アイアンを塗装してもインパクトの衝撃で剥がれてしまうものです。
それを承知でメンテナンスを楽しみながら行う人もいますし、剥がれにくい塗料を使って綺麗に仕上げる方法もあります。
今回はアイアンの塗装の仕方と、ワングレード高いドレスアップする方法を紹介します。
車のボディと同じ塗装方法をアイアンにすれば剥がれない?
新品だったころのアイアンの輝きが失われてきたら、新たに塗装を施して輝きを蘇らせてみませんか。
一般的な塗料(ペンキ)をアイアンのヘッドに塗装した場合は綺麗に仕上がりますが、ボールを打つとそのインパクトの衝撃で剥がれてしまうことでしょう。
下地処理をすればある程度の耐久性はあるかもしれませんが、芝下のグラウンドまで削り取るスイングには耐え切れません。
また時には、キャディバッグの中でアイアン同士がぶつかり合うことでも傷がつき、塗装が剥がれてしまうこともあるでしょう。
そんなとき焼付塗装をしてくれる業者に依頼すると、ある程度の強度を保つことができます。
車のボディの塗装と同じ方法でアイアンに塗装をするわけですが、さらにこだわるとメッキ処理して艶ありや艶消しなどを選ぶこともできます。
ただ自分で作業をするのであれば、焼付塗装は難しいかもしれません。
焼付をするためには、140~200度で20分程度は熱を加えることができる設備が必要なため、1度きりの塗装であれば業者に依頼したほうが安上がりなはずです。
自分でアイアンの塗装をする簡単な方法
アイアンの塗装を自分で行なう場合、もっとも有名なのがガンブルー塗装です。
通常アイアンに含まれる鉄分が酸化をすると赤錆が浮き出てきます。
その赤錆が出てこないようにするために、黒錆を強制付着させてアイアンの表面に皮膜を作るのがガンブルー塗装です。
「ガンブルー」という名称からお気づきかもしれませんが、鉄砲が錆びないようにするための塗料として使われていたものです。
当初は青インクのような色合いだったため「ブルー」という名称がついていますが、ご存知の通り鉄砲は黒色なのでガンブラックといったほうが良さそうです。
ガンブルーは鉄に反応するため、赤錆が浮き出てくる軟鉄タイプのアイアンを塗装するときに使います。
塗装方法は、サンドペーパーで赤錆の元を綺麗に取り除き、それから中性洗剤で表面を脱脂します。
水気がとれたらアイスパックなどでアイアンヘッドを冷やしてから、ガンブルーを表面に付着させます。
その後、乾燥してから防錆潤滑剤を吹き付けて、布で磨くとピカピカになります。
アイアンのガンブルー塗装のメンテナンス方法は面倒か?
軟鉄タイプのアイアンの場合にはガンブルー塗装が一般的ですが、赤錆と違い黒錆はすぐに剥がれてきます。
特にソール部分は、練習場の人工芝やコースの目土などで削れるため、手間をかけて塗装した割には意外なほど簡単に剥がれてしまうものです。
ただガンブルー塗装は赤錆を防ぐことが目的なわけですから、見た目で塗装が剥がれたとしても、アイアンに赤錆が浮いてこなければ問題はないはずです。
そのため黒錆の効果を考えて、剥がれたことに対して神経質ならないことが大事です。
鉄砲であれば1回使用したらメンテナンスをするかもしれませんが、アイアンのガンブルー塗装は、面倒でも一定のサイクルで現行の黒錆を全部剥がしてから、あらためて塗る方法が一般的です。
ただ初期の目的であった「新品の輝き」を考えると、1回使って使用感が出てしまうようでは物足りないかもしれません。
そんなときは簡単に塗装ができて、しかも剥がれにくいナノ塗料を使ってみましょう。
アイアンに塗っても剥がれないナノ塗料の塗装方法は簡単!
科学の進歩は著しいものがあり、表面に顔料を付着させる塗料なのに、「染み込む」と評されるほど粒子の細かなナノ塗料なるものがあります。
一般的な塗料は硬化すると板状になるため、曲げたり折ったりするとヒビが入り剥がれてしまいます。
ところがナノ塗料は、鉄製品はもちろんのこと、革ジャンパーや折紙などに吹きかけて乾燥させても剥がれることはありません。
まさに染み込むようにアイアンに付着することから、塗装時の状態を保つことができるのです。
様々なカラーがあり、シルバーやブラックだけではなく、ダークブルーやダークブラウンなど、オリジナル感のある自分だけのアイアンに仕上げることができます。
メーカーによってはつや消しタイプもあるので、好みに合わせて選べるでしょう。
また塗装方法は全く難しくなく、スプレーして空拭きして磨くだけです。
ただし室内でスプレーすると、噴霧した粒子が漂って壁や床を汚す可能性があるので、庭や車庫、ベランダなど屋外で作業するようにしましょう。
豪華に見える鏡面磨きで仕上げたアイアンに塗装する方法
ナノ塗装はアイアンにそのままスプレーすれば良いだけですが、せっかく塗るのですから光り輝く鏡面磨きでアイアンを仕上げてみることをおすすめします。
鏡面磨きをするのは、バックフェースやトップブレードまたはフェース面のスコアライン外の部分です。
打面は高速で砂の粒子を当ててつや消し状態にしているのですが、構えたときに太陽光が反射しないように作られていますから磨いてはいけません。
それ以外の部分を磨くわけですが、粒子の細かなサンドペーパーでは、とても鏡のようには仕上がりません。
鏡面仕上げ用の液状のコンパウンドがあるので、リューターや電動ドライバーにパフをつけて、コンパウンドで磨き上げていきます。
ダイヤモンドペーストと呼ばれる粒子の細かなコンパウンドは、60000番を使えば鏡のような仕上がりになりますが、アイアンの表面に傷が多いようなら14000番を使った後で60000番を使うとすぐに鏡に変身します。
磨き上げたらその上からナノ塗料のクリアタイプを吹きかけると、薄い皮膜ができて錆などからガードしてくれます。
アイアンをドレスアップする方法としてのマニキュア塗装
アイアンの塗装に入る前に、番手の刻印やメーカー名やモデル名などの文字が薄くなっているようなら、アイアン用のマニキュアを塗ってからクリアスプレーをかけると、引き締まった感じがするはずです。
アイアンの番手を表す数字は、大抵黒色か白色で着色されていますが、あえてオレンジやパープルなどを入れるとオリジナル感が出せます。
もちろん赤色や青色など、マニキュアにある色なら何でもOKですが、そのあともメンテナンスできるようにするためには、既存の色をそのまま使ったほうが良いでしょう。
もしも奥さんや彼女が使っていないようなマニュキュアがあればそれを使っても良いでしょう。
ラメ入りだとかなり独特に仕上げられます。
そんなマニキュアの塗る方法は、いわゆるベタ塗りで刻印の中に色を入れ、あとからはみ出している表面の色を除光液で拭き取るだけです。
完全に乾くまで約1日放置してから、クリアスプレーをかけると完成です。
ちなみにパステル色の薄い黄色や水色は、先に白色を入れて乾燥させ、それから好みの色を入れると綺麗に仕上がります。
そう頻繁に塗装する機会はないでしょうから、ひと手間かけることをおすすめします。
単に綺麗になっただけではなく、オリジナル感のあるアイアンを作ることができるはずです。
アイアンの塗装方法は塗る楽しみか耐久性かで選ぶ?
アイアンを塗装する方法はいくつかありますが、塗った状態を完全に維持することはできません。
塗装することを楽しむのであればガンブルー塗装がおすすめですし、とにかく剥がれにくい塗装を求めるのであればナノ塗料が良いでしょう。
塗装ついでにマニキュアを使ってドレスアップすると、素敵な出来映えになるはずです。