アプローチでバックスピンのかけ方が分かっても使えない?

アプローチのときにバックスピンのかける打ち方は、多くのゴルファーの憧れのようです。

スピンのかけ方自体はそれほど難しくはありませんが、実践で使えるようになるまでには相当の練習量と期間が必要になります。

今回は誰でも簡単にバックスピンが打てる方法を紹介していきます。

アプローチでのバックスピンのかけ方を覚えよう

アプローチで意図せずにバックスピンがかかるのは万にひとつのことで、「狙う」ことがなければキュルキュルと戻ってくることはありません。

バックスピンをかける方法は、ボールの下部をフェースが滑り抜けて、通常よりも「擦り」を多くするイメージが強いかもしれませんが、この方法ではキュルキュルと戻ることはありません。

このスピンのかけ方だとスピン量は増えますが、バックスピンによる浮力でボールが高く上がって、落ちてくるころには回転数が少なくなるので、キュルキュルと戻るようなことはないのです。

グリーン面に落ちたときバックスピンをかけるためには、打ち出す角度が高すぎないことが必要です。

バックスピン量が落ちないうちに、グリーン面に着弾するようなアプローチショットを打たなくてはならないのです。

しかもロフト角を信じて過度なフェースの開きはせずに、両足を結ぶ線はオープンにして、両肩を結ぶ線は飛球線と平行に構えて、スイートスポットでインパクトができればバックスピンはかかるはずです。

アプローチでの簡単なバックスピンのかけ方

スタンダードなバックスピンのかけ方は、スイング軌道をアウトサイドインにすることです。

スイングを頭上から見たとき、ヘッドが2時の方向から8時の方向に抜けるのがアウトサイドインのスイングです。

これはスライスカットする打ち方なので、ボールを斜め切りするようにスイングします。

打ち出されたボールにスピンはかかりますが、主たるスピンはバックスピンよりもサイドスピンのほうが強いため、スライス回転することになります。

そこでバックスピン量を増やすために、オープンスタンスでアプローチショットを行います。

オープンスタンスにしたことで、アプローチショットを頭上から見ると、より角度のある1時から7時の方向へとヘッドが抜けていきます。

カット打ちの角度がついたことで、スピン量は増大するのですが、少しだけフェースを開くとバックスピン量が増えるので、スライスを抑止することができます。

これでバックスピンをかけるスイングの下地はできたわけですが、まだ方向性が安定していません。

バックスピンのかけ方のコツ

オープンスタンスでフェースを開くアプローチショットは、バックスピン量は増していますが、左方向に飛び出す可能性が高くなります。

これを修正する方法はフェースをターゲットに向けて、グリップをハンドファーストに構えます。

アウトサイドインのスイングでフェース面が左側を向いていれば、打ち出すボールは左方向へと飛び出します。

同じスイングでもフェース面がターゲットのほうを向いていれば、基本的にフェースの向きと同じ方向に飛び出すことになります。

あとはサイドスピンのかかり具合を見て、打ち出す方向を修正していけば、バックスピンの効いたアプローチショットが打てるはずです。

さらにハンドファーストに構えることで、インパクトのあとのヘッドの「抜け」がやさしくなり、いわゆる下から上に「しゃくる」ような動きを抑えることができます。

アウトサイドインによるバックスピンのかけ方のコツは、オープンスタンスをとる、スイング軌道はスタンスに合わせる、フェースはターゲットに面する、フェース面は軽く開く、この4点に注意することです。

アプローチ用のバックスピンのかけ方を覚えてもかからない?

運が良ければこのアウトサイドインのアプローチショットで、バックスピンのかけ方のコツをつかむことができるかもしれません。

しかしながら多くのケースではバックスピンによる浮力でボールは高く上がり、回転数が弱くなると浮力がなくなって落下してきます。

頂点から落ちてくるころには回転数が少なくなっているので、着弾したボールがキュルキュルと戻ってくる可能性は少なくなっているのです。

バックスピンのかけ方に間違いはありませんが、さらにフェースの先端側でインパクトをしなければならず、また手首を固定して左肘を抜くようにフォロースルーをとらなくてはいけません。

簡単にいうとバックスピンのかけ方が難しすぎて、グリーン面でキュルキュルと戻ってこないのです。

プロゴルファーのバックスピンのかけ方の多くは、このアプローチ法をとっているので、練習を重ねるといつかはキュルキュルと戻ってくる日が来るかもしれませんが、もう少し簡単な方法が最初に紹介した打ち方なのです。

バックスピンのかけ方は角溝のアプローチウェッジを使うだけ

シンプルなバックスピンのかけ方は、バックスピンがかかるアプローチウェッジを使うことです。

フェース面にある溝によって、バックスピンのかかりやすいものがあります。

あまりにキュルキュルと戻ることから、2010年にルール規制してしまいましたが、なんと2024年までは使っても良いことになっています。

この規制された角溝と呼ばれるタイプは、当然のことですが普通に打ってもバックスピンがかかります。

言ってみれば期間限定にはなりますが、とりあえず角溝のアプローチウェッジを手に入れれば、バックスピンはかけやすいでしょう。

正確な期限は2023年12月31日までです。

この期限までは使えることと、溝の経年劣化も考慮すれば、まずは角溝のアプローチウェッジを用意することが確実な方法です。

さらに現在のアプローチウェッジを溝彫りしてもらう方法もあります。

メンテナンスをしている工房に持ち込むと、好みに合わせた溝にしてくれるので、こちらもおすすめです。

これにウレタンカバーのボールを使えば、誰でも簡単にバックスピンをかけることができます。

アプローチウェッジでバックスピンのかけ方には練習が必要

普通に打てば誰でもバックスピンがかかる角溝のアプローチウェッジは、今のところ違反ではありませんがやがては使えなくなってしまいます。

そのときのために、やはりかけ方の練習は必要です。

基本的にはフェースを開くバックスピンのかけ方は、ミスショットを誘発するので、難易度が高いと思ったほうが良いでしょう。

そこでフェースを開くくらいなら、そのロフト角のウェッジを用意したらどうでしょうか。

58度や60度のウェッジをハンドファーストに構えて、オープンスタンスでボールを右に置いて、インサイドに振り抜くのです。

このとき左手首を固定していることが、絶対の条件になるので注意が必要です。

もちろんインパクトはスイートスポットです。

フェースの芯でとらえることで、スピン量が増大するだけではなく、打ち出すスピードが速くなるのでキャリーの時間が少なくて済みます。

この練習を今から続けていれば、2023年12月31日の規制期限までには、習得できているはずなので、角溝のアプローチウェッジを使いながら来るべき日のために練習をしましょう。

バックスピンのかけ方を覚えるより速攻性を選ぶ

誰しもバックスピンの効いたアプローチショットを打ちたいと思うものです。

ただしかけ方の理屈を知っても、実際にバックスピンがかかってキュルキュルと戻るまでには、相当な練習量が必要です。

期間は限定されますが、角溝のアプローチウェッジを使うことが確実で速攻性のある方法ですから、少しでも興味があれば手に入れてみてください。