アイアンやウェッジのシャフト選びはどうされていますか?
ヘッドスピードを頼りにフレックスを選んでいるゴルファーが多いと思われます。
実はそう簡単に決めるものではなく、シャフト選びをもっと深く考えるだけで、スイングや打球の安定に繋がります。
今回はアイアンとウェッジのシャフトの選び方を考えます。
シャフトの重量がクラブセッティングのポイント
ゴルフクラブは、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジ、パターから、14本を最大として組み合わせて使います。
そのクラブセッティングを決めるに当たり、飛距離の間隔を見る必要があることは知っているでしょう。
その他で大切なこととして、クラブのバランスの統一と重量フローが挙げられます。
今回は、シャフトの選び方に注目して話を進めますが、影響が特にあるのが重量フローです。
なぜ、重量フローが重要なのでしょうか。
重量フローとは、短くなるにつれ少しずつ重くしていくことを言います。
クラブの部品は、ヘッド、シャフト、グリップに分かれます。
一般的には、ヘッドの重さは設計コンセプトが違わない限り大きく変わりません。
各番手毎におよそ7グラム差で作られています。
この差が重量フローの肝となります。
グリップの重さを選ぶことはできますが、クラブ毎に変えることはしません。
そしてシャフトも重量差を出さないことで、理想的な重量フローが成り立つと考えられてきました。
ただ最近は重量フローの差を大きくする分には問題ないとされ、ショートアイアンになるにつれ、重めに設計された特殊シャフトも登場しています。
つまりクラブ重量の変化を大きく左右するのは、超軽量50グラム程度から120グラムといった重量帯まであるシャフトというわけです。
重量フローで大切なことは、長い番手から短い番手へ短くなるにつれて重くなることが重要であり、重量の差を揃えることが目的ではありません。
アイアンとウェッジのシャフトの選び方が大切な理由
シャフトを選ぶ上で特にアイアンとウェッジのシャフトは非常に重要です。
それではなぜ重要になるのでしょうか。
まず、パターを除く13本の中で使用頻度が多くなるのがアイアン、ウェッジだからです。
ミドルからショートアイアンはコントロールショット、ウェッジは多彩なアプローチやバンカーショットに使います。
どちらも飛距離ではなく、正確にターゲットにボールを運ぶために、自分の感覚を正確にクラブヘッドに伝えることが求められます。
その自分の手元の感覚をヘッドに伝えてくれるのがシャフトの役目です。
つまり、簡単にアイアンやウェッジのシャフトを選んでしまうと、正しく自分の感覚が伝わらず、ミスショットを誘発してしまうことに繋がります。
アマチュアゴルファーの中にはあまりこだわらない人もいますが、ここにこだわりを持つことがクラブセッティング全体に大きな影響を与えてきます。
アイアンのシャフトがすべての基準になる
クラブセッティングを決める場合、どのクラブを基準にして決めるべきでしょうか。
ドライバーを基準にパターまでのクラブを決めますか。
それともパターを基準にドライバーまでのクラブを決めますか。
そうではありません。
どちらでもなくUTから上の番手やウェッジを選ぶ場合は、『アイアンの延長線で考える』ということです。
もちろん飛距離に関しては、ロフト角を基準にしてアイアンを用いて考えます。
同様にシャフトもアイアンを基準にシャフトの素材、重量、フレックスを決めるべきです。
もしもアイアンのシャフト選びを何となく、もしくは適当に決めてしまったらどうでしょうか。
その他、すべてのクラブのシャフトも何となく適当が基準となり決まっていくのです。
つまり、アイアンのシャフト選びで妥協しないことが、クラブセッティング全体をより自分に合ったものにできるということです。
シャフトの種類と組み合わせ方
それでは、アイアンのシャフトについて簡単に説明をしていきます。
シャフトの種類は大きく分けると、スチール、軽量スチール、重量カーボン、カーボンがあります。
スチールは硬めで重め、カーボンが軟らかめで軽めと考えてください。
硬いほど自分の手元の動きがダイレクトにクラブヘッドへ伝わりやすく、軟らかいほどシャフトのしなりを利用して打つことになります。
つまり、自分で操作したいかクラブに仕事をさせたいかによって選ぶこともできます。
ただし、通常のカーボンを用いたシャフトは適正ヘッドスピードが遅いため、しっかりとヘッドスピードが出せるゴルファーは数少ない重量カーボンか、スチールを選ぶと良いでしょう。
一般的には、アイアンセットはすべてのシャフトを統一します。
しかし、利用目的によって組み合わせを変えることも大切です。
例えば、『ロングアイアンは飛距離重視のため、ヘッドが走りやすいようにフレックスを軟らかくする。』、『基本的には重量カーボンを使っているが、ショートアイアンだけはスチールにしてタイミングをとりやすくする。』といったことも検討できます。
こだわりが無ければ統一するのが理想ですが、このようにアイアンによってシャフトを変えることも可能であることを知っておきましょう。
ショートアイアンはウェッジのシャフト選びにも影響してきますので、その点も考えましょう。
ウェッジのシャフトの選び方の基本
アイアンの流れを引き継いでウェッジのシャフト選びすることが基本です。
つまり、ピッチングウェッジより重くなるようにシャフトを選んでいくことになります。
重量フローを考えていくことは重要ですが、ウェッジはクラブの中でも特殊です。
少し前までは、アイアンセットの中にウェッジも組み込まれていましたが、最近は異なります。
ウェッジはアイアンとは別物と考えられており、クラブの重さを利用して打つことが大切だと言われています。
フルショットをほとんどしないことを考えれば、切り離しても問題はないはずです。
そのため、アイアンに比べてかなり重いウェッジを選ぶゴルファーも増えています。
確かにアイアンとは別物と考えて問題はありませんが、飛距離という観点では流れを切らないことは大切です。
特にアイアンの飛距離性能アップ、ストロングロフト化によって、ウェッジでアプローチ以外を打つ機会が増えています。
つまり極端にウェッジのシャフトを重く、硬くすると、ピッチングウェッジで高い距離調整力が求められてしまいます。
そのため、重くし過ぎることなくアイアンの流れを引き継いでシャフト選びをすることをおすすめします。
基本的にはピッチングウェッジよりプラス10グラム程度の範囲で重く、硬いものにするとバランスが良くなるでしょう。
ウェッジのロフトとバンスの選び方
シャフトの選び方について話をしましたが、ウェッジはシャフトの他にロフト角とバンス角にも注意を払ってください。
少しシャフトの重量から話が逸れますが、アイアンからの流れを引き継いだクラブ選びではとても重要になります。
まずロフト角ですが、ピッチングウェッジを基準に決めていくことが重要です。
初心者ゴルファーには52度に、56度か58度といった組み合わせが推奨されますが、飛距離だけを考えた場合はピッチングウェッジのロフト角から4度ないしは6度間隔で選ぶと良いでしょう。
そのロフト角の間隔はウェッジを2本にするか3本にするかで決めていけば良いです。
次にバンス角についてです。
一般的にハイバンスのほうが簡単ですすめられることが多いはずです。
しかし、すべてのウェッジをハイバンスにすることはリスクがあります。
一般的にバンス角が有効に働くのはバンカーショットのときです。
逆に、冬のフェアウェイやベアグラウンドからハイバンスで打とうとすると、バンスが跳ねすぎてしまいミスショットに繋がることがあります。
そのためバンカーショット用のウェッジはバンス角を大きく、50度や52度などアプローチや100ヤード以下の通常のショットで使う場合は、ローバンスやミドルバンスにすると良いでしょう。
シャフト選びは奥が深い
シャフト選びはスイングやボールの球筋にも影響しますが、お伝えしたようにクラブ全体に影響を及ぼします。
特にアイアンはすべての基準になりますので、できるだけ自分に合ったシャフト選びを心がけましょう。
アイアンの重さを決めると、そこから重量フローの考え方でドライバースペックもすぐ見えてきます。