シャフトはRとSの中間になるSRが初心者にとって扱いやすい

ゴルフクラブを選ぶときは、シャフトの硬さも選択肢の1つです。

一般的にはRシャフトかSシャフトのどちらかを選ぶことになりますが、その中間となるSRシャフトがおすすめです。

今回は初心者にも適合するSRシャフトについて考えます。

初心者のゴルフクラブはSRシャフトが良い?

ゴルフクラブを選ぶときの基準の1つに、フレックスがあります。

日本語では「剛性」とか「硬さ」として使われていますが、シャフトに表示されているのは英字1文字です。

「L・A・R・S・X」で硬さを表していて、Lが軟らかくXに近づくほど硬くなります。

標準的な表示はLからXまでですが、独自にそれぞれの表示の中間にプラスして独自に硬さ表示しているものもあります。

例えばSRはRとSの中間に位置しますので、ノーマルと硬いものとの間になります。

ちなみに「R」はRegular(レギュラー)の頭文字ですし、「S」はStiff(スティッフ)の頭文字で硬くて曲がらないという意味を持ちます。

確かに中間という観点もありますが、一方でRの中間からSの中間までをシンクロさせるシャフトでもあります。

つまりユーザーの心理をついたものがSRなのかもしれません。

スタンダードなRよりも、ワンランク硬いSはスイングスピードが速くなければなりません。

しかしながら中間のSRにはRの部分が含まれているので、例え初心者であっても安心して使えるはずです。

初心者がSRシャフトを選ぶ理由はゴルファーの心理?

シャフトの硬さは決して腕前を表すものではありません。

その考えが理解できれば「シャフトは硬いほうが上手いのか?」 と、疑問を持つことはないはずです。

しかしながら実際にゴルフクラブを選ぶときには、硬いタイプのシャフトを好む傾向が強いようです。

ハードヒッターの多くは硬めのシャフトを好むので、シャフトの硬さが飛びのバロメーターとしてとらえているのかもしれません。

ドライバーは遠くに飛ばす道具ですから、他のゴルファーとの飛距離の差は誰でも気になるものです。

対してアイアンはターゲットを定めてピンポイントにボールを運ぶ道具ですから、距離感さえ合えば良いので他のゴルファーとの飛距離差は関係ありません。

一方で、ショートホールで5番アイアンを握ったのに、同伴プレーヤーが7番アイアンだと、その差を気にするのがゴルファーの心理です。

そんな心理をついたのが人気のストロングタイプのアイアンで、番手表示よりもロフト角を立たせて1から2番手分飛ぶように設定されています。

「負けたくない」という心理は、ロフト角を変えたストロングタイプのアイアンだけではなく、シャフト選びでも同じことが言えるようです。

特に初心者の場合には、RのスイングスピードでSの表示が入っているSRが好まれているのには、そのような心理が入っているようです。

SRシャフトは初心者にとって硬いシャフトなのか?

スイングスピードとシャフトの関係について確認していきましょう。

スイングスピードが速いほど、インパクトのときの衝撃が強くなるので、飛ぶ可能性は高くなります。

一方でスイングスピードが速いと、シャフトが大きくしなり曲がってしまいます。

ヘッドが遅れることでフェースが開くためスライスする可能性が高くなりますし、しなり過ぎてヘッドが上を向き高く上がり過ぎてしまうこともあります。

そこで理想の放物線を描くために硬いシャフトが必要になります。

つまりRのシャフトを使っていることでスライスする人は、少し硬めのSRか硬いSを選択したほうが良いことがあるのです。

ただし初心者の場合には、自分のスイングスピードが分かりません。

店内の試打室で測ったとしても、まだ握り方や構え方が落ち着いていないでしょうし、スイング軌道も安定していないので、ばらつきがあるかもしれません。

つまりスイングスピードのデータは意味を成さないわけです。

一般的には見た目で体力を判断して選んでいるようですが、専門の店員がついてくれると、過去のスポーツ暦や基礎体力などを聞き取ってから、体型などを勘案して選び出してくれるでしょう。

初心者もいずれSRよりSのシャフトを好むようになる?

初心者の場合は、本当の意味でのゴルフスイングができないので、スイングスピードをフレックスの判断基準の1つにするしかありません。

ただしスイングスピードがバラついているようであれば体の見た目で判断するか、スポーツ暦を聞き取って数か月先の伸びしろを判断しシャフトの硬さを決めることになります。

初心者のうちは力任せにゴルフスイングをするため、いわゆる腕っぶしが強い人ほどスイングスピードは速くなります。

しかしながら本当のスイングを覚えると、ゆったりしたリズムでスイングをしてもゴルフクラブのヘッドは速く動かせるようになります。

このヘッドの動く速さをヘッドスピードと言います。

背骨を中心軸として円を描くようにスイングをすると、軸から離れるほど移動するスピードは速くなります。

そして円を描くからこそ、シャフトがしなりヘッドが遅れるので、RよりはSRを、SRよりはSをと硬いシャフトを好むようになります。

問題なのは初心者がゴルフクラブを選ぶ時点で、このヘッドスピードのメカニズムを知っている可能性が低いことです。

初心者は適正シャフトフレックスを見つけるために素振りを続けよう

スイングスピードよりもヘッドスピードを速くするスイング法が分かれば、シャフトのしなり戻りによってグリップよりもヘッドが先行します。

しかし初心者のうちは、ボールにフェースを当てるだけでも精一杯で、シャフトのしなりのことまでは考えることができないはずです。

そのためボールに当てる練習の前段階として素振りを積み重ねることがおすすめです。

それが毎日200回素振りをして3か月経過すると、18,000回のスイングによって軌道が安定してきます。

ここでシャフトを利用したスイング法を再学習すると、体に染み込むように吸収できるはずです。

その結果として、Rシャフトが良いのかSシャフトが良いのかを選択する段階に到達するのですが、購入したてのアイアンを買い換えるのは現実的ではありません。

そこでRとSがシンクロしているSRを最初から持っていれば、どちらでも対応ができるわけです。

RとSがシンクロしているとは、仮にRシャフトが1~10、Sシャフトも1~10に区分されているとして、SRシャフトはRの6~10までとSの1~5までと考えられます。

そのためもしもヘッドスピードがSの6~10まであるようなら、Sシャフトを選ばなくてはいけなくなります。

シャフトに迷いのある初心者は中間のSRがおすすめ

初心者でシャフトの硬さが自分に合っているのかが分からないときは、SRシャフトを選んでおけばカバーできる範囲は広がります。

そこから一生懸命練習をすれば、約3か月で初心者は卒業です。

Rシャフトを選んで、たった3か月の間にシャフトが合わなくなると経済的な負担が大きくなるため、「少し硬めのシャフト」を選ぶのは間違った選択とは言えません。

使い始めに硬いと感じるようであれば、ヘッドのバックフェースの下部に鉛板を貼ると、ヘッド側のバランスが重くなるのでヘッドが先行しやすくなります。

もちろん、そのまま使い続けると、いつまでも正しいスイングを身につけることはできないため、3か月が経ったら鉛板を剥がしましょう。

シャフトのフレックス(硬さ)とバランスは一対の関係にあるので、単純に初心者だからSRのシャフトが良いというわけではありません。

自分にとってどのタイプのシャフトが合うのかは、スイングが安定してから再チェックすれことをおすすめします。

それまではRとSがシンクロしている、中間のSRシャフトを使うと安心してゴルフに熱中できることでしょう。

初心者にとってSRシャフトが良い理由

初心者に合わせたシャフトだと、わずかな期間が経過しただけで合わなくなる可能性があります。

一般的に初心者のうちはRシャフト、上達してからSシャフトへと移行する場合があるようです、最初からRとSの中間であるSRシャフトにしておけば悩みは解消できるはずです。

急がば回れとも言われますが、無駄に遠回りするのも良いことではありません。

その無駄な可能性はなくしておいたほうが良いでしょう。