ユーティリティをロフト角で選ぶとき初心者が注意したいこと

ラフからでも簡単に打ち出すことができる便利なユーティリティですが、キャディバッグには14本以内という制限があるため、すべてのロフト角を入れることはできません。

そこで初心者が選ぶべきユーティリティのロフト角はどのようなものかお話しします。

初心者のユーティリティはロングアイアンのロフト角を基準にする?

ユーティリティはソール幅が広いのでヘッドの抜けが良く、初心者から上級者までテクニックの有無に関係なく愛用されています。

ユーティリティのヘッドはフェアウェイウッドよりも小ぶりですが、その分だけ芝の抵抗を受けることなく振り切ることができるため、ラフからでも使用できるところが人気の要因となっています。

簡単に言うと「扱いやすい」クラブなのですが、その中でも好まれているのがロングアイアンの代わりになるユーティリティです。

ロングアイアンのロフト角と同等のユーティリティを使えば、およそ等距離にボールを運ぶことができます。

厳密に分析すれば、ユーティリティのほうがシャフトは長いので、同じロフト角でも飛距離は伸びます。

またヘッドの形状がアイアンよりも厚みがあるため、その分だけ重心深度が深くなり直進性が増すので、アイアンよりランの距離が長くなるはずです。

つまり飛距離は同じであったとしても、着弾点からのランの距離に違いがあるので、まったく同じ性能のクラブとして代用することはできません。

初心者はロフト角の小さなユーティリティで飛距離を確保

初心者に限らずユーティリティに「扱いやすさ」を感じているのは、ロングアイアンの代用とするときが多いようです。

ある程度のゴルフスイングが身についてきても、3番アイアンだとロフト角通りの飛距離を出せないことが多々あります。

この場合シャフトの長さに苦手意識を感じているか、ヘッドが小ぶりで上手くミートができないことが原因と考えているかもしれません。

確かに9番アイアンに比べると3番アイアンのシャフトは4インチも長いですし、フェースの面積も明らかに小さくなっています。

シャフトの長さでスイング軌道が安定せず、さらにフェース面が小さくなっていることからスイートスポットエリアでとらえられず、当たり損ねになったボールは3番アイアンなのに5番アイアンと同じ、さらには7番アイアン程度しか飛ばないと感じることがあります。

そのためシャフトの長さとフェースのサイズで3番アイアンは難しいと感じるかもしれませんが、それよりもシャフトが長いユーティリティを使うと扱いやすいと感じられるでしょう。

初心者がユーティリティをロフト角で合わせても扱えない場合

ユーティリティのヘッドはフェアウェイウッドと同じ幅広タイプですから、フェース面にボールを当てることができればそれなりに飛ぶはずです。

アイアンはフェースの肉厚が薄いことで、芯から外れると当たり損ねになってしまいますが、ユーティリティはフェースの後ろ側の膨らみによって重心深度が深いので当てただけで飛ぶようになっているからです。

ゴルフの基本とも言えるスイートスポットでボールをとらえなくても、フェースに当てることができればそれなりのナイスショットになるのですから、3番アイアンと違って初心者でも簡単に扱うことができるはずです。

3番アイアンに代わるユーティリティだと、同じロフト角の21度を選ぶことになるかもしれません。

ドライバー同様にメーカーやモデルによってシャフトの長さは違いますが、一般的な長さで比較すると3番アイアンは39インチ、ユーティリティの21度は40インチと、1インチの違いがあります。

初心者の場合には長さに不安があるかもしれませんので、グリップエンドから親指の太さ1本分を空けて握るだけで3番アイアンと同じ39インチになります。

初心者のユーティリティはミドルアイアンのロフト角に合わせる

ユーティリティがない時代の初心者は、「5番アイアンを持って走れ!」と言われたものです。

そこそこの飛距離があり、練習時に使用し慣れていることもあり、さらにラフでも使えるというメリットから、先人たちは初心者に対して5番アイアンを推奨したのかもしれません。

初心者にとって扱いやすいクラブが5番アイアンだったのか、それともコースでプレーをするときの最低限マスターすべきクラブが5番アイアンだったのかは定かではありませんが、重宝する番手であることに変わりはないはずです。

ただラフからのショットとなると、状況によっては7番アイアンや9番アイアンを使用しなければならないこともあります。

「3本持って走れ!」と言う人もいましたが、共用キャディをつけているのですから、それが精神論として「ready golf (準備した人からプレーする)」を推奨していたとしても良い指導法とは言えないかもしれません。

どちらにしてもラフから打てる5番アイアンがあれば問題は解決します。

つまり5番アイアンと同じロフト角のユーティリティを入れれば、深いラフからでも脱出し、しかも想定する距離までボールを運ぶことができるということです。

ロフト角に合わせた初心者用のユーティリティの使いこなし方

初心者にとって重宝な5番アイアンを、さらに扱いやすくしたのがユーティリティです。

一般的な3番アイアンのロフト角が21度ですから、番手間のピッチが4度であれば、5番アイアンのロフト角は27度という計算です。

一方で一般的なユーティリティ5番のロフト角は25度ですから、4番アイアンのロフト角と同等になります。

そのため5番アイアンを代用するのであれば、ロフト角28度のユーティリティ6番辺りを使うと良いかもしれません。

シャフトの長さは同じ38インチでですが、ロフト角が1度マイナスになるので、その分だけユーティリティの飛距離は短くなります。

ただし着弾したあとのランは、アイアンよりもユーティリティのほうが長くなる可能性が高いので、ボールの止まった位置は同じくらいを想定できるでしょう。

アイアンでは芝草の抵抗で振り抜けが厳しい状況でも、ユーティリティであれば振り抜くことができます。

唯一警戒しなければならないのは、インパクトのときにフェース面とボールの間に芝草が挟まり、フライヤーになって想定した距離以上に飛んでしまうことです。

初心者のユーティリティはロフト角を2種類用意しよう

初心者にとって頼りになるロフト角28度のユーティリティ6番は、ラフからのショットでも振り抜ける便利なクラブです。

ただしインパクトで芝を噛むとフライヤーになる恐れがあるので、心配であればロフト角25度のユーティリティ5番を使う方法があります。

想定したよりも飛びすぎてしまうフライヤーは、ボールとフェースの間に芝草が挟まり、本来のスピン量よりも少なく飛球することによって起こります。

ただし、一定のヘッドスピードに達しないとフライヤーにはなりません。

フライヤーの恐れがあるのであれば、ヘッドスピードを落とせば良いだけです。

スイング幅を制限するか、グリップを短くに握ることで、ヘッドスピードをコントロールします。

ただ初心者が購入する前に、使用するユーティリティがフライヤーになるかを判断することはできないはずです。

またすべてのショットがフライヤーになるわけでもないため、ユーティリティを2本持つことができるのであれば、ロフト角21度と25度を選ぶと使い勝手の良いセッティングになるでしょう。

初心者に合ったユーティリティのロフト角は21度と25度

初心者のうちはロングアイアンが苦手なことが多いので、代わりにユーティリティを使いましょう。

またコース内ではミドルアイアンを多用する機会は多いため、それもユーティリティに変えるとさらに便利です。

つまり初心者が揃えるべきユーティリティのロフト角は21度と25度が良いのかもしれません。