アイアンの重量配分は番手間で統一したものを使おう!

アイアンの重量は番手によって違います。

ウェッジに近づくほど重くなり、飛距離を求めるものほど軽くなるようにセッティングされています。

そう並んでいるのには大切な理由があるからです。

今回は総重量が変わらなくても重さの違いを感じる理由、そして重量で大事な統一感についてまとめます。

番手によってアイアンの長さと重量はどう違うのか?

アイアンはモデル違いによってはもちろんのこと、番手によって長さや重量が違っています。

アイアンの長さは番手間で半(0.5)インチ刻みになっているのが一般的で、ウェッジに近づくほど短くなっていきます。

そのシャフトの長さは飛距離にも直結するため、シャフトの長い番手ほど飛距離が得られるということです。

一方重量は番手間でおよそ7グラム刻みになっていて、ウェッジに近づくほど重くなっていきます。

一般的に基準となる番手は5番アイアンです。

ヘッドスピードにより違ってきますが、ドライバーに約100グラムプラスすると5番アイアンの重量となるように設定し、そこから半インチ短くなるごとに7グラムずつ重くなっていくと、バランスの良いゴルフクラブのセットが出来上がります。

全重量が重いか軽いかの評価は、個々のプレーヤーによって違います。

1キログラムの品物を持って重いと感じ入る人がいれば、5キロのダンベルでも軽いという人もいます。

それはゴルフクラブも同じことで、わずか数グラムの重量の違いでも、重さの評価は違ってくるようです。

同じ番手で同じタイプのアイアンの重量が違うと感じる理由

同じ番手のアイアンで重量も同じなのに、重さが違うように感じることがあります。

ヘッドが重いと感じるときはアイアン自体が重く感じますし、逆にヘッドが軽いと全体的に軽いと感じます。

これはシャフトの先端が重いと、スイングしたときにその重さが外方向に進もうとする遠心力が働き、実際の重量以上の負荷がかかるからです。

逆にグリップ側が重いと重心が手元に来てヘッド側が相対的に軽くなるため、アイアンが軽いと感じられるようになります。

もちろん実際の重量は同じものであっても、重量配分だけを変えただけで感じる重さが変わってくるわけです。

そして自分では重たいと思った重量のバランスが、他の人には軽いと感じることもあります。

ゴルフクラブの重量はドライバーが300グラム程度、軽量スチールの5番アイアンで400グラム程度ですから、500ミリリットルのペットボトルより軽いため、振り回さなければビックリするほど重いと感じることはないはずです。

ただ重さの半分以上を占めるヘッドに振り回されると感じることがあるため、もしかすると数グラムの差が何倍にも感じることがあるのかもしれません。

同じ長さのアイアンで感じる重量が違うのはバランスの影響

同じ番手で同じモデルのアイアンなのに重量が違うと感じるのは、バランスが違うからです。

初心者はヘッドに重さがあると、「ヘッドが効いている」ためオートマチックに合わせやすく、またインパクトでの直進性が強くなるので球筋も安定します。

一方上級者はグリップ側に重さを感じるアイアンを好みます。

なぜならヘッドが軽く感じることで、自分の意思でコントロールが効き、多彩なショットが可能になるからです。

単純に重量を感じるだけではなく、その重量配分によってアイアンへの信頼感が生まれることから、ゴルファーにとってバランスは重要なものだと言えます。

また、同じ番手で同じモデルで重量もバランスも一緒なのに、重さが違うと感じる場合があります。

それはシャフトのしなり方の違いによるものです。

シャフトが曲がる箇所をキックポイントと言います。

グリップを握ってヘッドを左右に振ると、わずかにシャフトがしなり、重量以上にヘッドの重さを感じることがあるでしょう。

シャフトの先端側で曲がると先調子、グリップ側で曲がると手元調子に分類されます。

キックポイント違いによって同一番手同一重量でも感覚が変わる

同じモデルで同じ番手、重量やバランスが一緒でも、重さが違うと感じるのはキックポイントの違いよるものです。

シャフトの先端側がしなる場合は、ヘッドが効いて重量以上の重さを感じます。

対して手元側がしなる場合は、ヘッドの効きを感じにくく、重量よりも軽く感じることがあります。

もちろんどちらも同じ重量ですが、シャフトが曲がる位置によっても違った重量に感じることがあるわけです。

「感じることがある」というよりも、実際にはこのキックポイントの相性が、重量を感じるか否かを判断するところになります。

5番アイアンの重量幅は、350グラムから430グラムが一般的です。

ドライバーとの兼ね合いで400グラムのアイアンを選択したときに軽いと感じたら、ヘッドに3グラム程度の鉛板をつけてみてください。

そうするとバランスが変わって、重いアイアンに変身するはずです。

逆に重いと感じた場合には、グリップ側のシャフトに鉛テープを巻けば手元に重量が集まって、全体的に重量が軽くなったと感じることができるでしょう。

アイアンは番手ごとに重量を変えると扱いにくい!

アイアンの重量は、番手間で均等に刻んでいるのが扱いやすいと言われています。

この番手間の刻みは、アイアンにとらわれずにパターを除く13本のクラブ全体で統一されていると、スイング軌道が乱れることがなくなります。

「このアイアンは重い」「こっちのアイアンはヘッドが効く」「これはヘッドが捌きやすい」と、それぞれの目的に合わせて微調整してバランスを変えてしまうと、かえって使いにくくなる場面が出てきます。

例えば5番アイアンの設定は直進性に優れるように、ヘッドを重くしたバランスになっているとします。

そして7番アイアンはフェードやドローを打ち分けられるように、ヘッドを軽くしているとします。

それでは、6番アイアンの設定はどうすべきでしょうか。

5番アイアンに近づけるのか、7番アイアンに近づけるのかを決めることは難しいはずです。

クラブ全体が同じバランスになっていれば、あとは打ち方でカバーしたほうがかえって安心することができるのではないでしょうか。

グラフにアイアンの番手重量を落とし込もう!

アイアンの重量が気になるときは、実際に量ってみると良いかもしれません。

特に数年経過したアイアンは、グリップ交換もしているでしょうから、グリップ側の重量が変わっている場合があります。

もっとも重くなるウェッジでも500グラムに満たないでしょうから、家庭用のアナログ計量秤でも計測することができます。

そこで番手ごとに重さを量って、数値をグラフ化しましょう。

縦軸を重量、横軸をシャフトの長さにすると、右下がりの折れ線グラフができます。

それが右下がりの限りなく真っ直ぐに近い線になっていれば、すばらしく違和感のないセットの証です。

一方折れ線グラフのポイントが乱高下するようなら、何らかの補正が必要です。

簡単な補正は、前述した鉛板を使ったものです。

ただし極端にバラつきがあるようなら、グリップの重量を精査する必要性もあるため、メンテナンス専門の工房に持ち込んだほうが確実かもしれません。

どちらにしても、グラフが右下がりの1本線になるかをチェックすることをおすすめします。

アイアンは番手ごとにバランスを変えてはダメ!

アイアンのバランスが番手ごとに違うと、かえって扱いにくくなります。

自分の番手ごとの目的に合わせてセッティングすると統一感がなくなり、極端な話、5番アイアンと6番アイアンを手にして、迷って選択したときに打ち方まで変えなくてはならなくなります。

そういったことで悩まないためにも、全体のバランスが取れているか、グラフ化してチェックしてみることをおすすめします。