ウェッジを選ぶときは、ロフト角が気になりませんか。
角度のあるクラブを使えばピタッと止まる球筋になり攻めの幅が広がるような気はしますが、一方で使えないクラブになっていることもあるようです。
そこで今回は、正しいウェッジの選び方について考えます。
アプローチウェッジを選ぶときサンドウェッジを選ぶのはOK?
主にアプローチに使うショートアイアンをウェッジと呼びますが、近年は状況に応じたウェッジを揃えるのが一般的になってきています。
これはウェッジの性能が上がったことよりも、コースセッティングの難易度が上がって、特にグリーン周りが難しくなってきたことに起因しています。
さらに全般的にクラブの飛距離が伸びたことで、3番アイアンや4番アイアンの入っていないアイアンセットが主流になっていますし、フェアウェイウッドも3番や5番を抜いている人が多くなっています。
そうしたことから、規定の14本内に短いクラブを入れられるようになったことも選び方の幅が広がった大きな要因となっています。
数ある中で、どんなゴルファーも必ず入れるのがサンドウェッジです。
一般的にはソールに「S」または「SW」と刻印されていますが、必ずバンカーの中でしか使えないということはありません。
ロフトの角度を見るとアプローチでも十分使えますので、構えたときに安心感さえあれば、刻印を気にすることなく使ってみると良いかもしれません。
ウェッジの角度を基準にした選び方だと迷わない?
サンドウェッジに該当するロフト角は、メーカーやモデルによって多少の違いがあります。
サンドウェッジの一般的な角度は54度~56度ですが、ロブウェッジを兼ねた58度のタイプもあります。
一方でサンドウェッジよりも1番手大きいアプローチウェッジは、メーカーやモデルによってまったく違います。
アプローチウェッジの一般的な角度は、43度~52度と番手で2つ分の開きがあるほどです。
また現在の主流である良く飛ぶアイアンのストロングタイプの多くは、アプローチウェッジを48度前後で設定しているようです。
ただしアイアンセットに含まれないアプローチウェッジやサンドウェッジ、またその中間とされるアプローチサンドを実際に使う場面で選ぶことは少なくなります。
「アプローチ」について多様なラインナップがあるということは、それだけロフト角を基準に選び方の幅が広がるわけですが、選択肢が増えるほど自分にとって何が良いのかは分からなくなるものです。
選び方に迷いがある場合は、ピッチングウェッジとサンドウェッジの間で、ロフト角を刻む方法があります。
アイアンセットの角度の設定からウェッジの選び方を考える
ウェッジ1本ずつのロフト角を選び方の基準にするよりも、アイアンセットの角度に合わせて揃えていくと、使い勝手の良い配置になりそうです。
ピッチングウェッジからロフト角を揃えるとしたとき、まずはアイアンセットの角度を確認しましょう。
たとえばダンロップの『ゼクシオX(テン)』をみると、ロフト角は3度刻みになって9番アイアンは38度です。
ところがピッチングウェッジは43度と角度が5度開き、さらにセットとして用意されているアプローチウェッジは6度開いた49度です。
つまりウェッジの角度は等間隔ではなく、クラブによって角度は違ってくるようです。
これは他のクラブにもいえることで、その顕著なのが人気のテーラーメイドの『M4』です。
ラインナップは4番から9番までのアイアンセットと、単品でピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジがあります。
ロフトの角度は、まさに「バラバラ」で、1本ずつに役目を与えたような設定にしてあります。
ウェッジの選び方は必要な角度で打ち出せることが重要
ウェッジの選び方で参考となる『M4』のロフトの角度を確認してみましょう。
アイアンは4番19度と5番21.5度で2.5度の差があり、次の6番は25度なので3.5度の開きがあります。
次の7番は28.5度ですから同じ3.5度の差ですが、8番は4.5度の差に広がり、さらに9番は5度開き、ピッチングは5.5度と角度の差が広がっていきます。
ここから分かることは、8番以降でロフトを4.5度以上の間隔にあけた理由は、アプローチ用のアイアンとしたからだと考えられます。
打ち分ける距離が多様でであることが、アプローチのためのクラブとして重要であると考えたのかもしれません。
このように「ロフト角=距離」と考えれば、自分にとって必要なウェッジの角度は分かってくるはずです。
400ヤードのミドルホールで230ヤードのドライバーショットを打つと、残り距離はグリーンセンターで170ヤードです。
エッジまでの20ヤードと考えると、残り距離は150ヤードですから7番か8番のアイアンを選択することになります。
ランを想定して軽めにショットするのであれば7番、ピンをデッドに攻めるのであれば8番とすると、高い球筋が打てるロフト角のあるクラブは魅力的なはずです。
自分の技量を見極めたうえでのウェッジの角度の選び方
M4の角度を参考に7番アイアンと8番アイアンを例にとって、アプローチのクラブ選択を考えてみましたが、同じことはウェッジの選び方でもいえることです。
グリーン周りからのリカバリーショットが多いゴルファーにとって、「拾うゴルフ」はスコア作りに必要なものです。
ライの状況や残り距離、またスピンの効いた球筋や、転がしてカップを狙うショットなど、想定できるものだけでも何通りもあるでしょう。
従来は1本のウェッジを使い握り方や構え方でフェースの角度を変えて、それらのショットをこなしてきましたが、現在は「打ち分け用」のウェッジがあります。
高度な打ち方をマスターしなくても、アプローチウェッジの角度を信じて普通にスイングをすれば、止めたり転がしたりできるのです。
つまりプロゴルファーのような高い技術を持つゴルファーは、用意するウェッジのバリエーションが少なくても技術でカバーできますが、一般のアマチュアゴルファーは想定できる状況に合わせられるだけのウェッジを用意しておくと、スコア作りが簡単になります。
選び方としては「そのウェッジは使えるか」で判断する
では実際のウェッジの選び方について考えてみます。
角度を揃えると「飛距離」の迷いはなくなりますが、そもそもアプローチ用のウェッジでフルスイングを想定する用途は少ないはずです。
アベレージゴルファーのアプローチ(グリーンに乗せる箇所)ポイントは、40ヤード以内というデータがあります。
つまり1ヤード以上40ヤード以内のアプローチを想定したとき、自分はどんな攻め方ができるのか、もしくは臨んでいるのかが選び方の基準になります。
ランを主体にするアプローチはピッチングウェッジや9番アイアンなど合っていますし、ターゲットポイントまで飛球して止める球筋なら角度のあるアプローチウェッジが必要です。
さらにカップの奥が下り傾斜の場面で、ピンポイントに攻めたいときには角度が開いているロブウェッジも選択肢になると思います。
ただ、自分のプレー(スコア)に見合った攻め方をしないと、選択したアプローチショットがトラブルに発展していく恐れもあります。
つまり使いこなせる角度のウェッジを選択することが、正しいウェッジの選び方だといえるでしょう。
身の丈に合った角度がウェッジの選び方で重要といえる
現在のゴルフコースはグリーン周りが難しくなっていることから、ウェッジの選び方がスコアに直結してきます。
ただ使えないロフト角のウェッジを持ち歩くよりも、自分の攻めパターンに合った角度のものを準備しておきたいものです。