ゴルフクラブを構えてトップの位置まで引き上げると、右足の上に重心を置くことになります。
そしてダウンスイングでは一旦中心に戻ってインパクトをして、左足の上でフィニッシュを迎えます。
この一連の流れについて、各部の体重配分と重心の位置について紹介します。
ゴルフクラブを構えたときは右足と左足の真ん中に重心がある
ゴルフクラブを構えた状態で、スタンスにかかる比重は左足と右足ともに5割です。
前傾姿勢で肩から下げた腕を左右に振ってみると、正しいグリップの位置が分かります。
その状態で両手を合わせると、両足にかかる比重が偏ることはないはずです。
つまり両足が均等な状態で、重心を中央に置くアドレスをするのが正しいスタンスのとり方なのです。
一方で意識的に重心を移動させる構え方があります。
両足への加重を均等にしていると、テークバックでゴルフクラブと腕が右側に移動するため、右足に体重がかかります。
このままだと軸が右側に傾いて、上半身が右の壁を超えてしまいます。
そこでアドレスの時点で左足に体重の7割を乗せて、体重移動をしないスイング法があります。
左足の上に重心を置くと、軸の移動がないため円のスイングができます。
ただし、スイングはアップライトになるため、インパクトでバックスピンがかかり、打ち出したボールが吹け上がることがあります。
ゴルフのトップで重心は右足の上に乗っているのは間違い?
ゴルフクラブを引き上げたトップの位置では、右足の上に重心が移動しています。
アドレスでの体重配分が均等だったのに、トップでは右足に7割の加重があるのです。
これはアドレスで正面を向いていたのに、テークバックによって右サイドが正面になって、その前方に両腕とゴルフクラブがあるからです。
上半身の重さの大半が右足の外側にあるのですから、右足の上に重心があって当然のことです。
ただゴルフにおける重心とは、質量(体重)のことではありません。
作用点となる回転軸を重心と呼ぶので、この場合は回転軸の中心は背骨と言うことになります。
ただ骨盤の中央から立ち上がる背骨が、右足の上に乗るわけはありません。
実際には腰を回転させて、右足のインサイドに重心の位置を移動しただけです。
ここで大事なことは、回転軸を重視するのであれば、肩の回転よりも腰の回転の方が重要だということです。
ゴルフスイングによって重心は右足から左足に移動する
トップの位置で右足の上に重心が乗ったとして、インパクトに向けたゴルフスイングでは一気に左足へと移動します。
机上の論理では、インパクトの両足の加重は均等です。
ゴルフは再現性のスポーツですから、インパクトでアドレスの形に戻すのが道理と言うことになります。
フェースを合わせてセットしたアドレスと、インパクトのフェースが一致していなければ、正しいインパクトはできません。
つまり「アドレス=インパクト」は、机上の空論と言うわけではありません。
ただ、ダウンスイングには勢いがあるので、アドレスで構えたグリップポイントを超えて、左腿の内側辺りに達したころに、フェースはボールをとらえています。
これは右足の上にあった重心が左足に移動するスピードに比べて、ヘッドの移動スピードが遅いからです。
正しく言うならグリップが先行し、ヘッドが遅れて入ってくるわけです。
そこでインパクトの状態を想定して、アドレスではハンドファーストで構えることになります。
ゴルフのフォロースルーで右足にかかる重心は4割?
インパクトでは均等だった体重配分は、インパクトからフォロースルーにかけて、右足が3割で左足には7割の加重がかかるようになります。
インパクトでの理想の体重配分は均等ですが、実際のダウンスイングでは左足体重に移動していて6割が左足の上にあり、7割あった右足は4割に軽減されています。
ただ回転軸である重心は、スタンスの中央にあるようにします。
ダウンスイングで重心を中央に止めるためには、身体を回転させることです。
インパクトで身体の正面となる両胸は正面を向いていますが、フォロースルーではターゲット側へと回転していきます。
そしてインパクト後に右足のかかとを上げて、つま先を基点に回転させると、身体はターゲットの方を向きます。
つまりこれ以上、重心を前(左側)に動かすためには、ゴルフスイングをフィニッシュへと進めるしかないのです。
ちなみに右足のつま先を方向転換したとき、左腿の内側に体重かかかり、それが左の壁になっています。
ゴルフスイングが完了すれば重心は右足から左足に移動する
ゴルフクラブを構えたときの重心はスタンスの中央にありましたが、トップの位置では右足の上に移動し、インパクトでアドレスの位置に戻り、フィニッシュでは左足の上に重心を置きます。
フィニッシュでの体重割合は、左足が9割で右足は1割程度です。
場合によっては、左足の上に全体重が乗っていることもあります。
このとき、両目・両肩・両腰がターゲットの方を向き、左の壁をわずかに超えて、右足の上に重心が乗っています。
ただしこれはインサイドインのスイングであって、インサイドアウトのスイングでは、フォロースルーの時点でグリップが身体から離れていきます。
極端な場合には右足が前に出て、両足の中心に重心を置くことがあります。
またアウトサイドインのスイングでは、左肘が外側に逃げて左体重になるため、バランスをとって右足にも体重をかけることになります。
重心は個々によって違いますが、左足に6割あって、右足には4割程度と言うところだと思います。
右足に重心を残すゴルフスイングもある
高度なゴルフスイングですが、テークバックで右足に重心を移動させて、右足の上に置いたままでダウンスイングをします。
そしてインパクトでも右足の上に重心を置きます。
こうして文字で見ると不思議なスイングに思えますが、多くのプロゴルファーが実践しているビハインド・ザ・ボールという打ち方です。
ボールの位置より頭が後ろ(右側)にあることから、この名称がついていますが、特徴はインパクトでの体重配分です。
左足にかかる体重は1割に満たなく、右足の体重は9割以上と思って良いでしょう。
インパクトの瞬間は、左足のかかとが浮くほどで、すべての体重が右足にかかるようにします。
しかも軸を中心としたスイングでは厳禁とされる、軸を斜めにしてインパクトを迎えます。
何から何まで真逆のスイングですが、女子プロの多くはこのスイングにしていますし、男子プロもトップ選手の多くがビハインド・ザ・ボールでスイングしています。
圧倒的な飛距離を手に入れられる難易度の高いスイング法ですが、この特殊なスイングはすべての場面で使えるわけではありません。
ゴルフスイングで重心は中心から右足にそして左足に移動する
アドレスでは両足の中心に重心を置きますが、テークバックでは右足に重心が移り、ダウンスイングではアドレスの位置に戻り、フィニッシュで左足へと移動します。
この一連の動きが理解できれば、正しいインパクトができるようになるはずです。