パターの理論と打ち方のコツをつかんで劇的にスコアアップ!

スコアが悪くなる原因は何でしょう。

ティーショットやバンカーショット、アプローチショットなどいろいろな原因が考えられますが、毎回のパターのミスでスコアアップのチャンスを逃していることも考えられませんか。

パターのスコアは全体の40%を占めるといわれます。

まずは、自分がイメージした打ち方ができずに3パット、4パットしてしまうことをなくすべきです。

パッティングには打ち方とコツが存在します。

ゴルフボールが真っすぐ転がる仕組みやスイングの正しい身体の動かし方を理解すれば、無駄な3パットが減り90台や80台のスコアで回れる確率がグンと上がるのが、ゴルフの面白いところでしょう。

パットのストロークと正しい軌道

 

パットは、目標に真っすぐ打ち出すことです。

その為のストロークはとても大ことな部分です。

雑誌などのレッスンでも良く取り上げられているパットのストロークの考え方には2種類あります。

・真っすぐ引いて真っすぐ出す「straight to straight」
・背骨を軸で横の回転運動の「in to in」

ひとつ目が球を目標に向かって転がすには真っすぐ引いて、真っすぐ出すのが正しいとする打ち方「straight to straight」です。

何の条件もない平地で球を目標まで転がすだけならば、真っすぐ引いて真っすぐ打ち出す打ち方「straight to straight」が最善の方法です。

しかし、パターを真っすぐ引こうとすると、身体から離れた状態で肘を張り、その肘とグリップを握っている両手もヘッドが動く距離を同じように動くことになるでしょう。

これは腕だけの作業になり、両肩が支点となります。

しかし人間の肩は前後左右、斜めや後ろと自在に動くので、自分では真っすぐ引いているつもりでも、アウトサイドになったりインサイドに引きすぎたりとなかなか安定したストロークにはなりづらいのです。

また人間は、パターを真っすぐ引いたつもりでも無意識に少しアウトサイドに引いてしまい、フォローではアウトサイドに広がっていく傾向があります。

もうひとつはドライバーやアイアンショットのように、パターの打ち方も背骨を軸で横の回転運動の打ち方「in to in」です。

ドライバーやアイアンショットは球を飛ばすためにクラブを振ることを必要とします。

そのショットは背骨を軸に回転運動してその遠心力を利用するのがコツで、とても効率的な打ち方です。

パターはフルスイングすることはありませんし遠心力も使いません。

しかし横回転を意識すると背筋を伸ばす姿勢になりやすくショットと同じようなフォームになります。

すると腕は肘が伸び手首が折れた状態になり、ヘッドが遅れてしまうことになりやすく、身体は開きヘッドアップしてプッシュアウトやトップ、ひっかけなどショットで起こるようなことがパターでも起こってしまいます。

こういったことから、理想のパットのストロークは、真っすぐ引いて真っすぐ出す「straight to straight」と、背骨を軸で横の回転運動で考える「in to in」の良いとこ取りです。

つまり自然な身体の回転と目標に向かって打ち出す「in to straight」が理想だといえます。

その為には正しいグリップ、正しいアドレスのコツを理解する必要があるのです。

パターのグリップの理論と握り方のコツ

・手首に角度をつけない
・左手はパターのグリップエンドが左の手首の筋と平行になるように握る
・左腕とシャフト、ヘッドが一直線になるように握る

グリップで最も重要なことは、左手でどのようにグリップを握っているかです。

その握り方のコツは、力を抜いて「前にならえ」の要領で両腕を上げていくと、手首の関節の形状上、手は重力で小指側が下がり、親指側は腕と平行になります。

この状態のまま左手の親指をパターグリップの平面の部分に添えて握ります。

するとグリップエンドは手首の筋とほぼ平行になり、手首に角度がつかず、腕とシャフトそしてヘッドが一直線になるでしょう。

この状態を必ずキープしてください。

また、右手は「オーバーラッピング」「インターロッキング」「クロスハンド」「逆オーバーラッピング」と様々な握り方がありますが、自分に合った握り方で問題はありません。

パターは腕とクラブを一体化する打ち方が重要なので、肩や腕に力が入らない程度にしっかりグリップは握りましょう。

パターの打ち方のコツはアドレスにあり

・グリップを握った状態で両肘を体にくっつける
・肩甲骨が地面と平行になるように前傾する
・パターのヘッドを体の中心でセットする

次に正確に握ったパターを身体の動きと同調させる最適なアドレスのコツがあります。

まず脱力した状態で立ち、身体の正面でグリップをしっかりと握ってください。

そして両肘を曲げて身体の両脇に触れる位置で固定します。

胸の上部の鎖骨が地面と平行になり、背中の肩甲骨も地面と平行になるように意識しながら背中を丸めて前傾し、それに合わせて両膝の屈伸とスタンスを調節しましょう。

肩甲骨は背骨に対して左右に動くので、地面と平行に構えると肩甲骨は縦に動くことになりパターのヘッドも直線的に動くことになります。

両肘が身体に触れたままストロークすることで身体とボールの距離も一定に保たれ、無理のない軸回転ができてヘッドの軌道も波打たないためブレずに安定します。

こうすることにより、身体の正面でパターが1枚の平面上で動くようになるのです。

このパットの打ち方で方向性がかなり良くなります。

次にスタンスは肩幅で膝は軽く曲げスクエアに構えるのが理想ですが、オープン、クローズ、広い、狭い、膝を曲げる、伸ばす等も自由で自分がやりやすい打ち方で構いません。

「ボールの位置は左目の真下のセットする。」とよく言われますが、体の正面でパターを構えさえすれば勝手に左目の真下辺りにボールはセットされることになるはずです。

パットの素振りのコツ・打ち方のコツ

・素振は漠然と行わない
・ヘッドを見ながら素振りをする
・想像しながら素振りをする

パターで打つ前に必ず素振りを行いましょう。

しかし、素振は漠然と行ったり、ボールを見ながらの素振りは意味がありません。

パターは打ってしまえば結果がどうあれそこで終わりですが、素振りはその結果が成功になるためのシュミレーションです。

まずヘッドを見ながら素振りをしましょう。

これは、方向性や距離感が悪くなるほとんどの原因がバックスイング時に起こるためで、ヘッドのフェース面やスイングプレーンの乱れをチェックをするのがコツです。

そしてカップまでのラインを確認し、このパターでどれくらいの力加減の打ち方でこのくらい転がると想像しながら素振りするのです。

話題は変わり、打ち方のコツを紹介します。

・さっさと打つ
・バックスイング1:フォロー2の割合
・常に芯で打つ

ラインのイメージが固まり目線をボールに戻したと同時にバックスイングに移ります。

脳内でのイメージは短時間しか残らないのでなるべく早く打つようにするのもコツです。

バックスイング開始時はボールをぼんやりと見つめ、パターのヘッドを10から20センチほど目で追いかけるようにします。

するとヘッドアップが防げ身体が開かず正確に芯で打ち抜くことができるでしょう。

ラインやタッチばかり気にしている人が多いのですが、それ以前に大ことなパターの打ち方は、常に芯でボールを打つことです。

パターの芯で打ったボールは転がりもよく、少々の傾斜や芝目に負けません。

パターの結果はインパクトの後、フェース面から球が離れた瞬間からわかります。

結果が失敗であるならば、その原因はアドレスからバックスイング、切り返し、インパクトまでの間に何かミスが起こっているという証拠です。

そしてバックスイングの距離が長ければ長いほどミスの確率も上がります。

その為、小さめの反動をつけるぐらいにバックスイングをすれば、ミスの確率は下がり、ミート率は上がり芯で打てる確率も上がります。

フォローを長くとることによって打ったボールは順回転になり、最後のひと転がりが違ってくるはずです。

ストロークはバックスイングが1、フォローが2~3のイメージでパターを振るのがコツです。

ロングパットの打ち方と距離感をつかむコツ

・歩幅と振り幅
・人間の能力

パターの打ち方で最も難しいのが距離感の出し方です。

その距離感が重要なロングパットの打ち方にはふたつのコツがあります。

ひとつ目は歩幅と振り幅で距離感を出すことです。

これは、カップからボールまでの距離を歩幅で数値化します。

その数値化した歩幅に対して振り幅を時計に例えて数値化するのです。

カップからボールまで5歩とすると、振り幅はバックスイングを5時の位置まで上げてスイング開始し、インパクト後7時の位置までフォロースルーするといった感じです。

人間は本能でその距離に対して合うように投げることができます。

つまりふたつ目は、目視で距離を測り把握して、その距離に合った力加減で物を投げる能力が備わっているということです。

丸めた紙をゴミ箱に放ると、それが入らないとしても近くには届けられるでしょう。

また金槌で窓ガラスを割れないように加減して叩くこともできるでしょう。

つまり人間はパターという道具を使い、目視でボールとカップまでの距離を把握して、適切な力加減で適切な距離を打つ能力が備わっているということです。

距離感を養う練習があります。

それは「カップを見ながらそのまま打つ」という練習です。

これを続けると人本来の距離感の能力が磨かれ、ロングパットの距離感が養われます。

それと平行して歩幅と振り幅のパターの打ち方も理解することで、より一層距離感を掴むことができるようになるでしょう。

パター練習のススメ

14本のゴルフクラブの中で最も使用頻度が高いのがパターです。

パター1本で様々な距離を打ち分けなければなりませんが、ショットのミスや技術の差をリカバリーできる唯一の武器でもあります。

その精度が上がれば必ずスコアアップに役立つのは間違いないことです。

ところが、一般的にショットの練習に対してパターの練習は非常に少ないのが現状です。

パターのスコアは全体の40%を占めます。

そのため100球練習するなら、60球がショット、40球がパッティングに振り分けなければならないはずです。

練習頻度が少ない理由として考えられるのが、「パターの打ち方には型は無い」とよく言われていることです。

しかし、それはメーカーの思惑ではないかと思っています。

14本のクラブの中で使用頻度が最も高いと言いましたが、その種類の多さも最多を誇ります。

つまり、パターの打ち方には型は無い→練習しない→練習場もできない→パッティングは向上しない→本番で3パット4パット→パターが悪いと思う→新しいパターを買う。

こんな構図なのではないかと思ってしまいます。

今、使っているパターが悪いわけではなく使いこなしていないだけです。

なんでもそうですが使いこなすには練習が必要です。

確かにセンスだけでパットが上手い人もいますがそれはほんの一握りです。

「パターの打ち方には型は無い」なんて信じていると上達はありません。

とにかく練習は絶対必要です。

ロングパットは無理でも、パターは家庭でも練習できます。

正確なグリップ正確なアドレスを鏡に映して確認するだけでも有効です。

練習を通して、自分にはどんな軌道が合っているのか、体重配分やボールの位置など最も自然で再現性の高いパットの打ち方のコツを見つけることが重要なのです。

奥が深いパットの打ち方

グリーン上でパットを成功させるためにはグリーンの状態やアンジュレーション、芝目の向き等、考えなければならいことは多数あります。

ゴルフはその日、その時のコースとの闘いです。

パターもグリーンの狙ったところに真っすぐ打ち出すことができないと話になりません。

初心者は、まずは正確なグリップ、理にかなったアドレスにストローク等のパターの打ち方のコツを理解することが最善の方法です。

経験者の方は、今一度グリップやアドレスを見直して正確に打てているかを確認することをオススメします。

狙ったところに打てるようになると、今日のラウンドのパッティングは何が良くて、何が悪かったのか、本当のパターの醍醐味であるグリーン攻略が楽しめるようになります。

ぜひ、パターの理論と打ち方のコツをつかんでください。

もしかしたら、明日のラウンドでのスコアアップは意外と簡単にできるかもしれません。