ゴルファーなら、「パット・イズ・マネー」は良く聞く言葉ではないでしょうか。
プロゴルファーにとって、パットのミスは収入に大きく影響することを表す言葉です。
実際、たった1打の差で優勝者の半分の賞金額しか得られないなんてことがあるものです。
ドライバーで300ヤードを飛ばすのも、1メートルのパットを沈めるのも同じ1打。
ゴルフ練習場では、ドライバーやアイアンの練習は一生懸命にやりますが、スコアメイクで一番重要なパットは、練習マットで転がすぐらいではないでしょうか。
今回は初心者向けに、パターの練習方法を自宅で行うときのポイントをまとめます。
まずは自宅のパター練習環境を整えよう!
自宅の庭にグリーンがあれば申し分ありませんが、これが難しいのが現実です。
そこでグリーンに似た環境を整えることから始めます。
毛足の短い絨毯が敷いてあれば、それはもう立派なグリーンと言えるかもしれません。
もしもパター練習を自宅の畳や床で練習する場合は、パターマットを買いましょう。
代表的なパターマットの種類を説明します。
・ボールが戻ってくるパターマット
カップのところが登り傾斜になっていて、ストローク後にボールが戻ってくるので、効率良く練習ができます。
パターマットを保管するときに、折りたたむと折り目がついてしまうので、マット部分を丸めて保管すると良いでしょう。
・大型のパターマット
大型のパターマットもしくは人工芝のマット。
これは芝の質も良いですし、芝の長さも選べます。
敷いたままで使うので、折り目がつく心配もありません。
ネックは、ある程度のスペースが必要なことと高額なことです。
・パターカップのみのタイプ
絨毯やフローリングの上に置いて、練習します。
パターカップを置く場所と練習方法を工夫すれば、一番安価で問題なく練習できます。
練習用のマットは、少なくとも長さ2メートル以上のものが良いでしょう。
ロングパットの練習は無理でも、1ピンぐらいのパット練習はしたいですよね。
そのためには幅50センチ、長さ2~3メートルぐらいのマットがオススメです。
パターの構え方
パットの構え方は、「パターに形無し」と言われています。
打ちやすく、カップインすればどんな打ち方でも良いからですが、やはり基本の構えがあります。
そこで真っ直ぐボールを転がすための基本の構え方を説明します。
大切なのはインパクト時のフェース向きと、ヘッドの軌道が狙った方向に向いていることです。
インパクトのときに、ヘッドが真っ直ぐ振れる構えが理想です。
パターを構えたときにできるだけ垂直に構え、背骨を軸にして手首は動かさず、肩でシャフトを振るのが理想です。
この構えでフェースを開いたり閉じたりせず、ヘッドを真っ直ぐに振れるからです。
スタンスの幅を気にする必要はありませんが、肩幅ぐらいが丁度良いと言われています。
ボールを体の中心に置いて、つま先までの振り幅で打ったとき、何メートル転がったかを歩数で数えて距離感をつかむには良いスタンスです。
自分の打ちやすい構えとスタンスを練習でつかんでください。
練習方法は目標に対して振り子のように、ヘッドが真っ直ぐにストロークできる構えを確立するようにしてください。
それからパターのグリップの握り方は何通りもあります。
これもストロークがしやすく、自分にあった握り方で構いません。
自分にあった構え方は、自宅で行い練習して完成させてください。
ラウンドだけでつかもうとしても、スコアが崩れるだけです。
パターを真っ直ぐ打つ練習方法
パターはフェース面に対して真っ直ぐにしか打ち出されません。
そのためパットは真っ直ぐ正確に打つことが最も大切で、ストロークは真っ直ぐ引いて、真っ直ぐ打ち出せれば問題ありません。
ボールが曲がるのは、グリーンの形状や芝目のせいで、パットによるフックやスライスはまずありません。
それでは2個のボールを10センチ間隔ぐらいに並べて、右足寄りのボールを打ってみてください。
打ったボールの芯にしっかり当たり、前のボールの芯にも当たると前のボールは真っ直ぐ転がります。
2個のボールとも芯に当てる練習を続けると、かなり早く真っ直ぐなボールを打てるようになります。
後ろのボールが芯に当たらないと、前のボールは左右に曲がります。
これはパットを打つときに、パターを後ろに真っ直ぐ引いていないか、フェースの芯に当たっていないために起こります。
短い距離をホールインできなければ、長い距離もホールインできません。
非常に地味な練習ですが、この練習は非常に効果的で、自宅の狭いスペースで行う練習方法としてはかなり有効です。
ラウンド前の練習グリーンで行うと、その日の調子が分かり、ラウンド前にパットの修正もできます。
徐々に距離を伸ばしていき、30センチぐらいでもパターフェースの芯とボールの芯に当たり、ボールが真っすぐに転がれば正しい打ち方であると言って良いでしょう。
1メートルを確実にインする自宅練習方法
ボールが真っすぐに打てるようになれば、次は1メートルを確実にインする練習です。
ゴルフラウンドで、1メートルのパットを必ず沈めることができればスコアはまとまります。
ロングパットでショートやオーバーしても、1メートル以内であれば2パットで上がれると思えば気が楽です。
そのため練習用パターマットで1メートルぐらいのパット練習を十分に行ってください。
この距離を100回打って、100回入るぐらいの気構えで練習しましょう。
ここでも大切なのは、ボールが真っすぐ転がっていること。
コースのグリーンは芝目があったり、アンジュレーションがあったりと、平らなグリーンは少ないです。
しかし練習マットで真っ直ぐ転がして百発百中なら、ラウンドでもミスをすることが少なくなるのは間違いありません。
百発百中まではないにしても、10球連続入るまで練習をやめないといった自宅だからできる数字を意識した練習方法も面白いでしょう。
真っすぐ打てないゴルファーの練習方法
パターで真っすぐ打てない初心者ゴルファーの原因は、ひっかけか押し出しのどちらかです。
まずパットのひっかけの原因は頭が左に動いて、手首が左に出てしまうからです。
ボールのカップインを見たいため、目線が頭を動かすのです。
結果フェースが左を向いて、ひっかけてしまいます。
対処方法は、頭を動かさず、最後までボール見ることで引っかけは直ります。
フォローの形を崩さない練習を自宅で完璧にしてください。
どうしても頭が動くのであれば、思い切ってボールは見ずに、最初からカップを見てパットしてみてください。
ショートパットなら結構カップインするはずです。
米男子トッププロのジョーダン・スピースもやっているので、案外特効薬かもしれません。
またパターを押し出さないようにするにはどうしたら良いでしょう。
パターマットにマジックで十字線を引いて、十字の真ん中からボールを打ってください。
十字線がパターフェースを置く位置で、真っ直ぐに構える位置です。
何度も繰り返して、体に覚えこませて矯正するのが一番良い方法です。
十字線がなくても、目標に打てるようになれば矯正終了です。
自宅であれば練習マットは自分のものですから、パター上達のために練習方法で少々汚しても気にする必要はありませんよね。
グッズを使った自宅練習方法
パターマットで練習するときに、鏡を使って姿勢をチェックするのは良い確認方法です。
大きな姿見があれば良いのですが、ない場合はスマホで録画しましょう。
スマホであれば、全身や色々な角度、ショットの瞬間も録画してチェックできるからです。
自宅のパターの練習で、鏡やスマホを使用する練習方法ですから、人目を気にすることなく打ち込めます。
ボールの転がりも確認できるので、思わぬヒントがつかめるかもしれません。
パッティングの練習グッズは、真っすぐ打つための練習器具が多いようです。
ペルツ・パッティングチューターは、多くのプロゴルファーが使用している練習器具です。
松山英樹プロも岩田寛プロが使用しているのを見て練習に取り入れたと、あるインタビューで答えています。
構造は、パッティングチューターの上に2つの鉄球があり、その間にボールを通すだけです。
この練習器具は、フェースの正しい位置と正しい目線の改善を行い、順回転のパッティングを身につけるために使用します。
パッティングのさらなる向上を目指すにはオススメグッズだと言えるでしょう。
自宅で行うパット練習でスコアアップを実現しよう!
2オン2パットで18ホールをラウンドすると、72のパープレーとなり、パターの使用は全打数の半分以上の50%です。
ゴルフの醍醐味は、ドライバーの飛距離やアイアンのキレかもしれませんが、スコアはパットで決まるということです。
しかも1本のクラブの使用率が50%です。
地道なパター練習のくり返しがスコアアップにつながるのは間違いありません。