劣化するウェッジの溝を再生させるための2つの方法とは?

ウェッジの溝が劣化すると、スピンをかけて打ったとしてもキュルキュルと戻ってくるようなことはなくなります。

そこで溝を再生してみると、普通に打ってもバックスピンをかかるようにもなります。

今回はウェッジの溝を再生する2つの方法を紹介していきます。

ウェッジの溝を常に再生できたらバックスピンをかけられる!

トッププロがグリーンをとらえたときにキュルキュルと逆回転をして、オーバーしたボールがカップに近づいてくるアプローチショットに憧れを持つ人は大勢います。

しかしながら同じように打っているつもりなのに一向に逆回転をする気配はなく、それどころかボールの飛んだ勢いでグリーンの奥へと転がっていくことがあります。

この場合には極力低い弾道でスピンをかけるようにすれば、2~3度バウンドしてから逆回転して戻ってくるボールになるでしょう。

つまり低い弾道でバックスピンをかけることが条件です。

高い弾道でスピンをかけても、落下するときには回転数が落ちてしまいやすく、残念ながら戻ってくることはほとんどありません。

もっとも打ち方もさることながら、ウェッジの性能も必要です。

バックスピンをかけようとするのであれば、最低限ウェッジの溝は新品状態にしておかなければなりません。

フェース面が磨り減るには相当な時間がかかりますが、溝が1回のアプローチショットで砂を噛むと欠けて、その効力が半減することもあります。

そのためウェッジは常にメンテナンスして再生させておくことが大切です。

そもそもウェッジの溝は簡単に劣化しないので再生を急ぐ必要はない?

ウェッジのフェースは磨り減ると言われますが、それは思い込みの部分が強く、実際にはボールを打ったくらいで磨り減ることはありません。

鉄球でも打っているのであれば多少は磨り減ることもあるでしょうが、現在のゴルフボールは3層から4層で作られていて、表面のカバーは柔らかいウレタンを使っているものが多くなっています。

エッジの効いた溝に当たると、ボールの表面が削れることはあっても、溝が削れてボールに付着することはありません。

確かに練習場でアプローチショット練習していると、ソールが削れて刻印の数字が薄くなることはあります。

しかしながらその症状は半年や1年でなったわけではなく、もっと長い期間ソールを擦っていなければ削れるようなことはありません。

メンテナンスに必要なのは磨り減ったフェースの再生ではなく、小石などによって欠けた溝を再生することです。

小石がウェッジの溝に挟まった状態でボールをインパクトすると、溝の角が変形したり欠けたりすることがあるからです。

ウェッジの溝を完璧に再生させるためには業者に依頼する

ウェッジの溝を再生するためには、溝を彫り直すための道具が必要です。

欠け方がひどい場合には、工房のあるメンテナンス業者のところに持ち込んで、溝切りをしてもらうしか術がありません。

ただどこでも溝切りをしているわけではないため、確認してから持ち込むようにしましょう。

価格は作業代金なのでピンキリですが、1本あたり5,000円から10,000円を目安にすると良いでしょう。

幅や深さを指定することができますし、欠けた溝の角も再生することができます。

ただし溝切りによって、ルールに抵触してしまう危険があるため、ルール違反にならないようにしなければなりません。

もちろん工房でもそのルールは知っているはずですが、依頼主がどの場面で使用するのかは分かりませんから、特別指定もなければリクエストのまま彫ってしまうことがあります。

なお新ルールに適合しているウェッジの溝は、溝幅が限度一杯に彫られているはずですから、それ以上溝切りすることができないので注意が必要です。

自分で作業すればウェッジの溝は再生させることができる

ウェッジの溝は自分でも再生させることができます。

溝の角が大きく欠けている場合は業者に持ち込むしかありませんが、角が甘くなってきている程度であれば、溝を擦るだけで再生できる道具が市販されています。

ガラスカッターのようなもので、先端部分がヤスリと同じ役割をしていて、溝にはめて擦るだけです。

ちょうどラインマーカーを引くような動きで、何度も擦ると溝が再生されていきます。

これもたくさんの種類が販売されているため価格もピンキリで、500円から2,000円程度まであるようです。

基本的には高いもののほうが溝切り効果が表れやすく、また製品としての耐久性もあると考えられます。

ちなみに「角溝」、「V溝」タイプがありますが、ウェッジの溝を加工することはほぼルール違反になることを覚悟された上で加工してください。

作業上の注意点ですが、力を入れてゴリゴリと削ろうとすると、溝から外れてフェース面をこすることがあります。

そうしてできたフェースの表面の引っかき傷は消すことができませんので、あまり力を入れずに擦るつもりで繰り返すことが失敗しないコツです。

溝を再生させるためには根気が必要!

ウェッジの溝は気がつかないうちに劣化してくるものです。

使用頻度にもよりますが半年や1年程度ならば、極端な劣化でスピンがかからないということはないはずです。

ただし、劣化は目に見えなくても確実に進んでいることは間違いありません。

再生しようと意気込んでウェッジを抱えて擦り続けるよりも、ラウンドや練習後に1回でも擦るようにすれば常に再生された状態を保てるはずです。

力を入れて一気に仕上げようとするから、溝から外れてフェース面を傷つけることに繋がるため、ラウンド中の待ち時間があるようなら、その時間を利用しても良いかもしれません。

要は大掛かりなメンテナンスではなく、日ごろの作業の中に取り入れることで、結果として再生されていくことが望ましいと考えられます。

なお、もっとも劣化するのは砂の中でボールを打つサンドウェッジですから、小まめな作業をするようにしましょう。

ウェッジの溝を再生してもルール適用までには期間がある

ウェッジの溝を再生することと、新しく角の立った溝を作ることは違います。

溝を再生すると言っても、ウェッジのヘッドは鉄でできていますから、旋盤のように簡単に削ることはできません。

暇のあるときに削り機の先端を溝に当てて擦ることで、経年劣化分を再生していくことができていると考えることが大切です。

一方で新しく溝を彫る場合には、ルールに抵触しないかを確認することが大切です。

すでに溝の幅は設計段階でルールの上限ギリギリまで削っているため、削れる部分がないと考えられます。

ただし日本アマなどのトップ競技では2014年以降の使用は禁止されていますが、一般のアマチュアの競技でのルールの適用は最大で2023年12月31日まで猶予されています。

そのため一般ゴルファーの場合には、それまで角溝のフェースでも問題なく使うことができます。

またプライベートのラウンドであれば、同伴者さえOKであれば、それ以降も使うことはできます。

なによりもウェッジのソールが磨り減るように、ウェッジにも寿命があるため、ルール改正のころには新しいウェッジを手にしているかもしれません。

業者依頼と自作の2つのウェッジ溝再生方法

スピンの効きが物足りないときは、ウェッジの溝を再生するとスピンは復活します。

業者に依頼すると、再生というよりも新しく角を作ってもらうことができます。

自分で作業する場合は、市販の溝削りを購入し暇を見つけて擦るだけで再生することができます。

競技に出場されるようなゴルファーはルール違反だと疑われぬよう、買い替えていくのが賢明かもしれません。