グリップでゴルフは変わる?基本の3種類をマスターしよう!

グリップの握り方は1度覚えてしまうと、ゴルフが不調にならない限り変えることはないようです。

3種類の握り方があるのに、試さずにいるのは固定概念が邪魔をしているからかもしれません。

今回は3種類のグリップの握り方を紹介します。

少しでも興味がわき、チャレンジ精神があるようでしたら、一度練習場でやってみてください。

これからのゴルフライフが大きく変わるかもしれません。

ゴルフクラブのグリップには3種類の握り方がある

グリップの握り方は、大きく分けると3つの種類があります。

日本国内ではスタンダードなオーバーラッピング、海外でスタンダードなインターロッキング、そして飛距離を生むと言われるテンフィンガーです。

まずはこれらの握り方の違いを確認しましょう。

日本国内でスタンダードな握り方と言われるオーバーラッピングは、右手の小指をかぶせて左手で包むように握ることから、「オーバーラッピング」と呼ばれています。

左手の握り方は、人差し指の付け根から小指側の下部にある膨らみまでグリップを斜めに当てます。

また右手は小指を左手の人差し指の上にかぶせて、両手を連結させるようにグリップエンド側に押し込むように握ります。

日本国内ではゴルフを始めるときに、この握り方で覚えることが多いようです。

これは全英オープンで6度の栄冠を勝ち取った、当代の人気プロのハリー・バートンがこのオーバーラッピングだったことで世界中に広まったという説があります。

もっともバートンは指に怪我をしたことで、この握り方にせざるを得なかったそうですから、技量改善に迫られて考案されたものではなかったようです。

ゴルフ創成期からのグリップはテンフィンガー

オーバーラッピングが国内で広まったもう1つの要因として考えられるのは、日本のゴルフコースの形状が関係していたようです。

日本のゴルフ発祥の地が山岳コースだったことで、その後に造成するゴルフ場の多くはアップダウンのあるレイアウトを導入します。

当時は交通手段が限られていたのにもかかわらず、山や小高い丘を切り開いてゴルフ場を造成していきます。

アンジュレーションのあるコースでは、手首を固定しやすいオーバーラッピングにしたほうが、インパクトのブレを防ぎやすかったことが要因になったとも想像できます。

元々グリップの種類は、本流がテンフィンガーですし、主流はインターロッキングですから、どちらかと言えば亜流というか流行の先端を取り入れたようです。

本流のテンフィンガーは、ゴルフ創成期のグリップの握り方と言われています。

当初はホッケーのように、左手と右手には一定の間隔がありました。

そのホッケータイプがベースボールタイプに変わったのは、ずっとあとのことだったようです。

2種類のグリップがゴルフの亜流と本流になる

テンフィンガーのグリップの握り方が、インターロッキングに変わったのは必然だったかもしれません。

テンフィンガーのときはグリップを2点で握って手打ちをしていましたが、ボールがゴム製に進化したことでグリップを1点で握るインターロッキングが広まっていきます。

そのインターロッキングを考案したのは、プロ第1号だったアラン・ロバートソンと言われていますが、広めたのはその門下生で大人気の選手トム・モリス(シニア)だったそうです。

当時は縦振りのスイング軌道だったので、右手の使い方が強いとフックしてしまう恐れがありました。

その過度な手の動きを抑制することで球筋が安定できることが分かり、ゴルファーの多くはインターロッキングを自分の握り方としていきます。

結果的にインターロッキングが現代ゴルフの基本的な握り方となったわけですが、このときスイング軌道は少しずつ横振りを取り入れていくことになります。

そして前項で紹介したように怪我の功名によってオーバーラッピングができるわけですが、この2種類の握り方には本流と亜流の違いがあります。

日本ゴルフ界が選んだグリップの握る種類は球聖によるもの

オーバーラッピングは、考案者であり当代の人気プロだったハリー・バートンによって、この握り方が広まったのが通説となっています。

ただ日本人がオーバーラッピングをグリップの基本的な種類としたのは、『球聖』と称されたボビー・ジョーンズによるものだと思われます。

それまで自由だったゴルフクラブ携帯本数を14本に決めたくらい、アマでありながらゴルフ界への影響力が絶大だったボビー・ジョーンズは、日本ゴルフ界の創成期に活躍したこともあり、またアマとしての清廉性を好む日本人気質に合っていたのかもしれません。

28歳で競技生活を終え、あのオーガスタを作りマスターズを開催したことで、ゴルファーとしての彼のプレースタイルを真似するのは当然のことだったのでしょう。

しかも何処かの誰かによって、「インターロッキングは女・子供のような握力の弱い人の握り方」というレッテルがついてしまいます。

そんな風説もあってか、その後にゴルフを始める人にとっては「一人前」を求めてオーバーラッピングを自分の握り方としていったというのです。

一方でそれ以前に幼少期からゴルフに親しんだ人にとっては、インターロッキングにステータスを感じている人達もいたのも事実です。

数あるグリップの仕方はゴルフ界の人気者を決める

世界的にオーバーラッピンググリップが主流となりつつあったのですが、ある日を境に世界はインターロッキングへと戻ることになります。

それは、ゴルファーのあるべき姿を示したボビー・ジョーンズと双璧をなすと言われるタイガー・ウッズの登場によります。

彼が出てきたことで、ゴルフ界はタイガー仕様へと変貌していくことになります。

規格外の飛距離とパッティングに憧れたのは、観戦するアマだけではありません。

一緒にプレーをするプロたちも、彼の一挙手一投足を真似することになり、トッププロの多くがインターロッキングを始めることになりました。

わずかな期間でトッププロの多くがインターロッキングにしたことで、新たなゴルファーたちはタイガーと同じ種類の握り方でゴルフを始めることになったようです。

もっともタイガーの出現以前にも、「帝王」と呼ばれたジャック・ニクラウスもこのインターロッキングでしたから、彼の人気だけで潮流が変わったわけではないかもしれません。

3種類のグリップ握り方を知り使い分けたらゴルフは変わる

グリップの3つ種類からそれぞれの特徴をとらえてみましょう。

飛距離を重視するなら、両手のパワーをダイレクトに伝えるテンフィンガーグリップがオススメです。

インパクトの直前で簡単に右手を返すことができるため、フェースローテーションがしやすいのが特徴です。

一般的には、ゴルフ創成期からの伝統的なグリップの握り方とされています。

次に方向性を重視するのであれば、両手を連結させるインターロッキンググリップです。

手首が固定されやすくスイング軌道が安定するため、思い切ったスイングをしても球筋が安定するのが特徴です。

一般的には、スコットランド(セントアンドリュース)の流れをくむ握り方とされています。

最後に飛距離と方向性の両方を求めるのであれば、オーバーラッピンググリップです。

手首の可動域が広くなることでコックが使いやすくなり、ヘッドスピードの加速が見込まれます。

さらにインターロッキング同様に、左右の手をスクエアに合わせることができるため方向性も安定するのが特徴です。

一般的には、イングランドの流れをくむ握り方とされています。

これら3種類のグリップの握り方は、固定する必要はありません。

自分の調子やコースの状況などを判断して、その都度使い分けたほうがゴルフの幅は広がるはずです。

とりあえず3種類のゴルフグリップを試してみませんか

ゴルフクラブを握るときのグリップは、源流となったテンフィンガーグリップで飛距離を、方向性を重視するならインターロッキンググリップを、両方の良い部分が含まれているオーバーラッピングの3種類があります。

固定概念にとらわれず、すべての握り方を試してみることが大切です。

そうすれば、自分にとって新しいゴルフスタイルが見つかるはずです。