ドライバーの飛距離が落ちたら考えるシャフトの硬さと選び方

ゴルフをラウンドしたとき、第一打目に使うのがドライバーです。

そのドライバーは飛距離を重視しますが、体調の変化により飛距離が落ちることがあります。

ゴルフクラブはヘッド、グリップ、シャフトからできていますが、その中でも一番重要なのはシャフトです。

ゴルファーのヘッドスピードによってシャフトの硬さを使い分けられるよう設計されています。

今回は、そんなドライバーのシャフトの構造と選び方を解説します。

ドライバーの選び方の参考にすべきヘッドスピードと振動数

ゴルファーが最適なシャフトを選ぶには、自分のヘッドスピードを計測しておく必要があります。

そのとき必ず振動数も記録しておくと選び方の参考になります。

振動数とは、計測器にグリップを固定し、ドライバーヘッドを軽くしならせ手を離し、1分間に何回ヘッドがしなり戻りを繰り返すかの回数を計測したものです。

実際には1分間計測せず、1~2秒から導き出した計算値です。

数値(cpm)が大きいほどしなりの戻りのタイミングが速くなります。

振動数が小さすぎると、自分のスイングのタイミングよりクラブのしなり戻りが遅いので、フェースが開いたままインパクトを迎えるためスライスになりやすいです。

対して振動数が大きすぎると逆にフックでは収まらず、引っかけになってしまう傾向があります。

ドライバーのヘッドスピードを上げるには、シャフトの硬さの選び方は重要ですが、その中でも振動数は重要な要素です。

シャフトの種類と硬さの種類

ゴルフクラブのシャフトの種類には、カーボンシャフトとスチールシャフトがあります。

ドライバーで使われているのは、今ではカーボンシャフトだけです。

スチールシャフトがドライバーに使われなくなった理由は、スチールシャフトの方が重量があるため長くもできず、飛距離が落ちるからです。

過去にプロが試打したデータがありますが、平均で14ヤードほど落ちています。

現在のカーボンシャフトならもっと差は大きいかもしれません。

しかし曲がり幅はカーボンシャフトより少なくなりますので、フェアウェイをキープしたいゴルファーには有効かもしれません。

シャフトの硬さは英語で、「フレックス」と言われます。

フレックスの呼び方は、柔らかい順から、J、L、A、R、(SR)、S、X、(XX)になります。

その他にメーカー独自表記ですが、LL、L2、R2、SXなどもありますね。

そんなシャフトの選び方はゴルファーの好みによって大きく分かれます。

ここでは、硬いシャフトと柔らかいシャフトの特徴を書きます。

まず硬いシャフトのメリットは、速いヘッドスピードで振るときは無駄なしなりやねじれが少なくなること。

スイングテンポの速いゴルファーでもしなりの戻りが良く、バックスピン量が少なく、低弾道で飛距離が出ます。

しかも球筋のコントロールがしやすくなります。

対して硬いシャフトを選ぶデメリットは、球が上がりにくく、シャフトのタメが作りにくいため打ち急ぎやすいこと。

その結果力みにつながります。

比較して柔らかいシャフトのメリットは、シャフトのしなりを利用してゆったりスイングでき、ヘッドスピードが遅くても球が上がりやすいこと。

切り返しのタイミングをとりやすくなります。

そして柔らかいシャフトのデメリットは、球が吹き上がりやすく、スイングテンポが速いとヘッドが暴れること。

つまりコントロールショットなどの操作がしにくくなります。

自分に合ったシャフトの選び方と交換

自分に合ったドライバーとシャフトを選択するためには、やはりゴルフショップで試打するのが良いでしょう。

その際の選び方として、フレックスを重視するゴルファーは多いはずです。

シャフトの硬さも間違いなく重要な要素ですが、選び方の要素として先調子、元調子など調子によるスイングへの影響も知らないまま購入しているゴルファーもいます。

この調子とは、シャフトがスイング中に曲がりやすい場所を指します。

元調子はグリップ寄り、先調子はヘッド寄り、中調子は全体的にしなるイメージです。

シャフトのしなる部分の違いでスイングに合っているかいないかを判断するためです。

また、悪いスイングを矯正する役目もあります。

まず先調子のシャフトの特徴は、球がつかまりやすい、球が上がりやすくなること。

この先調子のシャフトが合うゴルファーは、タメの多い、リストターンでインパクトをする、球が上がらないタイプです。

それから元調子のシャフトの特徴は、球がつかまりにくい、球が上がりにくいこと。

この元調子のシャフトが合うゴルファーは、タメの少ない、ボディーターンでインパクトをする、ヘッドスピードが速く自然と球が上がるタイプです。

最後に中調子のシャフトの特徴は特になく、先調子と元調子の中間に位置すること。

つまり、クセがなく基本的にスイングタイプを選びません。

これらの特徴から、合うスイング合わないスイングは以下の通りです。

極端なダウンブローやアッパーブローでない、スイングプレーンが安定しミディアムテンポでスイングする、ゆったりと体全体でスイングするタイプです。

硬さの違いだけでなくドライバーの選び方として、調子もポイントに入れて選んでください。

シャフトの重量と長さの選び方、ドライバーに最適な硬さ

ドライバーのシャフトの長さを決めるには、自分のスイングの弱点を理解していなければなりません。

弱点とは、「飛距離が足りない」「左右の曲がりが激しい」「クラブが重たく感じ振り切れない」「ヘッドが戻らない」などです。

シャフトの長さで欠点を補うのなら「飛距離が足りない」というゴルファー以外は、シャフトは今よりも短いものを選ぶべきです。

そうすれば、左右の曲がり、重く感じる、ヘッドが戻らないなどの問題点はかなり減少するはずです。

1インチ短くすると5ヤードから10ヤード飛距離が落ちると言われていますが、OBや林の中に打ち込むリスクが回避されるのであれば、それくらいの飛距離は犠牲にしても良いのではないでしょうか。

長さの選び方は、重量や調子やフレックスなど硬さも含め選ぶ必要があります。

始めから短かすぎるシャフトにすると、性能を保ったまま伸ばすことはできません。

ドライバーはグリップを長く持ったり短く持つことで、シャフトの硬さに微妙に違いが出ます。

短く持てば硬くなり、長く持てば柔らかく使えるのです。

この違いを練習で繰り返すことにより、飛距離、コントロールの調節ができるようになれます。

シャフトのたわみを利用することで飛距離を伸ばす

ドライバーのシャフトは、トップからダウンスイングに移るとき、鞭のようにたわみますが、その力を上手く利用することで、同じスイングでもヘッドのスピードを10~15%速くできると言われています。

またシャフトの「たわみ」が大きくなるに従って、球の打ち出し角が高くなると同時にバックスピン量が多くなっていくという現象が起きます。

そして、それが大きくなり過ぎれば そこからはヘッドスピードが上がっても飛距離は伸びません。

つまり飛距離に重点を置くのであれば、打ち出し角とバックスピン量の最適化を図ることのできるシャフトの硬さと、ドライバーヘッドの組み合わせに着目しなければなりません。

シャフトの硬さの選び方次第で、たわみを利用できたりできなくなったりするのです。

そのためシャフトの選び方は、極めて大切なポイントになります。

ドライバーのシャフトの硬さとアイアンとの相性

ゴルフスイングはウェッジからドライバーまで同じです。

しかしドライバーとアイアンのシャフトが全く違うものだった場合、同じように振ったとしてもミスショットは必須です。

アイアンは硬いシャフトを使っているのに、ドライバーはヘナヘナのレディース用シャフトでは、飛距離も出ず左右に球が散らばってしまいます。

もし今あなたが使っているアイアンが自分のスイングに合っているのなら、ドライバーのシャフトの硬さも同じような性質のものを選ぶべきです。

アイアンシャフトとドライバーシャフトを合わせる選び方は、使用中のアイアンシャフトの「重量」「フレックス」「調子」をメーカーのWEBサイトなどでチェックしましょう。

アイアンシャフトもドライバーシャフトも考え方は同じです。

メモした内容と同じようなドライバーシャフトを選べば、それがベストマッチということです。

アイアンはセットで買う必要があるため、ドライバー基準で考えた結果、万が一自分に合っていないとなると、出費がかさんでしまうからです。

同じフレックスであっても、硬さはメーカーによって違います。

ドライバーのシャフトの選び方はゴルファーによって違いますが、アイアンのとの相性をまず確かめてください。

ドライバーの飛距離を伸ばすシャフトの選び方

ドライバーの飛距離を伸ばすための能力に合ったシャフトの選び方を解説しました。

飛距離が落ちるのはヘッドスピードが遅くなることだけが原因ではありません。

ヘッドスピードが速くなっても、球にバックスピンがかかり過ぎたら飛距離は落ちるからです。

最適なドライバーを持てるようになれば、ゴルファーにとってこれほど心強いことはないはずです。

合わなくなったと不満を感じたら、まずシャフトを計測してもらってから交換すれば、買い替えの失敗を防ぐことができます。

試打をせずには良い巡り合わせはありませんので、時間を作って計測してください。