ドライバーでヘッドスピードにやたらこだわる人を見たことがありませんか?
ヘッドスピードが速いことはもちろん悪くありませんが、そこにはいくつかの前提条件があります。
今回はヘッドスピードを上げる目的、上げる方法、それに合ったシャフト選びについてお話しします。
ドライバーのヘッドスピードを上げる目的
ドライバーのヘッドスピードを上げる目的は何でしょうか。
多くのゴルファーが飛距離を伸ばすためにと答えることでしょう。
それでは、やみくもにヘッドスピードを上げれば良いのでしょうか。
そうではないことも分かっているはずです。
飛距離を伸ばすためには、初速の向上、打ち出し角度、スピン量の適正化が必要になります。
ヘッドスピードはそのうちの初速に繋がります。
初速は、【ヘッドスピード×ミート率】で決まります。
そのためアマチュアはヘッドスピードの向上より、ミート率の向上のほうが効率的に初速を上げることができます。
つまりヘッドスピードを上げるということは、ある程度高いミート率の維持ができていることが前提になります。
また初速向上だけではなく、打ち出し角度、スピン量も踏まえたスイングで上げる必要があることを忘れないでください。
そうでないと最終的な飛距離アップには繋がってきません。
ヘッドスピードを上げるためにはスイング(肉体改造含む)、道具(自分に合ったシャフト)を充実させる必要があります。
全ての前提、制約条件をクリアしつつ、ヘッドスピードを上げるためにはどうしたら良いのでしょうか。
ドライバーのヘッドスピードスピードを上げる方法
ドライバーのヘッドスピードを上げるための色々なスイング理論があります。
最近はボディーターンのみで打つスイングが海外で流行ったり、リストターンを使ってヘッドスピードを上げる方法が流行ったりと豊富です。
具体的な方法は、どのスイング理論を取り入れるかによって変わってきますので、ここでは記載を控えます。
しかし共通して言えることは、効率良くヘッドを走らせるにはどのように体を使うべきか考えることです。
次のふたつは必要になるので理解しておきましょう。
●下半身の強化
大きな遠心力に耐えられるだけの下半身が備わっていないと、ミート率の維持、適正な打ち出し角度が実現できず、ヘッドスピードで生まれる遠心力に体が持っていかれてしまいます。
下半身の強化(トレーニング)をしましょう。
●捻転差の理解と遠心力の活用
大きな遠心力を生むには捻転差が必要になりますが、ここを勘違いしている人が多くいます。
捻転差はトップで最大になるのではなく、切り返しからダウンスイングにかけて最大化する必要があるということです。
間違った人はトップからダウンにかけて捻転差が減少し、腕とシャフトが一直線になってインパクトしがちです。
これでは効率的ではありません。
トップから下半身の先行、トップの手元を維持したまま捻転差を作ることによって効率良く遠心力が生まれ、軸が安定することを覚えましょう。
シャフトでヘッドスピードが変わる
次に道具、ドライバーのシャフトについて話をします。
ドライバーのシャフトが変わるだけで、ヘッドスピードが変わらないと思っている人は意外に多くいます。
そんなことはありません。
特に全長が長いドライバーは、シャフトの影響を大きく受けます。
●スイングのタイミングが変わる
なんとなくドライバーのタイミングがとりづらく、振りにくいと感じる人がいるでしょう。
それを感じつつもタイミングのとりづらいシャフトを使っていると、持っているパフォーマンスが出せず、抑えたスイングになってしまうケースがあります。
振りやすいものに変えるだけでヘッドスピードは上がります。
●シャフトの重量でヘッドスピードが変わる
軽いほうがヘッドスピードが上がると言いますが、軽すぎては逆効果です。
そして重すぎると力が足りず、振り遅れになります。
適正な重量のシャフトにすることが、ヘッドスピードを効率的に上げ打球の精度も左右します。
また重量を変えると、ドライバーのバランス(スイングウエイト)も変わります。
そのスイングウエイトはヘッドの効きに影響を与えます。
アイアンより重くするほうがヘッドも効いて有効ですが、最近では軽ヘッド、男性でもC6~C9のバランスを取る人もいます。
自分に合ったシャフトを選ぶために
自分に合ったシャフトを選ぶためにはシャフトの特徴と選び方を知る必要があります。
まずシャフトの基本的な選び方ですが、ヘッドスピードを加味した上で重量とフレックスを決めてから選んでいくことをおすすめします。
理由は全てがトレードオフの関係にあるため、あらかじめ基準を決めることで、決めやすくなります。
●重量フローに合わせた重さの設定
アイアンやフェアウェイウッドの流れに沿って、下位番手より重くならないようにしましょう。
使っているドライバーヘッドとグリップの重量を除いた部分がシャフト重量です。
軽いものから重いものにかけてフレックスも硬くなります。
●キックポイントを決める
キックポイントには先、中、元があります。
そのキックポイントによって打球も変わりますが、何よりタイミングの取りやすさと振りやすさが変わります。
●トルクをチェックする
最近は硬くてもトルクが大きいものが作れる技術があります。
そのためフレックスに応じてトルクが自動的に決まる時代は終わりました。
シャフトの捻りは、適性よりほどよく大きいと許容性が生まれ、直進力が増します。
そして小さいとレスポンスが良く、意図的にボールを曲げたい人には向いています。
おすすめのドライバーシャフト
ドライバーのおすすめシャフトをいくつか紹介します。
●スピーダーシリーズ
人気のシャフトメーカー、フジクラシャフトの大ヒットシリーズです。
2019年はシブ子フィーバーがありましたが、その渋野日向子プロが使っていたことで再度人気に火がつきました。
特徴は、ヘッドをより走らせてくれるシャフトで、且つ他のメーカーと比較した際、同じフレックスでもやや硬めなのが特徴です。
Sよりもう少し硬いほうが良いけれどXだと硬すぎるといった場合、かゆいところに手が届くのが嬉しいです。
●ツアーAD シリーズ
石川遼プロ、小平智プロをはじめ男子プロに人気の高いツアーADシリーズです。
グラファイトデザインの代名詞と言って良いツアーADシリーズは、弾道の高さ、フェード系、ドロー系と幅広い種類のシャフトを取り揃えています。
ヘッドスピードが速い人やアスリートタイプのゴルファーに非常におすすめです。
●三菱ケミカルの3大シャフト
ディアマナ、クロカゲ、テンセイシリーズでお馴染みの三菱ケミカルのシャフトです。
最大手のシャフトメーカーだけあり、各ターゲット、各ドライバーヘッドにマッチするシャフトを作っています。
ドライバーは飛距離を求めるが、マン振り禁止
飛距離を求めるために、ヘッドスピードの向上、より良いシャフト選びについて話をしました。
ある程度振れてくると、さらに飛ばしたいと思うようになるのがゴルフというスポーツです。
ドライバーは飛ばすクラブ、アイアンはコントロールするクラブと聞いたことがありませんか。
そのため打てるようになってきたら『飛ばすため』に思いっきり振る、つまりマン振りする人が出てきます。
ドラコンで優勝を目指すならそれは当然必要でしょうが、一般的にはコースをラウンドしてスコアをまとめ縮めるはずです。
飛ばすクラブとコントロールするクラブは目的が違うため、求める結果も違います。
しかし飛ばすクラブは思いっきり振る、コントロールするクラブは制御して振るといったように無意識にそう思ってしまっている人がいます。
お伝えた通り目的によって求める結果は違いますが、スイング(プロセス)は変えてはいけません。
再現性高く、安定したスイングを行うだけです。
それもあって上級者やプロゴルファーは全部同じと簡単そうに言うのです。
ボールの位置や打球のイメージは違いますが、基本的にやっているプロセスは変えていないことを理解しましょう。
ドライバーだからマン振りではダメです。
ヘッドスピードは上がるもの、シャフトは合わすもの
ヘッドスピードは前提条件をクリアしながら上げていき、シャフトは現状に合ったものを選ぶことがとても大切です。
多少チャレンジなシャフトであれば良いですが、あまりオーバースペックすぎるものはやめるのが賢明です。