ドライバーのロフト角の選び方はヘッドスピードを参考にすることが多いようですが、ほかにも基準となる項目はあります。
特にドライバーの場合にはアッパーブローのブロー角を考慮しなければなりません。
今回はドライバーのロフト角の選び方を紹介します。
ドライバーのロフト角の選び方は技量とヘッドスピードを参考
ドライバーのロフト角の選び方は、ゴルファーの技量とヘッドスピードの速さが関係してきます。
基本的にドライバーのインパクトは、アッパーブローでなければなりません。
その理由はドライバーのロフト角と打ち出し角に差があるからです。
一般的な男性用ドライバーのロフト角は9度~12度までですが、必要な打ち出し角は14度~18度です。
仮にロフト角10度のドライバーで、15度の打ち出し角にするには、5度のアッパーブローが必要になるということです。
理論的には理解できても、実際にはボールの側面を打ってしまい、思うようなアッパーブローになっていないことが多いようです。
結果として打ち出したボールは着弾が早まり、強いインパクトの割りには飛距離が伸びません。
そこでロフト角が12度のドライバーを選んでみましょう。
すると打ち出し角との差はパターのロフト角の3度と同程度なので、極端にアッパーブローを意識しなくても狙い通りの角度で打ち出すことができるはずです。
ドライバーのロフト角の選び方はアッパーブローで決まる
ロフト角12度のドライバーのほうが飛距離は伸びていると感じるゴルファーは、スイング軌道がアッパーブローになっていないのが原因です。
これはティーショットでのクラブの選び方を、ドライバーよりもスプーンにしたほうが飛ぶのと同じことですし、フェアウェイでスプーンとバフィの飛距離が変わらないのと同じことです。
適正な打ち出し角でないと、放物線の頂点に達する前に失速してしまいます。
元々球体は、物理計算上、45度の角度で打ち出すともっとも飛距離が長くなるわけです。
しかしゴルフボールは大気中をバックスピンがかかった状態で打ち出し、その逆回転によってボールに浮力が備わります。
したがって本来は45度でなければならない打ち出し角が、それよりもはるかに低い15度で打ち出しても、浮力によって最長距離を出すことができるわけです。
ただし、このロフト角12度を使ったドライバーよりも、ロフト角9度のドライバーのほうが飛ぶというのが一般的な考え方になっています。
ドライバーを自在に操れればロフト角の選び方は自由
ブロー角をコントロールしてインパクトができるのであれば、ドライバーのロフト角の選び方は自由です。
アッパーブローでボールをとらえるということは、ティーアップしたボールよりも手前にスイングの最下点を定めなくてはいけません。
ヘッドは最下点までダウンスイングですが、最下点を通過したらアッパースイングになります。
このときフェース面は少しだけ上を向くわけですが、この角度が3度であればロフト角12度のドライバーが必要です。
もしもアッパーブローが5度であれば、ドライバーのロフト角は10度ということになります。
自分のアッパーブローの角度に合わせて、ドライバーのロフト角を選ぶことができます。
さらにドライバーのロフト角に合わせてアッパーブローの角度を変えることができれば、好みに合わせたドライバーを選ぶこともできるわけです。
スイング軌道が一定であっても、ティーアップの高さを変えたり、ティーの位置を変えたりしながら、インパクトの角度を調整することで自在にブロー角を変えられます。
ロフト角の選び方に影響を与えるゴルファーの技量
ドライバーのロフト角の選び方では、アッパーブローでインパクトできるかが重要になっていきますが、同時にヘッドスピードも重要になってきます。
ヘッドスピードは、スイングスピードとは違います。
スイングスピードは回転軸を中心にした円のスイング、もしくはトップからインパクトまでのダウンスイングのグリップの速さです。
一方ヘッドスピードは、スイングスピードにプラスアルファの速さを加えたヘッドの速さを現すものです。
具体的には、テークバックで右体重になりダウンスイングで左体重になる、体重移動がスイングスピードに加わります。
またトップまでに左手首を親指側に曲げて、インパクトの直前で逆方向の小指側に曲げるコックのリリースを加えます。
体のねじりを開放しながら腕を振り、コックをリリースするタイミングと体重移動のタイミングを合わせると、スイングスピードよりも速いヘッドスピードになるのです。
このヘッドスピードの速さはインパクトの強さでもあるため、ロフト角の選び方にも影響を与えることになります。
やはり無視できないヘッドスピードによるドライバーのロフト角の選び方
ヘッドスピードの速さがロフト角の選び方のポイントのひとつであることに違いはありません。
一般論としてヘッドスピードが速ければ、それだけ強いインパクトを与えることができます。
強いインパクトほど初速は速くなりますが、同時にバックスピン量も増えるはずです。
本来は45度の放物線がもっとも飛ぶのに、ゴルフはこのバックスピンがあるお陰で、15度という超低空飛行で45度以上の飛距離を出すことができます。
そのスピン量が強いインパクトによって、さらに増えるかもしれないのです。
仮にヘッドスピードがトッププロ並みの50m/sであれば、打ち出し角は11度でも良いのではないかと言われています。
そうなれば最低限11度のロフト角のドライバーが良いわけですが、この場合はスタンスの中心にティーアップしたボールをセットして、レベルブローのスイングをすることになります。
よほどフェースローテーションを上手く使わないと、フェースが開いてスライスすることでしょう。
つまり理論上のロフト角の選び方は正しくても、実効性としてはミスショットの可能性が高くなるということです。
インパクト強さも選び方に必要なポイント
ドライバーのヘッドスピードが50m/sは極論であり、一般ゴルファーが簡単にマークできる数値ではありません。
またロフト角11度のドライバーを使って、スプーンを打つようなショートティの上に置かれたボールを打つというのも机上の空論でしかありません。
実効性のあるロフト角の選び方は、できるだけ15度に近いロフト角のドライバーにすることです。
左足内側のかかとよりも、少しだけ内側(右側)でティーアップをして、アドレスではボールの後方にドライバーのフェースを合わせます。
ヘッドを浮かせたままアドレスに入り、インパクトではその状態を再現できれば、15度に近い打ち出し角になるはずです。
これはスタンスの中心にスイングの最下点があるため、中心よりは左側のティーアップしたボールには、ほんのわずかなアッパーブローになります。
しっかり振り切ることと、強いインパクトを目指すことさえできれば、アッパーブローを意識しなくてもスピン量に助けられて飛距離ダウンになることはないでしょう。
ただロフト角を合わせるときは、ドライバーの重心距離や重心深度、さらにはシャフトの硬さなど、他の要素も絡んでくるので、トータルとして自分に合ったものを使うようにしてください。
ロフト角は自分のスイングに合わせる
ドライバーのロフト角の選び方は、ヘッドスピードを目安にすることが多いようですが、まずはアッパーブローのスイングができているかを確認しましょう。
その上で自分の打ち出し角が何度になるか分かれば、自分に合ったロフト角を見つけることはできるはずです。