パターのレベルアップは、ゴルフのラウンドでのスコアアップのためには必須の条件と言っても過言ではありません。
そのパターには様々な種類があり、打ち方自体もかなり個性が出てきます。
微妙なタッチが要求されるが故ではありますが、今回は基本的事項と合わせて、特にスパイダーと呼ばれるパターの打ち方に着目してお話しします。
ゴルフにおけるパターの重要性
ゴルフではティーショットやアプローチなどラウンドに必要なショットはあります。
ティーショットが真っ直ぐ遠くに飛べば気持ち良いですし、さらにセカンドショットもうまくいき、アプローチでうまくグリーンオンできれば、今日の調子は最高と考えるでしょう。
しかしゴルフはボールをカップインして初めてホールアウトできる競技であります。
1メートル以内のショートパットなど、距離が近いから簡単に入るだろうと思っていても、なかなか思うように打てないことが多く、ここぞというときのショートパットほど外してしまいがちです。
このことは、プロの試合を見ていても分かるでしょう。
パターを真っ直ぐ打つということだけでも非常に難しいことで、距離感をつかむのもある程度の経験が必要になってきます。
そのためカップインさせるためにはパターの基本的な技術の習得が必須になってきます。
またパターには、ピン型やスパイダーを含むマレット型といった色々な種類があります。
その種類の違いで打ち方が違ってきますので、特徴や打ち方を押さえていきましょう。
パターの基本的な打ち方
パターの基本的な技術としては、まず「真っ直ぐに打つ」打ち方を覚えることが必要になってきます。
パターを真っ直ぐに打つためには、以下の点に留意する必要があります。
①ボールの位置
アドレス時において、ボールの位置が重要になってきます。
パターの場合、ボールは両足の幅の真ん中に置くのではなく、少し左側に置いたほうが良いと言われています。
これはパターのインパクトが、真っ直ぐ打てているかを確認でき、フェースを真っ直ぐにボールに当てやすくなるからです。
②アドレスとスタンスの方法
パッティングの際のスタンスとしては、下半身が安定すれば良いため、肩幅ぐらいにスタンスが基本です。
またアドレスでは前傾姿勢になりますが、ボールを頭、目線の下、もしくは外側に来るようにアドレスを取りましょう。
あまりに前傾姿勢が大きすぎて、ボールをのぞき込むような姿勢になってしまうと、ボールをひっかけやすくなり、真っ直ぐボールを打ち出すことができないようになってしまします。
基本的な打ち方は以上ですが、スパイダーのような種類によって少し打ち方が違う部分があります。
この点は後述します。
パターの種類の違い
パターには、大きく分けて次の種類のパターがあります。
①ピン型パター
パターで多く利用されている種類の一つがピン型パターです。
登場したのは1950年代です。
それまではL時型パターが主流でしたが、アイアンのようにヘッドのヒールからシャフトが伸びる形となっていたため、ストロークの際にヘッドのスイートスポットをとらえにくい面がありました。
このことを改善するために、L字型パターよりスイートスポットを広げたヘッドのパターをPING GOLF社が開発しました。
これにより、ストローク時にスイートスポットにヒットしやすいパターとしてピン型パターが登場しました。
②マレット型パター
ピン型パターもスイートスポットは広くなっていますが、さらにスイートスポットを広くしたパターとしてマレット型パターが登場しました。
スイートスポットを広げるため、ピン型よりも大きなヘッド、スイートスポットを外してもボールが十分転がってくれるといったことから急速に普及しました。
なおマレット型にも2種類あり、通常のマレット型とネオマレット型という種類があります。
特にネオマレット型パターの代表として、スパイダーがあります。
このようにマレット型パターとピン型パターは、構造が違います。
そのため、打ち方も違ってくるのです。
スパイダーのようなマレット型とピン型の打ち方の違い
ピン型パターとマレット型パターはどちらも近年主流のパターですが、その構造の違いから打ち方が少し違います。
またマレット型パターでもスパイダーのようなネオマレット型のものも同じマレット型でも打ち方が少し変わってきます。
ピン型パターはヘッドの重心のバランスが良く、多少スイートスポットを外れてもボールは直進してくれるパターであり、真っ直ぐにストロークしなくとも、弧を描くような軌道で包み込んでパッティングできます。
一方マレット型、特にスパイダーのようなネオマレット型パターに関しては、ヘッドが従来型のものより大きく重いという特徴があり、以下の点で打ち方に留意する必要があります。
まず、グリップを短く持ち、ハンドファーストに構えます。
ネオマレット型パターは、従来型と比べてヘッドが重くなっており、グリップを長く持ってしまうと、どうしても手打ちになりやすくなってしまいます。
手打ちになることを防止するため、グリップを短く持ち、ハンドファーストに構えることによって、スムーズにストロークができるようになるでしょう。
次に、ストレートなストロークを心掛ける必要があります。
ネオマレット型パターは、ヘッドが大きい分、直進性が従来型よりも優れています。
従ってストロークも従来型より、さらにストレートな軌道で行う必要があります。
スパイダーの打ち方の練習方法
パターの基本的な打ち方は、前に紹介した通りですが、スパイダーの打ち方を覚えるためにはやはり一定の練習が必要です。
練習はパターマットが中心になるかと思いますが、短い距離と長い距離に分けて考えてみましょう。
まず短い距離のパターは、距離感を計測するのは分かりやすいでしょう。
ただ実際にボールを打つ際のラインの読み方や、そもそものパットを思った方向に打つ技術は体得しておく必要があります。
思った方向へボールを打ち出す練習方法としては、1~2m程度のパターマットを利用し、自宅にてショートパットの反復練習を行うのがおすすめです。
次に、ロングパターではまず正確な距離をつかむ必要があります。
長い距離の場合、目測では距離感はつかみにくいので、普段の練習から歩測を行っておくと良いでしょう。
自宅練習でのパターマットは、長さが決まっており、例えば1.5mのパターマットであればカップまでの歩数が3歩などというように、自分が良く練習している距離での歩数を把握しておくということです。
このように事前に歩数を把握しておけば、実際のラウンドにおいても、ボールからカップまでの距離を正確に測ることができるようになります。
また歩く過程で距離のみならず、ラインの状況も同時に分かってくるようになるでしょう。
歩測により距離やラインが読めるようになると、後はどれぐらいの強さで打てば良いかを考えればOKです。
最新のスパイダーについて
前述までは、スパイダーの構造や基本的な打ち方を見てきました。
本項では、最新のスパイダーを見ていきます。
パターは年々進化しており、打ちやすさや機能性の向上は目覚ましいものがあります。
2019年は、プロの間でもスパイダーが見直される年となりました。
特にテーラーメイドのスパイダーXは2019年の登場と同時にプロの間での利用者が増えてきております。
その特長は、ミスを許容するヒッティングエリアをトウ寄りにずらして設計していることです。
しっかり打ちたいときほど、トウ寄りのヒットが増えるというデータに基づいているようです。
ミスをしてもトウ寄りはある程度カバーできるとされており、スパイダーXはこの点を意識しての構造になっているのです。
多少ミスヒットしてもボールが転がってくれるため、遅めのグリーンほど利用価値はあると言われています。
このようなスパイダーXのように、同じネオマレット型でも、その年ごとに新しいコンセプトのパターが登場してきますので、自分に合ったパターを探すためにも常に最新パターの情報も確認していきましょう。
それぞれのパターの打ち方を覚えてスコアアップを目指そう
パターには色々な種類がありますが、今の種類の一つにスパイダーがあります。
最新のモデルも話題になっていますので、自分のプレースタイルと合うかを確認して、活用することをおすすめします。
その前提にパターの基本を忘れないでください。