厚め(手前)に入るとダフリますし、そのままリーディングエッジは砂の中に刺さるかもしれません。

ところがサンドウェッジにはバンスがあるので、柔らかい砂面でも跳ね返して潜らないようにしてくれます。

この特性を活かして、ボールの手前でソールを打ちつけると、砂と一緒にボールを打ち出してくれるのです。

この打ち方をエクスプロージョンショットといいますが、厳密にフェース面を合わせることなくピンを狙ったショットが打てるようになる理由です。

この打ち方はラフでも使えますので、ラフからのアプローチの機会が多いのであれば、ウェッジの選び方としてバンスは重要になってきます。

バンスのないウェッジを選ばなければならない理由

ウェッジの選び方でバンスに注目をする場合、どんな球筋を望むかも重要になってきます。

ショートアプローチの距離で、スピンを効かせて高く打ち上げるロブショットを打ちたい場合は、バンスの少ないウェッジがおすすめです。

フェースの斜度を表すロフト角が60度であれば、そのまま素直にスイングしてもロブショットは打てます。

ロブショット専用のウェッジですから難しい操作は必要なく、ほぼ上を向いているフェースでボールをとらえることができれば、バックスピンがかかった高い球筋になるからです。

しかしドライバーとパターを抜いた12本のクラブ制限の中で、ピッチング、アプローチ、サンドウェッジの3本のほかに、別のクラブをやめてロブウェッジを加える選び方は非効率とも考えられます。

そこで56度や58度のウェッジのフェースを開くことで、60度相当のロフト角にすればロブウェッジに代用できます。

ただしフェースを開いて使う場合は、ソールの膨らみがさらに増えて邪魔になるので、バンスのないものを選ばざるを得ません。

大小バンス角の目安を知ってウェッジの選び方の参考にする

ウェッジのバンスの選び方で気になるのは、どの角度が大きくて、どのくらいなら小さいかということです。

バンスが大きければラフからのアプローチが容易になりますし、バンスが小さければフェースを開いてロブショットを打つことができます。

ここでいう大きなバンス角とは14度くらいで、逆に小さいバンス角は6度以下のことです。

このほかにプロショップの工房では好みのバンス角に削ってくれますが、余程しっかりとした自己データがないと、失敗して違和感のあるウェッジになってしまうことが多いので、市販の中から選んだ方が良いでしょう。

また選んだあとに感覚をつかむための練習をすると思いますが、練習場のマットではハイバンスやローバンスの感覚を味わうことはできません。

芝の上からショットしないと、インパクトの感覚や打ち出す角度、球筋などを知ることはできないはずです。

一応バンスを選ぶときの目安としては、バンス角が14度でサンドウェッジに相当し、バンス角が6度以下でグリーン周りのカラーからのアプローチウェッジに相当します。

ウェッジのバンス角は両極端な選び方ではないほうが良い?

ウェッジの選び方のポイントとしてバンスに注目したのであれば、バンスに合った打ち方も学習したほうが、より効果が発揮できるはずです。

まずバンスの大きなウェッジの場合、ボールポジションを右側にしてハンドファーストで構えると、ダフリ気味でもソールが滑ってボールをとらえやすいです。

一方でバンスの小さなウェッジの場合、スクエアポジションでグリップを構えて、若干オープンスタンスでボールポジションを左側にします。

これでフェースを開くとスピンのかかった高い球筋になりますが、ザックリには十分注意が必要です。

実際にバンスを選ぶときは、両極端な選び方ではなく、6度から14度の中間辺りにすれば、ミスショットの少ないアプローチができるようになるはずです。

特にバンスの大きなアプローチウェッジは、バンカー用のサンドで代用できるので、もしバンスにこだわりを持つのであればバンスの小さなタイプを選んだほうが良いかもしれません。

自分に必要なバンス角を知ることがウェッジの選び方の基本

ウェッジのバンスの意味を知ると、選び方は変わってくるかもしれません。

リーディングエッジが浮いていないバンス角の小さなウェッジは、サクッと打てそうですがミスショットが付きものです。

一方でバンス角の大きなウェッジは、ラフからのアプローチが容易なりますが応用が利きません。

自分にとって丁度良いバンスを探し当てられると、アプローチ巧者になれる日も近いでしょう。