ドライバーのスピン量を減らす打ち方はセオリーと違う!

多くのアマチュアゴルファーはドライバーのスピン量を減らすことで飛距離は伸びます。

スピン量とは打ち出したボールのバックスピンの回転数のことで、浮力としての役目もありますがブレーキの役目をすることもあります。

今回は、セオリー通りのスピン量の減らし方と、実際にやりたい減らし方を紹介します。

ドライバーのスピン量を減らすと飛距離が伸びる理由

ドライバーで飛距離を伸ばそうとするとき、ヘッドスピードの速さやスイートスポットでのミートを良くしようと努力しますが、それらは飛距離の三大要素の1つである初速を速くするだけで、残り2つはクリアになっていません。

飛距離の三大要素は、初速と打ち出し角とスピン量の3つからなります。

初速アップについては、ヘッドスピードの速さとスイートスポットでの命中率を高めることが求められます。

その他2つの要素である打ち出し角とスピン量は密接な関係にあるため、2つ一緒に解決することができます。

打ち出し角はヘッドスピードによって多少変わりますが、14~18度の打ち出し角があれば良いと言われています。

物理の世界では物体が飛ぶときの綺麗な放物線は45度の打ち出し角とされていますが、それはあくまで真空状態の話です。

ゴルフボールは空気の壁にぶつかるように飛んでいきます。

バックスピンによって壁を昇っていく浮力が備わるため、低い打ち出し角で飛距離を伸ばすことができます。

ただしバックスピンにはブレーキの作用もあることから、適量まで減らすことで飛距離を伸ばすことができるのです。

スピン量を減らすドライバーの打ち方は難しい?

ドライバーの打ち出し角は14~18度必要になると説明しましたが、備わっているロフト角は10度前後しかありません。

そのためボールの側面を水平にインパクトすると、打ち出し角は10度前後にしかならず、適正な打ち出し角にはなりません。

そこでティーを使って地面から高い位置にボールを上げて、そのボールを下から打ち上げるアッパーブローのスイングが求められるのです。

下から打つということは、フェース面が上を向いていくわけですから、ロフト角よりも打ち出す角度は上に向くはずです。

このアッパーブローのスイングができれば、インパクトのときのボールとの摩擦が減り、バックスピン量を減らすことができます。

問題はこのスピン量がいつもはどのくらいあって、どこまで減らすかが分からないことです。

さらにフェースをどこまで上を向ければ、どのくらいスピン量が減らせるのかも分かりません。

また減らすスピン量が分かったとしても、一般ゴルファーの技量でそれが可能なのかも重要になっていきます。

スピン量を減らすアッパーブローを確認

個々によって違いはありますが、一般的なゴルファーのドライバーのスピン量は3800回転程度と言われています。

目標となるのは理想と言われる2400回転まで減らすことから、およそ1400回転減らすことができれば、今よりも飛距離が伸ばせることになります。

そこで再度アッパーブローのスイングを確かめましょう。

スイングが最下点を迎えたとき、フェースの角度はロフト角通り約10度です。

その後ヘッドはそのまま最下点を通過し浮かび上がるところでボールをとらえます。

このときのフェースの角度が適正な打ち出し角となる14~18度でなければならないわけです。

そのために大事なことは、ティーアップしたボールよりも手前でスイングの最下点を迎えなければならないことです。

アドレスでドライバーのヘッドをソールするとき、そこがスイングの最下点であるとイメージすることが重要です。

単純に考えると、そのスイング軌道のイメージを通せれば正しい打ち出し角になり、スピン量を減らすことはできますが、実際にはトップからインパクトまでに体重移動が生じ、アドレスでスタンスの中心にあった回転軸はインパクトで左足の上に移動してしまいます。

トッププロしかできていないスピン量を減らすドライバーの打ち方

ドライバーは大きなスイングによって飛距離アップを狙うと、体重移動に伴い回転軸は左右に移動します。

一般的にスイングフォームの話をするときは、回転軸が固定されていて丸い弧を描くスイングを想定しますが、実際のスイングは軸が左右に移動するため楕円を描くスイング軌道になります。

アドレス時のドライバーのボールの位置は、左足内側のかかと延長線上です。

インパクトで回転軸が左足の上にあるとしたら、スイングの最下点はボールの下、つまり芝に挿しているティーの位置になってしまうはずです。

松山英樹プロのようにアドレスのときの回転軸の位置でインパクトができるかがアッパーブローの鍵となるわけですが、一般のゴルファーには難しいかもしれません。

つまり理論上は完成しているアッパーブローでも、実際のスイングではレベルブローになってしまいやすいため、希望通りにスピン量を減らすことにはつながらないということです。

ちなみにスタンスを狭くして回転軸の移動を制限すると、コマが回るように軸が固定されるため、スイング軌道はアッパーブローになりやすいです。

ただそれでは、肝心な飛距離がダウンすることが想像できるでしょう。

まずはボールの側面にしっかり当ててスピン量を減らす

松山プロ並みに体幹を持つゴルファーは、日本国内でもそうたくさんはいないと思われます。

それでもスピン量を抑えるドライバーショットは必要不可欠ですから、アッパーブローで減らす方法ではない打ち方を考えるしかありません。

プロゴルファーのスイングを見ると、インパクトで爪先立ちになっていたり、肩の位置や腰の位置がせり上がるようなスイングフォームをとっています。

実はこのフォームにスピン量を減らすカギがあります。

インパクトの瞬間を撮影した写真を見ると、明らかにアッパーブローではないインパクトをしています。

ボールの側面を叩いているような、またヘッドをかぶせるようなスイングをしているプロもいます。

それでも理想的な放物線を描いています。

アマチュアゴルファーは打ち出し角を14度以上にすべく、インパクトのときのフェースの角度をロフト角以上にしようとして苦労しているわけです。

それならそのままボールの側面をとらえても、打ち出し角が14度になる方法を取り入れてみましょう。

ドライバーのスピン量を減らすためにドライブをかける

ドライバーのスピン量を減らす究極の打ち方は、ボールの側面を上に擦ってドライブをかける方法です。

ドライバーに限らずゴルフクラブにはロフト角というフェース斜度があるため、インパクトしたときボールはその斜面を下から上に転がるためバックスピンがかかるわけです。

もしもインパクトでボールの側面を下から上に擦り上げることができたら、例えフェースに斜面があったとしても上から下に転がすことは可能です。

それはテニスや卓球で良く見るドライブショットです。

それをドライバーのヘッドでも行うわけです。

難しいように感じますが、テニスや卓球は飛んできたボールに対してドライブをかけています。

対してゴルフボールはティーの上で止まっていますから、練習さえすれば習得できます。

それができればロフト角によるスピン量は少なからず減らすことができますから、理想とする2400回転のスピン量も夢ではないはずです。

しかもボールの側面を打つスイングは、他のクラブと同じスイング軌道なので、ヘッドスピードの速さも維持できるでしょうから、飛距離も期待できるはずです。

ドライバーのスピン量を一気に減らす打ち方

ドライバーのスピン量を減らすためには、完全なアッパーブローのスイングがセオリーとなっていますが、実際にはアッパーブローで減らすことは難しいことです。

そうではなくインパクトでドライブをかける打ち方のほうが、バックスピンを相殺できるため一気にスピン量を減らすことができるのです。

インパクトイメージを変えることは決して容易ではありませんが、習得できれば飛距離はぐんと伸びるでしょう。