皆さんはどれくらいグリップを意識していますか?
グリップは身体とクラブを繋ぐ唯一の接点となる場所です。
そこが甘くなりすぎたり、力の入れ方を間違えるとショットが安定しません。
ショットが安定しないとスコアも安定しないので、正しいグリップと力の入れ方を覚えてゴルフのレベルを高めましょう!
良くある間違ったグリップではゴルフは上達しない
実はグリップに正解はありません。
プロゴルファーの中でも、指と指を隙間なくしっかり握る人もいれば、触っているだけというくらい軽くグリップする人もいます。
またストレートボールを打つ時とフェードボール、ドローボールを打つ時などによってグリップを変える人もいます。
そこで初心者の方や、始めたばかりの人はまずはストレートボールの出やすい基本を覚えましょう。
グリップとは「握り方」のことです。
グリップの方法は、スイング軌道や身体の使い方などを身につけるのと違って、覚えてしまえば簡単です。
意識してクセづけてしまえばすぐに改善できますので、間違ったクセがつかないうちに正しい方法を身につけるべきです。
まずはどのような間違いが多いかを紹介します。
初心者の人に良く見られるグリップの間違いは2つあります。
1.握り方
2.力の入れ方
それぞれ解説していきます。
間違ったグリップ①握り方
握り方で気をつけなければならないことは「グリップが甘くなる」ということです。
グリップが甘くなると、脇が空いてドアスイング(アウトサイドイン)になってしまう傾向にあります。
そうなると初心者ゴルファーに良くあるスライスボールの原因になります。
また、間違ったグリップのままスイング軌道やフェースの向きを操作してスライスを修正しようとしても安定しません。
たまたま真っすぐ飛ぶことはあるかもしれませんが、間違えたグリップで同じスイング軌道と同じフェースの操作を毎回再現するのは至難の業です。
グリップが甘くなるとは具体的にどういうことかというと、アドレスに入って上からグリップを見た時に、右手の指(親指以外)が見える状態がグリップが甘い状態です。
つまり上から見ると右手が横向きになっているということですね。
この状態で脇を締めようとすると、右手首が曲がってしまうので不自然な構えになってしまいます。
右手は左手の親指に被せるように握って、上から見ると少し右手の甲が見えるくらいに握るのが正しい握り方です。
正しい握り方ができないと力の入れ方にも影響があります。
間違ったグリップ②力の入れ方
アドレスの時に意識して力を抜いているつもりでも、グリップの握りが間違っていると無意識に力が入ってしまう事になります。
グリップが間違っているとドアスイングになりスライスボールになることは説明しました。
そのスライスボールを矯正するために、フェースの向きを操作しようとしたときにどうしても力が入ってしまいます。
そうするとスイングも安定せずに、肝心のインパクトの時に力を発揮できずボールに力が伝わりません。
スイングスピードを上げるためには手首を柔らかく使うことが重要になりますが、フェースの向きを操作するために手首を使ってしまうと手首が柔らかく使えなくなってしまいます。
そうすると飛距離が伸びないという結果に繋がるのです。
このようにグリップが間違っていると、次々と悪循環が起こってしまいます。
まずは、正しく握ること。
そして力の入れ方は2割くらいの力で握れば十分です。
また、力を入れるポイントはインパクトの瞬間です。
スイングスピードを上げようとしてダウンスイングから力を入れてスイングする人がいますが、ダウンスイングの時に力を入れる必要は全くありません。
下半身主導でスイングすれば、手は力を入れなくても自然と下半身についてきます。
腕の力で振ろうとすると必ず手に力が入ってしまいますので、下半身主導で身体の回転によってスイングするということをしっかりと意識しましょう。
では次に正しいグリップの手順を解説します。
グリップを変えると最初は不自然な感覚になると思いますが、正しいグリップを覚えることがゴルフのスコアアップのためには重要です。
ゴルフ上達のための正しいグリップの手順と力の入れ方
正しいグリップの手順を説明します。
1.左手でクラブを握るときは小指から順番に握る。
2.左手で握った時に、クラブのシャフトと左手の親指が一直線になるように握る。
3.右手の小指を左手の人差し指に添えて、左手の親指に右手を被せるように握る。
4.右手で握った時に、右手の親指と人差し指の間にできる線が、クラブのシャフトと一直線になるように握る。
5.この状態で、実際にクラブを支えているのは左手の小指・薬指・中指、右手の薬指・中指の5本だけです。
力の入れ方は、この5本の指に軽く力を入れて握るだけで十分です。
それ以外の指は力を入れる必要はありません。
力が入ってしまう事がクセになっている人は、クラブが抜けるか抜けないかくらい軽く握っても大丈夫です。
極端にすることによって加減が掴みやすくなりますので、練習で試してみてください。
正しいグリップのポイントは、「左手の親指」、「右手の親指と人差し指の間にできる線」、「シャフト」の3つが上から見た時に一直線になるように握ることです。
このポイントさえ覚えておけば、打ちっぱなしでもゴルフ場でも、毎回自分でチェックできます。
力の入れ方のコツ
正確にいうと力の入れどころはインパクトの瞬間だけです。
クラブでボールを捉えた時の衝撃に負けないようにグリップをギュッと握る感覚です。
ただ、インパクトの瞬間だけ最大の力を発揮するということはなかなか難しいです。
どうしても「インパクトで力を入れるんだ」と意識すると、ほとんどの場合はダウンスイングから力が入ってしまうものです。
これを防ぐコツはもうインパクトに力を入れようとすることをやめることです。
打ちっぱなしではインパクトでの力の入れ方を練習しても良いと思いますが、ゴルフ場では常に5割くらいの力でスイングすることを心がけてみてください。
下半身や身体の回転をしっかり使えれば5割の力でも飛距離はそんなに変わりません。
それよりもダウンスイングから力が入ってしまうと、ドアスイングになったり左肩が開いてスライスボールの原因となるでしょう。
ゴルフはスコアを競う競技ですから、どんなに飛距離が出てもまっすぐ飛ばないと良いスコアは期待できません。
力を使わず、いかにして下半身と回転の力で遠心力を生み出して飛距離を出すかという練習をした方が、結果的にスコアも良くなるのです。
ゴルフ上達につながるグリップの種類
やるかやらないかは別として、豆知識としてグリップの握り方の種類を解説します。
グリップの握り方には左右それぞれ3種類あります。
左手のグリップの種類
1.スクエアグリップ
2.ストロンググリップ
3.ウィークグリップ
右手のグリップの種類
1.オーバーラッピンググリップ
2.インターロッキンググリップ
3.テンフィンガーグリップ
ここまでで説明してきたグリップは、スクエアグリップとオーバーラッピンググリップです。
ストレートボールをマスターするまではこのグリップで練習しましょう。
ストロンググリップは左手で握るときに親指をグリップの右側に寄せます。
つまり深く握るということです。
この握りをすることによってフェードボールが打ちやすくなります。
逆にウィークグリップは浅く握ってドローボールが打ちやすくなるということです。
インターロッキンググリップは左手の人差し指と、右手の小指を絡ませて手が離れないようにロックする握り方です。
完全復活したように感じるタイガーウッズがこの握りですが、両手の一体感が出ることや右手主導でスイングしやすいなどのメリットがあります。
ただ、右手が強くなりすぎてしまう傾向もあります。
右手が強なりすぎると、手首の返しが早くなりすぎてしまうため、今まで左手主導でスイングしていた人はインパクトをスクエアで捉えることが難しくなってしまう可能性が高まるといえます。
そしてテンフィンガーグリップは、野球のバットを握るように両手の指10本を使って握る方法です。
このテンフィンガーグリップの利点はクラブの操作がしやすいということです。
特に近年、昔と比べてドライバーのフェースが大きくなってきています。
大きくなるにつれてインパクトの瞬間のフェースローテーションが遅れてしまうという傾向が高まります。
しかしテンフィンガーグリップにすることによって、フェースローテーションが遅れてしまうのを防ぐことができるのです。
ただ、操作しやすくなりすぎて逆に余計な操作をしてしまいがちです。
恐らく初心者ゴルファーは、インターロッキングやテンフィンガーの方がスイングしやすいことでしょう。
ただスイングしやすいが故に、力が入りすぎる原因にもなってしまうのです。
まずは力の入れ方を覚えやすい基本のオーバーラッピンググリップでスイングすることをオススメします。
都度グリップを変えると変なクセがつく恐れがありますので、あくまで豆知識として少し打ちっぱなしで試す程度にしてください。
ゴルフに力は必要ない!
ゴルフで100切るくらいであれば力はほぼ必要ありません。
70歳オーバーの年配シングルプレーヤーがいることを考えると、20代30代の男性でこれからゴルフを覚えていこうというような人は、力の入れ方よりも力の抜き方を考えた方が良いかもしれませんね。
そして正しいグリップは必須です。
グリップによってスイングや飛距離、正確性が変わりますので、必ずアドレスの時にグリップのポイントを確認しましょう。