ゴルフクラブは、ウッド・アイアン・ユーティリティ・ウェッジとあります。
その中でもユーティリティは比較的新しいクラブと言っても良いでしょう。
近年はプロもアマチュアも多くの人がユーティリティを使っています。
多くの人にやさしくて便利なクラブと認識されていますが、果たして全てのゴルファーにとって必要なクラブなのでしょうか。
比較的新しいゴルフクラブ『ユーティリティ』とは
ゴルフクラブの中でも比較的新しいユーティリティとは、今から約30年ほど前にロングアイアンに代わるクラブとして登場しました。
ユーティリティが登場する前は、フェアウェイウッドよりも短い距離を打つ場合は、ロングアイアンを使うほかありませんでした。
そのロングアイアンはロフトが立っており、ヘッドも小さいので使いこなすのが難しいクラブとされています。
そんなロングアイアンを使う場面で、もっと優しく打てるクラブをと言うことで開発されたのがユーティリティです。
ユーティリティとは、フェアウェイウッドとアイアンの間の飛距離の差を埋めるためのクラブです。
最近のクラブセットではアイアンが5番からとなっており、ユーティリティがセットとして入っているケースもあります。
ユーティリティは別名ハイブリッドやレスキューとも呼ばれており、役に立つお助けクラブのように扱われています。
ユーティリティと呼ぶのは日本だけで、海外では主にハイブリッドと呼ばれています。
そんな優しく便利なクラブですので全てのゴルファーにとって必要と思うかもしれませんが、実は一概にはそう言えないのです。
ユーティリティを必要とするゴルファーとは
ユーティリティを必要とするゴルファーとはどのような人でしょうか。
まずは芯をなかなか上手く捉えられないことが多い人です。
ユーティリティは芯を外してしまってもそれなりの弾道の高さと飛距離を出すことができます。
対してアイアンであれば、芯を外してしまうと飛距離も方向性もダメになってしまいます。
またフェアウェイウッドであれば芯を外してしまうと球が弱くなってしまい、最悪チョロになってしまいます。
それからある程度アイアンを振れるようになると、ダウンブロー傾向になってくるのでフェアウェイウッドが打ちづらくなってくることがあります。
しかしユーティリティはアイアンのようにダウンブローに打つことで力強い球が出るので、フェアウェイウッドを苦手としている人にオススメです。
またフェアウェイウッドは操作性が低いので、あまり飛距離を必要とせず、グリーンを狙うのにフェアウェイウッドを使っている人は、操作性の高いユーティリティが必要でしょう。
もちろんロングアイアンを苦手としている人はユーティリティは必須となります。
ロングアイアンで球が高く上がらなかったりミスが多い人は、ユーティリティを使うことで距離が長いコースでもガンガン攻められるようになります。
ユーティリティを必要としないゴルファーとは
もちろん優しく便利なユーティリティを必要としないゴルファーもいます。
キャディバッグにはゴルフクラブを14本しか入れられません。
そのため自分がラウンドに何が必要かをしっかりと決めてゴルフクラブを選ばなければならないのです。
まずゴルフ初心者でクラブさえ握ったことがないような人にとってユーティリティの必要性は皆無です。
ウェッジやショートアイアンでしっかりとクラブを振れるようになってから考えましょう。
少しでも飛距離を出したかったり、弾道の高いショットをしたいと言う人はフェアウェイウッドを使うべきです。
しっかりと当たればフェアウェイウッドは弾道が高く、ランが出るのでキャリー以上の距離が出せるからです。
ロングホールのセカンドショットでなるべく距離を稼ぐときに使うのであればユーティリティよりも断然フェアウェイウッドの方が使えます。
またロングアイアンよりも操作性の高いクラブを使いたいからと、ユーティリティを選択するのは間違いです。
操作性の高さでアイアンを超えるクラブはありません。
操作性を高めたいのであればユーティリティを選ぶのではなく、ロングアイアンの練習をがんばるようにしましょう。
シチュエーションによってはユーティリティは必要ない
ユーティリティーはお助けクラブとして入れていますが、そうであっても必要としないシチュエーションもあります。
優しくて便利だからとどんな状況でも活躍してくれるわけではありません。
ユーティリティをフェアウェイウッドの代わりに使う際に、ゴルフコースに障害物が多かったり、高低差が激しくボールを高く上げなければならない時は迷わずフェアウェイウッドを選んでください。
ユーティリティはそれなりに高さのあるボールを打つことはできますが、フェアウェイウッドほど高くボールは上がらないからです。
また芝の短いラフや芝の上に浮いている状態の場合も、フェアウェイウッドの方が適しています。
フェアウェイウッドはヘッドが大きな分芝の上を滑らせて打つ形になるので、ダウンブローで打つユーティリティーよりも安心して打つことができます。
またドッグレッグや障害物を避けるためにフックやスライスを掛けたい場合は、ロングアイアンを使った方が良いです。
操作性の高さは絶対にアイアンには敵いません。
これらのようにユーティリティだと逆に打ちづらかったり、良い結果に繋がらない場合もあるのです。
他のゴルフクラブとユーティリティを置き換えるには
ユーティリティが必要だと感じた時に、どのゴルフクラブと置き換えれば良いのか理解しておかなければなりません。
その目安となる飛距離をここ紹介します。
ユーティリティはロフト角が少ないほど飛距離が出ます。
そのロフト角はメーカー設定でだいぶ違いますが、14~29度までラインナップされています。
ロフト角14~16度は3番ウッドの飛距離に相当します。
17~19度は5番ウッド、もしくは2番アイアンの飛距離に相当します。
20~22度は7番ウッド、もしくは3番アイアンの飛距離に相当します。
23~25度は9番ウッド、もしくは4番アイアンの飛距離に相当します。
26~29度は5番アイアンの飛距離に相当します。
ここで置き換えに悩むのがショートウッドの場合です。
置き換えられるので当然飛距離は同じくらいになるのですが、弾道等が変わるので使い道が全く異なってきます。
自分が持っているゴルフクラブの飛距離等を確かめて、ウッドとアイアンの中間にユーティリティが入るようにセッティングするのが理想となります。
その飛距離にショートウッドが必要か、ユーティリティが必要か、またアイアンが必要なのかをしっかりと考えるようにしてください。
ユーティリティは女性ゴルファーの強い味方
ユーティリティの使用率が高いのは女性ゴルファーです。
それはプロゴルファーにおいても同じことが言えます。
ユーティリティを積極的に使っている男子プロで有名なのは片山晋呉プロくらいでしょう。
女性ゴルファーの場合、セカンドショットで飛距離が残ることが多いです。
積極的にグリーンを攻めるのにフェアウェイウッドではグリーンオーバーしてしまったり、アイアンでは飛距離が足りないなんてことも良くあります。
そうなるとドライバーでナイスショットが出てもボギーオンしかできなくなってしまいます。
そんなときに必要であり活躍してくれるのが、ユーティリティです。
多くの女性ゴルファーのクラブセッティングはハーフセットになっています。
ドライバー、7~9番アイアン、ウェッジといった組み合わせです。
そこをしっかりと補ってくれるのがユーティリティになるのです。
もちろんより飛距離を出すために5番や3番ウッドも入れますが、グリーンを狙うにはアイアンとフェアウェイウッドの距離を埋めてくれるユーティリティが重要だといえるでしょう。
ユーティリティというクラブの意味を理解して選ぼう
ユーティリティは飛ばすクラブではありません。
目標にしっかりとボールを運ぶためのクラブです。
したがってユーティリティを選ぶ際は、持っているクラブの飛距離をきちんと把握しておかなければなりません。
今回お話したユーティリティを使いこなせれば、コースマネジメントを立てられてベスト更新間違いなしでしょう。