ゴルフスイングのフォームが窮屈だったり、スムーズにクラブを振れないときは、トップの位置からグリップを自然落下させる方法があります。
グリップを落とすだけでミスショットの要因となるものが消える、そのコツを紹介します。
ゴルフのグリップをトップから自然落下する意味とコツ
ゴルフクラブをトップまで引き上げると、そこからインパクトに向けてダウンスイングを開始します。
テークバックからダウンスイングに移行することを、ゴルフ用語では『切り返し』と呼んでいます。
この切り返しの仕方については、作法のように色々な型があり、それぞれが正しいものです。
ただし、どの型が自分に合っているのかは実際に試してみないと分かりません。
普通なら色々な型を試してみたらとオススメするところですが、ゴルフスイングは善し悪しにかかわらず、身体に染みこんでしまうと、抜くのには一苦労では済まないことがあります。
そこでコックを作っていることを前提にして、簡単なダウンスイングの仕方を紹介します。
テークバックで徐々にコックを作っていき、トップの位置でコックを固めます。
その状態でグリップを自然落下させれば、一気に腰のあたりまでダウンスイングができてスムーズにインパクトまで進めることができるはずです。
そしてグリップを自然落下させるコツは、支える右手の力を抜くだけです。
自然落下させるコツを知る前にゴルフでのコックの役割を知る
固めたコックを自然落下させれば切り返しがスムーズにいくということですが、コックの役割を知らなければ、一体何のことなのかサッパリ分からないでしょう。
まずはコックについて確認します。
コックとは左手で握手を求めて、差し出す手の親指を真上に立てたときの親指と腕の角度のことです。
直角になれば「コックが固まる」と言い、アドレスの状態に戻すことを「コックをほどく」と言います。
ゴルフにおいてコックの役割はスムーズなスイングと飛距離アップです。
誰でもテークバックをすると、意識しなくてもコックは作られるものです。
ただしトップの位置でコックを意識すると、インパクトに向けて正しいダウンスイングができるようになります。
特に右腿のあたりでコックをほどくと、地面と平行だったシャフトの先端が下がり、合わせて左手甲をターゲット側に向けると90度回転するので、インパクトでフェースをスクエアに合わせることができます。
飛距離アップのコツは、コックをほどいてヘッドが90度回転するタイミングを遅くすることです。
遅いほどフェース合わせはインパクトに近づくので、ヘッドスピードは加速されます。
ゴルフスイングでグリップを自然落下させるコツは右肘の解放
ゴルフスイング中のコックをほどくタイミングは右腿のあたりにしたいものです。
一般的なトップの位置は右耳の少し後ろ側で、右肘と右手首が垂直になっていなければなりません。
右肘は地面を指し、右手首は甲側におよそ90度折れていて、グリップを支えています。
トップの切り返しで、地面を指している右肘を自然落下させると、グリップは右肩の位置まで下がるはずです。
このタイミングでたたんでいた右肘を解放するのが、グリップを自然落下させるコツです。
グリップは右腿の前に下りてくるので、その勢いによってコックはほどかれ、あとは左手甲をターゲット側に向ければスクエアなインパクトができるはずです。
あえてスイングせずにグリップを自然落下させることで、コックをほどくタイミングやダウンスイングで右肩が出る、身体が左側に流れるといった問題がなくなります。
ただし落下を意識して右肘を下に向かって引くと、スイング軌道が歪んでしまうので注意が必要です。
ゴルフクラブを自然落下させるコツが分かれば窮屈さが消える
ダウンスイングで右肘を内側に絞り込んで、背中を丸めるような窮屈な姿勢でインパクトを迎えていることがあります。
このような窮屈そうなスイングをしている人にとって、トップの位置からグリップを自然落下のコツを覚えるだけで、スムーズなスイングができるようになります。
前傾姿勢をとらずにトップの位置からグリップを自然落下させると、最初は右腿の外側に向かって下がりますが、左手の影響で途中から徐々に前に出てきて右腿の前にきます。
次に前傾姿勢をとって同じようにトップの位置からグリップを自然落下させると、最初から右腿の前に向かって下りてきます。
このとき直立の状態とは違って、グリップと身体には適当な間隔があるはずです。
ゴルフスイングをしているときに、グリップと身体に適度な間隔が保つことができれば、「窮屈さ」をなくすことができます。
ただし自然落下と脱力は違うことを認識して、インパクトではしっかりミートするようなイメージを持つことが大切です。
カット打ちを直すコツはゴルフクラブを自然落下させること
ゴルフクラブを自然落下させる目的は、あくまでもクラブヘッドで正しいインパクトをするためです。
トップの位置でコックが形成されていれば、左手親指の上にグリップの加重がかかり、それを右手で支えているはずです。
この状態でダウンスイングを始動すると、右手は前面に倒れていくため、グリップはインサイドからアウトサイドへと移動してしまいます。
多くのゴルファーがアウトサイドインのスイングを指摘されても、自覚を持たないのはこのトップの位置にあります。
トップではインサイドにあるわけですから、アウトサイドインではないと思い込んでいます。
アウトサイドインのスイングは、別名カット打ちと呼ばれるもので、スライスの原因とされています。
スイング中にインサイドからアウトサイドを経由する、アウトサイドインを修正するコツは、やはりグリップを自然落下させることがもっとも簡単な方法です。
自然落下しているため、肩よりも前方にグリップが出ることはないので、難しく考えることなくアウトサイドインを修正することができるでしょう。
アドレスで自然落下をイメージするのがゴルフスイングのコツ
ゴルフスイングで大事なことは「一対の動作」です。
テークバックとダウンスイングを2つの動作に分けることなく、1つの流れの中でスムーズに行うことが大切です。
そこで大事なポイントは、2つを結びつける「切り返し」の動作です。
勢い良くテークバックをすると、身体が右に流れて回転軸が傾くため、立て直す動作をしなくてはいけませんが、このロスが「一対の動作」には不要です。
また打ち気満々でダウンスイングに入ると、右肩が前に出て身体が左に流れる要因となるので、左肩を上げて右肩の動きを抑えようとします。
両肩のレベルが変われば、回転軸が歪んでいることになり、正しいインパクトができません。
打ち気に逸(はや)る心を沈めるために、アドレスに入るときに自然落下をイメージしてください。
切り返しで自然落下させると思えば、ヘッドを速く引き上げる必要はなくなり、打ち気満々でも自然落下すると思えば、肩の力は抜けるものです。
ゆったりした気持ちでテークバックをして、正しいトップの形ができたらグリップも落とすだけのスムーズな動作こそが上手なゴルフスイングのコツです。
自然落下するゴルフスイングのコツはコックを解くタイミング
ゴルフクラブを自然落下させる意味が理解できれば、テークバックもダウンスイングも一対の動作としてスムーズゴルフスイングになるはずです。
ただしグリップを自然落下しても、右腿の前では意識的にコックをほどく動作をすることが、このスイングのコツといえます。