ゴルフスイングではトップの手の位置が重要と言われています。
しかしプロゴルファーのスイングを見ているとトップの手の位置は様々です。
果たしてトップの手の位置に正解はあるのでしょうか。
ここからは正しいトップというのはどういうものなのか、ゴルフスイングにおけるトップについて詳しく説明します。
ゴルフスイングでのトップとは
ゴルフスイングの一部分で「トップ」と言われていますが、正確な名称は「トップオブスイング」と言います。
そのトップとはアドレスをしてバックスイングからダウンスイングへの切り返しをする重要なポイントとなります。
トップの位置はその後のスイング軌道に大きな影響を与えることから、ゴルフスイングにおいて重要と言われているのです。
そんなトップの手の位置が浅めであると、スイング軌道はアウトサイドインになりスライスショットが出ます。
逆にトップの手の位置が深すぎると正しいスイング軌道でダウンスイングすることが困難になり、様々なミスショットを誘発します。
またトップの位置が深すぎるとオーバースイングとなりブレやすくなるので、再現性の高いスイングができません。
トップとはバックスイングでのパワーを貯め込み、ダウンスイングを整える位置になるので、浅すぎず、そして深すぎない手の位置が理想とされています。
しかしその理想とされる手の位置が人によって変わることが、トップにおいて最も難しい点となるのです。
トップの手の位置はゴルファーによって変わる
では理想とされる浅すぎず、そして深すぎないトップでの手の位置とはどこになるのでしょうか。
それはゴルファーによって全く違います。
そう答えてしまうとトップでの手の位置を説明するのが大変難しくなるのですが、実際そうなのですから仕方ありません。
プロゴルファーで例えるなら、オーバースイング気味の横峯さくらとコンパクトスイングのイ・ボミのトップの手の位置は全く異なるようなものです。
それでも二人とも飛距離も方向性も良いショットを打つことができます。
もちろんベースとなる手の位置はあるのかもしれませんが、その人の体格や柔軟性によって基本に当てはまるかと言うとそれは不可能です。
スポーツ経験がほとんどなく、ちょっと運動を始めようとゴルフを始めた人と、幼いころから動くことが大好きでいろいろなスポーツを経験してきた人とでは、身体能力自体が全く異なります。
その両者が同じトップの手の位置で同じようなゴルフスイングができると思いますか?
ですから理想とするトップの手の位置は、自分が一番打ちやすく良い球が打てる位置となるのです。
ゴルフスイングの基本となるトップの手の位置は
人それぞれ異なると言っても、ゴルフスイングと基本となるトップの手の位置と言うのはあります。
それを知った上で自分自身に合う位置に調整しながら見つけるようにしましょう。
一般的には肩を90度回し、肩の高さぐらいにグリップがくる手の位置が正しいトップとされています。
まず通常通りのアドレスで構えます。
そして両手を体の前で伸ばし、グリップを握る形を作ってください。
そのままの体勢で体を90度回転させます。
そこから通常のゴルフスイングのように膝を軽く曲げ、前傾姿勢を取ります。
この動きで完成した姿勢が基本とされるトップの手の位置です。
この姿勢をきつく感じるようなら、あなたにとって深すぎるトップの手の位置だといえます。
その場合はきつく感じない位置まで手の位置を戻し浅めにしてみましょう。
ここから更に深く持っていける人もいるかもしれませんが、それ以上になるとオーバースイングになる可能性があるので、この位置をまずは基本として実際にショットしてみてください。
それで上手くタイミング等がいかないようなら少しずつ調整すると良いでしょう。
実は手の位置よりも重要なのは手首の角度
先に話したようにトップでの手の位置はゴルファーによって変わります。
それは全く問題ありませんが、トップでの手首の角度は決まった角度に収まらなければなりません。
実はトップでは手の位置よりも手首の角度の方がゴルフスイングへの影響は大きいのです。
バックスイングで腰あたりまで来たらコックを入れる人が多いのですが、その際の手首の角度がカギとなります。
コックで作った手首の角度を変えずにトップまで持ってこなければならないのです。
しかしトップで手首が甲側や手のひら側に折れ曲がってしまうと、スイング軌道が乱れてしまいます。
手首はコックでもトップでも親指側に動くのみで、それ以外に動くのはNGです。
正しい手首の角度が保たれていれば、トップを後方から見た際に左腕とクラブが一直線になっているでしょう。
自宅の鏡でトップでの正しい手首の角度になっているか、もしくは正しい手首の角度になるようにチェックしてみてください。
正しい手首の角度になっていれば、トップの手の位置が浅かろうが深かろうが左腕とクラブが一直線になっているはずです。
トップの位置がブレるのは致命傷
ゴルフスイングにおいてトップの位置が毎回変わってしまうのは致命傷となります。
トップの位置が毎回ブレていては、同じゴルフスイングをすることは不可能です。
手の位置は人それぞれで構いませんが、それぞれでも固定していないとスイングは乱れてしまいます。
プロゴルファーがショットの前に行う素振りに注目してみてください。
必ずトップの位置を目視で確認しながら素振りをしているはずです。
目視でトップの位置、そして手首の角度を入念にチェックしてからショットに挑んでいます。
それだけ安定したトップの位置と言うのは安定したスイング軌道への影響が大きいのです。
横峯さくらがヘッドが見えるくらいのオーバースイングでも安定したショットが打てるのは、オーバースイングでもそのオーバーしたトップの位置が安定しているからといえます。
スイング動画や鏡を使って自分にとっての正しいトップの位置を把握し、再現性の高いゴルフスイングを目指すようにしてください。
そしてミスショットが増えてきたなと感じたらトップの位置を確認してみましょう。
トップの手の位置を安定させる練習ドリル
トップの手の位置を安定させることが大事だとは分かっていても、ロボットゴルファーではないので何十球も何百球も打っていたらブレが生じる可能性があります。
そこでトップの手の位置を固める練習ドリルを紹介します。
まずは良く使うアイアンを持ち、いつものようにアドレスを取ってください。
そして右肩の上にそのクラブを担ぎ上げるようにします。
この際に肘を曲げるのはOKですが、肘が空かないように気を付けましょう。
その際、両肘の距離を変えないように注意してください。
そしてその状態から上体を90度回転させます。
腕はそのままで動かさず、また前傾姿勢が崩れないように意識します。
そこから左腕をグッと伸ばしたらトップの完成です。
左腕を伸ばせるその位置があなたができるトップの精一杯の手の位置となります。
この練習ドリルを繰り返し行うことで自分のトップでの限界を知ることができるはずです。
また上体を捻ってトップを作るので、腕ではなく体を使ったバックスイングからトップと言う流れを身につけることができます。
トップにブレを感じたらこの練習ドリルでトップに位置を再確認するようにしてください。
正しいトップの手の位置を示していることはない
アドレスやインパクトに関して明確に正しい手の位置等を示しているレッスン書はたくさんあります。
しかしトップに関して明記しているものはほとんどありません。
それだけ正しいと言える位置はないともいえます。
近年の若手ゴルファーは、教科書通りのスイングをする子が増えていると言われています。
それでも全く同じスイングをすることはありません。
ゴルフスイングこそ千差万別ですから、自分にピッタリの動きを見つけ出さなければならないのです。