ユーティリティの飛距離を網羅するのはロフト角22度のタイプ

安心と安定のユーティリティとして最近は誰もが1本は持っていますが、その飛距離に対する考え方が少し違うようです。

フェアウェイウッドやアイアンと比較することが多いようですが、実際にはユーティリティの中で比較しなければなりません。

中心となるロフト角22度のユーティリティの飛距離に着目してお話しします。

ユーティリティは飛距離より19度22度25度のロフト角が大事

フェアウェイウッドでは方向に不安があり、アイアンだと距離に不安がある感じたときは、やはりユーティリティは便利です。

ユーティリティは、ウッドのような中空ヘッドにアイアンのような短めで太めのシャフトが装着されているからです。

つまりアイアンの正確な距離と方向にウッドの飛距離を備えているのが、ユーティリティの強みです。

アイアンと比べるとソール幅が広く作られているのでヘッドの抜けが良く、ラフの中のボールでも振り切ることができます。

ユーティリティはとても便利なクラブですが、唯一問題があるとしたら距離に制限があるということです。

一応はユーティリティも多くのメーカーで2番から9番までありますが、実際に使われているのは番手で表すと5番くらいまでです。

特にロフト角19度の3番、22度の4番、25度の5番が多く使われていますが、それは飛距離だけが理由ではありません。

飛距離を求めるのであればフェアウェイウッドのほうが良いのですが、ユーティリティはライを選ばずに攻めのゴルフができるところに魅力があります。

22度のユーティリティは25度の飛距離をカバーする役目もある

良く使われている3つのユーティリティの中で、ロフト角22度はその中間のクラブということになります。

それぞれの番手に役割はありますが、中間のクラブにはもう1つの役割が生じます。

少し前までのゴルフクラブには、フルセットとハーフセットの2種類があり、初心者から中級者までの多くはハーフセットを使い、上級者になるとフルセットを使った時代がありました。

当然7本のハーフセットは、ウッドやアイアンをブラッシュアップし、前後の番手で飛距離をカバーしていたわけです。

特にアイアンは奇数の番手を使うことで、距離のピッチを合わせていました。

そんな距離調節ができるのは、アイアンのフェースを開いたり立てたりして、ロフトの角度を意識的に変えて使うことができたからです。

ユーティリティの4番の場合にはロフトの角度を変えて打つことはありませんが、5番の飛距離をカバーすることはできるので、フルセットとはいえ14本の中でブラッシュアップされるユーティリティでは貴重な役割を担うクラブと考えられています。

ロフト角22度のユーティリティの飛距離の目安は180ヤード?

22度のユーティリティの飛距離の目安は、アイアンだと3番アイアンと同じくらいと換算できます。

ドライバーのヘッドスピード40m/sのとき、ロフト角22度のユーティリティの飛距離は、およそ180ヤードと考えられます。

この飛距離が短いと感じるか、そこまでは飛ばないと感じるかは個々のゴルファーによって違いますが、大事なのは170ヤードの飛距離を出す25度のユーティリティをカバーできることです。

振り幅を制限すれば飛距離が短くなることは多くのゴルファーが経験則から知っていることですが、正確な距離を求めるためには相応の練習が必要不可欠です。

飛距離には個人差があるのと同じように振り幅を小さくするとフェースの芯でとらえる可能性が高くなるので、それまでの当たり損ないのショットよりも飛ぶ場合もありますが、基本的には振り幅が小さくなれば飛距離は短くなります。

そのため練習場でどれだけ短くなるかを実際に打って確かめなくてはいけません。

最初にフルショットの距離を確認し、次にハーフスイングの距離を確認します。

あとはフルショットとハーフショットの飛距離の差を埋めていくことで、25度の距離をカバーできるようになります。

22度のユーティリティで25度の飛距離を出すための握り方

22度のユーティリティで25度の飛距離をカバーする方法としては、振り幅で調整する以外にグリップを短く握る方法があります。

ドライバーの曲がりが酷いときに、グリップを短く握っていわゆるコントロールショットに切り替えることがあります。

曲がりを抑える代わりに飛距離はダウンすることを、こちらも経験則として知っているはずです。

ただドライバーの場合には曲がらないことを主体にしているので、どれほど飛距離ダウンになっているかは分かっていないはずです。

計算上ドライバーのシャフトが1インチ違うと飛距離は5ヤード変わると言われています。

1インチは約2.5センチですから、グリップエンドから親指の太さ1本分程度空けて握ると5ヤード減になるわけです。

これはドライバーの飛距離の目安ではありますが、ユーティリティも2インチ短く握れば10ヤードマイナスになるかもしれません。

それを実際に練習場で確かめてみることで飛距離の誤差を埋めることができれば、振り幅調整よりも確実に距離を合わせることができるはずです。

22度のユーティリティで25度の飛距離を狙うときの注意点

22度のユーティリティを2インチ短く握ることで、25度のユーティリティの飛距離をカバーできることを説明しましたが、その場合に注意しなければならないことがあります。

グリップを短く握って構えてもスイング中に姿勢は修正されて、シャフトが短くなった分だけスイングの最下点は上がり、インパクトではトップする可能性があることです。

2インチといえば約5センチなので、そのままスイングするとボールの上を叩くことになるのはイメージしやすいでしょう。

もしかすると2インチよりもさらに短く握っているかもしれないわけですから、フルスイングをしながらフォームで修正することは不可能です。

そこでグリップを短く握るときは、グリップの構える位置が低くなるようにスタンスを広げます。

前上がりの斜面でのショットのときのようにグリップを短く握り、前下がりの斜面のときのようにワイドスタンスでグリップの構える位置を低くするのです。

そうすればトップすることなく、クリーンショットで10ヤード減の飛距離を打つことができるようになります。

22度のユーティリティで飛距離をカバーする方法

ロフト角22度のユーティリティには、他のクラブの飛距離をカバーするという役割があります。

もちろん25度のユーティリティを入れることができればそうする必要はありませんが、ドライバーとフェアウェイウッド、それにパターと10本のアイアン(ウェッジを含む)を入れると、ユーティリティには1本しかスペースがありません。

そのとき22度のユーティリティで25度の飛距離をカバーできれば、総クラブ数から1本除外できるため、他のクラブを抜かなくて済むわけです。

しかもロングアイアンに匹敵する飛距離を持つユーティリティであれば、1ラウンドでのその使用頻度は限られます。

1本のクラブで複数の役割をすることが難しいと考えるか、少し前のゴルファーがハーフセットでプレーをしていたのだから慣れれば大丈夫と考えるかは、練習場で1度ユーティリティの距離調節の練習をしてみてから決めると良いかもしれません。

どちらにしてもユーティリティを1本だけ選ぶとしたら、ロフト角22度のタイプがおすすめです。

22度のユーティリティ以外の飛距離をだせる練習が必要

ユーティリティの飛距離を他のクラブと換算しても意味はありません。

ユーティリティは限られた本数しか持つことができないので、ロフト角22度を中心として揃えることになるはずです。

あとは使い勝手を良くするために、ユーティリティ用の練習に励むしかありません。