「ゴルフ界で最も過酷な戦い」QTの意味を詳しく解説!

ゴルフが好きな人は、テレビのゴルフ中継やゴルフ雑誌を見ることが多いと思います。

そこで良く出てくるのが、QTという言葉です。

「QTを突破した」、「シード落ちしてQT行き」、「QTランキング」など使われていますよね。

ある程度ゴルフに興味を持ってくれば何となく意味は分かると思います。

プロゴルファーが、レギュラーツアーに出るための資格を得るための予選会のようなものです。

今回は、過酷な戦いと言われるQTについて詳しく説明します。

ゴルフ用語?QTとはどういう意味?

QTとは、QUALIFYING TOURNAMENT(クォリファイングトーナメント)の略。

このクォリファイングとは、「資格を与える」という意味です。

つまり資格を与えるトーナメントということですね。

簡単に言うと、ゴルフのツアートーナメントに出場するための資格を得るためのトーナメントということです。

プロゴルファーが賞金を稼ぐためには、当たり前ですが試合に出なければなりません。

例えば新人プロゴルファーは、プロになっただけでは生活できませんよね?

試合に出て、賞金を稼いでこそ生活ができます。

その試合に出るための予選会みたいなものが、QTであるということです。

また、ゴルフのテレビ中継などで見る有名な選手もその年の結果が悪ければ、シード権を失います。

シード権を失えば、例え有名なプロゴルファーでもQTからやり直しになるということ。

有名プロゴルファーも無名の新人ゴルファーもQTでライバルとして、ツアートーナメントの出場資格をかけて戦うことになるのです。

ゴルフの試合でQTが最も過酷な戦いであると言われる意味は?

毎年、多くのプロゴルファーが誕生しています。

しかしながら、プロゴルファーとして生きていくためには、ツアートーナメントに出場しなければなりません。

ですから、プロゴルファーになったら、ツアートーナメントの予選会であるQT通過が第一の難関であり、多くのプロゴルファーが越えられない壁なのです。

これが、稼げないプロゴルファーが多い原因と言われます。

苦労してプロテストに合格しても、ツアートーナメントに出ることさえできないプロゴルファーが大勢いるのです。

1000人を超えるプロゴルファーが毎年QTに参加し、QTを通過して最終的にツアートーナメントに出場できる資格を貰える人数は、90人ほどです。

更には、ゴルフのテレビ中継で良く見るような有名なプロゴルファーも、シード権がとれなければ、QTからやり直しとなります。

ですからQTを通過し、ツアー出場権を得るためには、そのような大物プロと少ない椅子を取り合うことになるのです。

これが、QTが過酷な戦いであるという意味です。

QTが体力的にもしんどいという意味は?

QTが過酷な戦いであると言われるのは、体力的な問題もあります。

QTには、ファースト、セカンド、サード、ファイナルと4つのステージがあり、最終的に17ラウンドをプレーすることになります。

ファイナルステージでは、6日間108ホールを連続でプレーしますから、相当な体力を必要とします。(男子の場合)

「ゴルフってそんなに体力が必要?」

と思う人もいるかもしれませんが、アマチュアゴルファーがワイワイと楽しくゴルフをするのとは訳が違います。

疲れても、カートに乗れません。

神経を研ぎ澄ました中で、6日間連続でプレーするというのは、結構しんどいと思います。

そのような意味で、QTのファイナルで上位に食い込むような選手は、技術だけでなく、体力的にも強いゴルファーであると言えます。

そう考えると、やはりテレビ中継されているゴルフのツアートーナメントで見るような有名選手は、凄いのだなと改めて感じます。

このようにQTは、体力的な面でも過酷な戦いなのです。

日本ゴルフツアー機構が開催するQTの仕組みは?

繰り返しになりますがQTを簡単に説明すると、ツアートーナメントへの出場資格をかけて戦う予選会のようなものです。

これは日本ゴルフツアー機構が開催しています。

QTの仕組みは、先ほど説明したようにファースト→セカンド→サード→ファイナルと4段階ある勝ち抜き戦です。

大体上位20%程度が次のステージに進出できるというイメージです。

そして、上のステージに行くほどゴルフが上手い選手が出てきます。

サードQTやファイナルQTでは、シード落ちした有名選手がこぞって出てくるからです。

セカンド以上の出場者にランキングがつけられて、このランキングの上位になるほどレギュラーツアーへの出場資格やチャレンジツアーへの出場資格が多くなるという仕組みです。

ファイナルQTの第1位者が翌年のツアートーナメントへの優先出場資格を得ることができます。

そして、上位20位者までがツアートーナメント、上位約120名が翌年のチャレンジツアーの出場資格を得ます。

チャレンジツアーとは、ツアートーナメントとQTの間にあるイメージです。

チャレンジツアーで賞金ランキング1位になれば、翌年のツアートーナメントへの優先出場資格を、上位20位までがツアートーナメントへの出場資格を得ます。

こうしてみるとファーストから参加するゴルファーにとっては、本当に狭き門ですよね。

ある意味、レギュラートーナメントで上位入賞するよりも難しいのではないかと思います。

「QTはお金がかかる」とはどういう意味?

プロゴルファーは過酷な職業であると言われています。

実績がないプロゴルファーは、QTでファイナルまで行って、賞金ランキングで上位に入賞するというのが正攻法です。

しかしゴルフの試合に出るだけで、かなりの経費、つまりお金がかかります。

ザックリとQTのエントリーフィを調べたところ、ファーストで10万8千円程度、セカンドで21万6000円、サードも21万6千円、ファイナルも21万6千円エントリーフィが必要です。

そして、QTの試合は全国で開催されますから、そこまでの交通費や宿泊費用もかかってきます。

エントリーフィにさらにホテルの宿泊費用や交通費がかかってくるということですね。

ファイナルまで行くと、単純計算でも最低100万円程度は必要と言えるでしょう。

スポンサー契約を結んでいるプロゴルファーはまだ良いですが、スポンサー契約を結んでいない新人プロゴルファーには当然痛い出費です。

そのため、お金がなくて試合に出ることができないというプロゴルファーもいます。

QTが過酷な戦いであると言われるのは、このような経済的な負担大という意味もあるのです。

ですから、経済的にも早い段階でQTを突破したいというのが、新人プロゴルファーの本音ではないでしょうか。

ゴルフ界の狭き門QTを突破してもまた逆戻りする場合も!

難しいと言われるプロテストに合格して、さらに過酷なQTを突破して、やっとゴルフのツアートーナメントへの出場資格を得ても安心はできません。

2019年からのゴルフツアー機構のルールでは、男子の場合、賞金ランキング65位までがシード権を得ることができ、それ以下の選手はQT行きということになります。

女子プロのシード権獲得ラインは、50位以内です。

それ以下の選手は、もちろん地獄のQT行きです。

ですから、ツアートーナメント終盤になると、シード権争いが始まります。

賞金ランキング65位前後にいる選手は、たったワンストローク足りないだけで、再び過酷なQTに戻らなければならないという可能性もあります。

シード権を得ることができるかどうかは、ある意味で天国と地獄くらいの差があるのです。

ですから、プロゴルファーはまずQTを突破して、上位に入り、ツアートーナメントに出場する資格を得ることを目標とします。

そんな過酷なQTを戦い抜いて、ツアートーナメントに出場できるようになっても、成績が悪いと再びQTに逆戻りです。

QTはプロゴルファーの登竜門的な存在

プロゴルファーは、他のスポーツのプロと比べても稼ぎにくい職業であると言われていますね。

それは、稼げる試合に出るためには過酷な戦いであるQTを突破しなければならないからです。

実際に、ツアー出場権を得るための予選会であるQTの過酷さを考えると、ゴルフのプロは大変だなと思いませんか。

テレビで見るような有名選手はこの過酷なQTを突破してきた猛者ばかりだからです。