ゴルフラウンドでは、状況に応じてクラブの選択が必要になってきます。
そのとき選ぶクラブの種類としては、ユーティリティ、アイアン、ウッド、パターがあります。
特にユーティリティ、アイアン、ウッドは、ボールをグリーンに乗せるまでに必要なクラブです。
今回は、この3種類のクラブについての考察をし、特に初心者がどのようなクラブ選択をすれば良いかまとめます。
ユーティリティ、アイアン、ウッドのそれぞれの重要性
ゴルフはティーイングエリアからボールを打っていき、最終的にグリーン上にあるカップにボールを入れることで1ホールが終了するスポーツです。
そして、カップインまでの打った打数がどれだけ少ないかで勝敗を競うゲームです。
そのためには、全て同じクラブで打つわけにはいきません。
例えば、ミドルホールで言えば第一打目はできるだけボールを遠くに飛ばすことが必要になります。
これにはウッド、特にドライバーを使うことになります。
次にセカンドショットでは、少しでもグリーンに近づけるため、5番ウッドやユーティリティを使うことになるでしょう。
もしドライバーのショットがうまく飛べば、セカンドショットでグリーンオンを狙っていくことも考えられます。
その際は7番アイアンなどのミドルアイアンを利用することになるかもしれません。
またグリーン近くに来れば、今度はアプローチショットでカップにボールを寄せていく必要が出てきます。
アプローチのためには、ピッチングウェッジやアプローチウェッジなどのショートアイアンを利用することになります。
このようにゴルフではユーティリティ、アイアン、ウッドを上手く使い分けながらラウンドしていくことになります。
ユーティリティ、アイアン、ウッドの構造の違い
前述のように、ユーティリティ、アイアン、ウッドは、ラウンド中の場面によって使い分ける必要があります。
そもそも、それができるのもそれぞれの構造の違いによるものです。
各クラブの構造は、以下のようになります。
●ユーティリティ
ユーティリティは、フェースの厚さはフェアウェイウッドと同じぐらいですが、ソールの幅が薄くクラブの重心の位置はヘッドの前寄りにあります。
上から見た形状でも、フェアウェイウッドと比べ横幅は半分ぐらいの形です。
そして番手によって、フェースのロフト角とシャフトの長さが違います。
種類としては、3番、4番、5番、6番、7番といったものがあり、平均的な数値は以下の通りです。
3番ユーティリティ:ロフト角17度/長さ40インチ
4番ユーティリティ:ロフト角19度/長さ39.5インチ
5番ユーティリティ:ロフト角21度/長さ39インチ
6番ユーティリティ:ロフト角24度/長さ38.5インチ
7番ユーティリティ:ロフト角27度/長さ38インチ
●アイアン
アイアンは、シャフトへの取り付け部分となる筒状のホーゼルと、ゴルフボールへの接触面となる薄い板状で溝のあるフェース面で構成されるクラブです。
アイアンセットとしては様々ありますが、最近のアイアンは5番アイアンからウェッジまでのセットが多いようです。
それぞれの平均的な数値は次の通りです。
5番アイアン:ロフト角27度/長さ37.75インチ
6番アイアン:ロフト角31度/長さ37.25インチ
7番アイアン:ロフト角35度/長さ36.75インチ
8番アイアン:ロフト角39度/長さ36.25インチ
9番アイアン:ロフト角43度/長さ35.75インチ
各種ウェッジ:ロフト角47~56度/長さ35~35.25インチ
●ウッド
フェアウェイウッドとは、ティーイングエリア以外の箇所から使用するクラブで、1番、3番、5番、7番、9番のウッドがあります。
フェースは上下に薄く、ソールの幅は大きく、ヘッドの重心の位置もやや後方にあります。
フェアウェイウッドは番手によって、フェースのロフト角とシャフトの長さが違います。
平均的な数値は以下の通りです。
1番ウッド(ドライバー):ロフト角9~12度/長さ45~46インチ
3番ウッド:ロフト角15度/長さ43インチ
5番ウッド:ロフト角18度/長さ42.5インチ
7番ウッド:ロフト角21度/長さ42インチ
9番ウッド:ロフト角24度/長さ41.5インチ
ウッドの基本的な打ち方
前項にてユーティリティ、アイアン、ウッドの構造を見てきましたが、次はそれぞれの基本的な打ち方を見ていきます。
ウッドの打ち方は、次のような事項に注意する必要があります。
①アドレス、ボールの位置
アドレスとしてはミドルアイアンよりもシャフトが長い分、ボールよりも離れることになります。
またボールの位置は、ドライバーでの左足かかと位置とミドルアイアンでの体の中心との間になることが多いようです。
より具体的な位置に関しては、練習場でのショットを打ちながら、自分に適した位置を見つけていく必要があるでしょう。
②バックスイング
ウッドはシャフトが長いため、インパクト時のヘッドの方向などのブレが生じやすいクラブです。
ウッドの場合には、フルスイングの4分の3程度のバックスイングでのショットを心がけると、ミスショットの可能性は減らせます。
③インパクト
ウッドは重心が深いため、ボールを打ち上げるような動作を無理して行う必要はありません。
スイングは「低く長く地面の上を滑らせるイメージ」で行います。
このイメージは、箒で掃くイメージに近いです。
ユーティリティの基本的な打ち方
ユーティリティは、アイアンとウッドの良いところを取り入れたクラブと言われます。
シャフトが短い分、ウッドよりは振りやすくなっており、距離はウッドほどではないですが、ウッドが苦手なゴルファーにはユーティリティがおすすめです。
ユーティリティの種類には、ウッド型とアイアン型の2種類があります。
ウッド型であれば、前述のウッドの打ち方に近い形でのスイングとなり、アイアン型ではアイアンと同じ感覚で打てるようになっています。
いずれのタイプも、次のような事項に留意が必要です。
①アドレス、ボールの位置
アドレスとしてはやはりミドルアイアンよりもシャフトが長い分、ボールよりも離れることになります。
またボールの位置は、先ほどのウッドの位置とミドルアイアンでの体の中心との間になることが多いです。
②バックスイング
しっかり振り切ると、直進性が増し、バックスピンも増加した弾道が打てます。
高性能を信じて、振り切りましょう。
③インパクト
ウッド型であれば「低く長く地面の上を滑らせるイメージ」で、アイアン型であればアイアンと同じような振り方でスイングしていけば良いでしょう。
ユーティリティはラフからの脱出や、アプローチに利用するといった幅広い用途も考えられます。
アイアンの基本的な打ち方
アイアンは、ゴルフクラブの中でも一番基本的なクラブになります。
ユーティリティやウッドは比較的遠くにボールを飛ばす目的で利用しますが、アイアンは目的の飛距離を、一定の方向性を保って打つクラブです。
特にアイアンの方向性を良くするためには、闇雲に練習場でボールを打つだけでは体得できないところがあります。
そのためには次のような事項に留意する必要があります。
①アドレス、ボールの位置
まず両足を肩幅程度に開きます。
ボールは、ちょうどその足幅の真ん中に置くと良いでしょう。
番手が上がるほど、少しだけ左足に寄せると打ちやすくなります。
②バックスイング
バックスイングは、特に初心者は手だけで上げてしまうことが多いようです。
腰から上の上半身自体を動かして、胸が90度ぐらいまで回転するようにバックスイングをするようにしましょう。
トップは無理せず自分の稼働できる範囲で納めるようにします。
③インパクト
すくい打つイメージだけはいけません。
ダウンスイングで、できるだけアドレス時より若干前にヘッドが戻るようにインパクトしていく必要があります。
ユーティリティ、アイアン、ウッドの適切なクラブ構成
クラブを無制限に利用できるわけではなく、ゴルフバッグに持ち運べるクラブの本数は14本までと決まっています。
どのようなクラブの揃え方をしていくかは、それぞれの実力等によって変わってきます。
特に初心者は練習が十分でなく、自分がどの程度の飛距離になるか分からなかったり、またそもそものボールへのインパクトがうまく行えないといったことがあります。
アイアンも市販でセッティングされている5番アイアンから9番アイアン、そしてピッチングウェッジ、サンドウェッジ、アプローチウェッジの8本をそのまま選択して利用することが多いでしょう。
そのアイアンセットにドライバーとパターを加えるのは必須です。
そうなると14本から選択した10本を差し引いた残りの4本で、フェアウェイウッドとユーティリティを選択していくことになります。
初心者は練習不足でスイングが安定していないことも多いでしょうから、最初からシャフトの長いクラブの利用は難しいでしょう。
また練習場と違い、芝の上から打つとなると、やはり感覚も違ってくるものです。
フェアウェイウッドに関しては、ユーティリティと比べてもシャフトが長い分、ボールをヘッドのスイートスポットに当てることが難しいクラブです。
そのためフェアウェイウッドの練習が十分できるまでは、ユーティリティ中心のクラブ選択が良いかもしれません。
フェアウェイウッドが練習場でもうまく打てない場合には、4本ともにユーティリティのみでクラブ選択しても良いぐらいです。
練習場でティーアップせずにフェアウェイウッドをある程度打てるようになれば、番手の低い7番ウッドを入れ替えていき、徐々に5番等の番手の小さいフェアウェイウッドを入れていくというような揃え方が良いでしょう。
適切なクラブ選択で安定的なゴルフを目指す
ユーティリティ、アイアン、ウッドはそれぞれに構造や機能が違います。
ゴルフはルールによって、バッグに入れることにできる本数に限りがあります。
特に初心者は、スタートの段階ではウッドのようなシャフトが長いクラブを選択せず、アイアンを中心としたクラブ設定でも良いかもしれません。
上達に合わせて買い足すほうが無駄なくステップアップできるはずです。