ユーティリティとフェアウェイウッド。初心者向けなのは?

ゴルフを始めたばかりの初心者は、どのクラブから練習しますか?

その考え方はいろいろだと思います。

しかし、いざラウンドとなると1本のクラブで回れるわけではありません。

少なくともティーショット、セカンドショット、サードショット、アプローチ、パターという組み立てが必要となるはずです。

その中で今回は、ティーショットやセカンドショットで使う、ユーティリティとフェアウェイウッドの有用性について見てみましょう。

初心者に必要なフェアウェイウッドとユーティリティ

まず、初心者のクラブセッティングというと、ドライバー、5番ウッド、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、ピッチングウェッジ、サンドウェッジ、パターのセットからのスタートが多いようです。

ドライバーはティーショットで必要ですから外せません。

次のセカンドショットでは、なかなかすぐにフェアウェイウッドは打てないので、7番くらいまで下げて、アイアンで刻んでいくというゴルフになるのかもしれません。

7番アイアンが簡単なのかというと必ずしもそうは言えず、ドライバーからサンドウェッジまでのクラブを並べたときに、ほぼシャフトの長さが中間にくる番手のため、まず中間クラブの7番アイアンを練習しようというのがセオリーです。

しかしドライバーの次が7番アイアンというと、初心者女性ではドライバー150ヤード、7番80ヤード程度でしょうか。

長いミドルやロングホールではまだ200ヤード近く残ることもあり得ます。

ずっとアイアンで刻んでいくことも一つの戦略ですが、なかなか距離を稼ぐことはできません。

そこで、初心者でもロングアイアンよりも簡単だと言われる短いフェアウェイウッドやユーティリティが多く出てきました。

その中から自分に合ったクラブを見つけ、活用していきましょう。

初心者にとってロングアイアン代わりのフェアウェイウッド

まずは、フェアウェイウッドから見ていきましょう。

フェアウェイウッドとは、読んで字のごとくフェアウェイから直に打つためのウッドです。

初心者で最初にセッティングとして入れるフェアウェイウッドは5番あたりだと思います。

3番ウッドも多くのゴルファーが入れていますが、3番ウッドはシャフトがドライバーの次に長く、芝から直接打つクラブの中で1番長いです。

そのため、クラブコントロールが難しくなかなか初心者に打てるクラブではありません。

その点、5番ウッドは3番ウッドに比べてシャフトが短く、アイアンよりもヘッドに奥行きがあるため、ボールが上がりやすい設計になっています。

5番より番手が下がって7番、9番、11番ウッドなど非力なゴルファーに向けたクラブも多くあります。

実際にフェアウェイウッドをラウンド中に使用する初心者はあまりいないかもしれません。

「当たるかどうか心配なクラブよりも、飛ばなくてもアイアンで」と考えるのは正解です。

しかしドライバーの後のショットをウッドで打ち距離を稼ぐことができたら、とてもアドバンテージを得られます。

次項ではフェアウェイウッドの基本的な打ち方をおさらいしてみましょう。

後半ではユーティリティとの比較もしてみます。

フェアウェイウッドはレベルブロースイングでコンパクトに

フェアウェイウッドが苦手という初心者は多いと思いますが、何故苦手なのかを考えてみましょう。

まず、ドライバーはティーアップして打つのに対して、セカンドショット以降で使おうとするフェアウェイウッドは直打ちとなり、アッパーブローで打つことはできません。

これはユーティリティにも同じことが言えます。

またアイアンよりもシャフトが長いため、上から打ち込むダウンブローもコントロールが難しくなります。

そうなると、いわゆるレベルブローで捉えることが一番適していると考えられます。

そのレベルブローとは、横から払い打つイメージです。

そうすることでクラブの性能が活かされ、飛距離も稼ぐことができます。

ロングアイアンをダウンブローで打てるようになることを思えば、軽いフェアウェイウッドを払い打つ練習のほうが易しいのではないでしょうか。

多くのことをたくさんにやろうとすると、初心者は混乱してしまうかもしれません。

フェアウェイウッドを練習するポイントとして、ソールをしっかり滑らせて振り抜くことだけを意識しましょう。

ゆっくりで構いません。

ボールの前にティーが刺さっているとしたら、インパクト後にそのティーを倒すくらいのイメージで振り抜きましょう。

初心者向けお助けクラブ、ユーティリティの登場

次はユーティリティを見てみましょう。

ユーティリティは、ウッドとアイアンの中間のような位置づけのクラブで、シャフトの長さもウッドより短く設計され、初心者や非力な女性が飛距離を稼ぎつつ使いやすいように開発されました。

初心者の中には、お助けクラブとして必ず1本はクラブセッティングに入れていることが多いようです。

では、ユーティリティは初心者でもすぐに打てる魔法のようなクラブかというと、決してそうではありません。

では、なぜユーティリティは初心者向けと言われるのかを考えてみましょう。

・シャフトがウッドよりも短くコントロールし易い
・アイアンよりソールが広いため、滑りやすく、ダフりにくい
・重心が深く、スイートスポットも広く設計されているので、ミスしてもある程度の距離が出る

このようなメリットが、フェアウェイウッドやアイアンに比べて、初心者向けだということになります。

これらメリットを活かすためにしっかりとユーティリティを打てるようになることは、初心者にとって大きな武器となります。

次項ではユーティリティの打ち方について見てみます。

ユーティリティは多少トップしても構わないという気持ちで

ユーティリティは初心者でも非力な女性でも比較的扱いやすく、フェアウェイウッドよりも飛距離は落ちるものの、ある程度稼ぐことができるよう設計されているクラブです。

初心者のうちは、クラブの性能を信じてごくごくシンプルにスイングするように心がけましょう。

ポイントを挙げてみます。

①アドレス編

アドレスはターゲットに対してスクエアに構え、体が開いたり閉じたりしていないこと。

スタンスも7番アイアンよりも少し広めにとり、重心は左右均等にかけます。

体重移動が上手くできないうちは、体の回転だけで打っても構いません。

ミート率を上げるほうがクラブの性能が活きてきます。

②ボールの位置編

ボールの位置は真ん中よりも左寄りにします。

ユーティリティはアイアンの延長と考えて上から打ち込んだほうが良いという意見もありますが、初心者はクラブコントロールがまだ上手くできないことが多いので、真ん中に置くとダフる可能性が高くなります。

ユーティリティを打つ場面ではトップになっても前に進んでくれたほうが良い場合が多いので、安産策という意味でも左寄りに置きましょう。

③スイング編

ユーティリティは低重心で、設計上ボールを捉えやすくしてあるので、無理にフルスイングしてミート率を下げるよりは、コンパクトに振りクラブに仕事をしてもらいましょう。

以上の3点をしっかり意識して、スイートスポットに当たるようになれば、自分のスイングでのイメージよりも飛距離も出ます。

他のクラブもそうですが、まずは芯で捉える練習をすることから始めましょう。

ユーティリティとフェアウェイウッドを入れたセッティング

ここまでフェアウェイウッドとユーティリティのそれぞれの特徴を見てきました。

似たような用途で使われることが多い両クラブですので、どのようなクラブセッティングにするかは自分の好みになります。

セオリーとしては、ロフト角が4度ずつ開いていくにつれて、10ヤード距離が落ちていくセッティングを目指しましょう。

初心者の女性のセッティングでは以下のような数値が基準にするのがオススメです。

クラブ種類/ロフト角/飛距離目安

ドライバー/13/150ヤード

5番ウッド/21/130ヤード

4番ユーティリティ/25/110ヤード

7番アイアン/36/90ヤード

9アイアン/44/70ヤード

PW/48/60ヤード

SW/56/40ヤード

パター

これらを軸に考えてみてはいかがでしょう。

初心者男性で100切りを目指すのであれば、以下のセッティングからアレンジしてみましょう。

ドライバー/9/220ヤード

3番ウッド/13/210ヤード

5番ウッド/17/200ヤード

7番ウッド/21/190ヤード

4番ユーティリティ/24/180ヤード

5番ユーティリティ/28/170ヤード

6番アイアン/32/160ヤード

7番アイアン/36/150ヤード

8番アイアン/40/140ヤード

9番アイアン/44/130ヤード

PW/48/120ヤード

AW/50/110ヤード

SW/54/100ヤード

パター

初心者はミスしないクラブをまずは3本作ろう!

初心者は、どのクラブも安定して球を捉えるということは難しいものです。

しかしその中でスコアメイクするには、まずはティーショットでOBを出さないこと。

そして、ショートアイアンにつなげるためにセカンドショットでユーティリティかフェアウェイウッドを使えるようになること。

これで、大きくスコアが変わってきます。

ユーティリティやフェアウェイウッドでパーオンはできなくとも、グリーン周りに運べるツールとして使えるようになりましょう。

そしてショートゲームでまとめることができれば、スコアにつながること間違いなしです。