ライ角が合っていないとミスショットの原因となると言われています。
一般的には身長を目安にライ角が適合しているかを確認しているようですが、身長以外にもライ角の目安となるものはあります。
ライ角と身長の関係、また自分に合ったライ角の調整について考えます。
ゴルフクラブのライ角は平均身長を目安に作られている
ゴルフクラブのヘッド、それはドライバー、アイアン、さらにはパターにかかわらず、ソールするとシャフトは体のほうに向かって傾きます。
そのときにできるシャフトの中心軸と地面との内角を「ライ角」と呼んでいます。
昔はゴルフクラブに合わせてアドレスの姿勢をとっていたので、ライ角に対する注目度は少なかったのですが、道具が進化してスイングフォームが変化したことで、ライ角のセッティングがポイントになってきました。
アドレスの姿勢が不動であるとき、ライ角が合っているとピタリとソールできます。
しかしライ角が合わないと、トゥやヒールが浮いてしまいます。
仮にトゥが浮いた状態でスイングをすると、インパクトの直前でヒールに抵抗がかかるため動きが鈍くなります。
そして抵抗のないトゥだけが先行するため、フックフェースでインパクトをすることになります。
ライ角が不適合なのは、ゴルファー自身の身長に問題があるからです。
実はゴルフクラブのライ角は、平均身長を目安に作られているので、自身の身長が平均ではないということが考えられるのです。
身長170センチで7番アイアンのライ角の目安は?
ライ角は平均身長を目安に作られていると言われていますが、これは各メーカーが公式に発表しているものではありません。
メーカー独自の分析によって、平均的なライ角を定めていると言われ、すべてのゴルフクラブのライ角が同じというわけではないのです。
日本人の身長は伸びてきているように思えますが、統計上の平均身長はずっと以前から170センチ程度です。
ちなみに、このデータはゴルフクラブのライ角だけではなく、洋服のS・M・Lサイズにも活用されているそうです。
そこで170センチの身長の人は気付くと思いますが、自分のサイズがMだとしてもLを着用することがあるということです。
生地や縫製によって着心地が違うため、ワンサイズ大きめのものを購入することがあるように、ゴルフクラブでもメーカーによってライ角にバラつきがあります。
一応の基準となる7番アイアンのライ角は62度に設定されています。
つまり身長170センチのゴルファーが、7番アイアンのヘッドをセンターで構えたときのライ角が62度になるというこです。
身長を目安にしたとき実際のライ角は何度が良い?
7番アイアンのライ角が62度であれば、通常6番アイアンのライ角は61.5度で、8番アイアンのライ角は62.5度になります。
ライ角の番手間のピッチはほとんど0.5度となっているため、3番アイアンは60度で9番アイアンは63度と計算できます。
3番アイアンから順に0.5度ずつ大きくなるのは、その分だけシャフトが短くなっているからです。
シャフトもライ角同様に番手間のピッチは0.5インチで、7番アイアンのシャフトの長さが37インチであれば、3番アイアンは39インチで9番アイアンは36インチになります。
このライ角とシャフトの長さによって、すべて番手のグリップは同じ高さにあることになります。
ところが身長180センチのゴルファーが、37インチで62度の7番アイアンを握ると、グリップの位置を低くしなければなりません。
そこでライ角調整を行う選択肢が浮上するのですが、どのくらいライ角を曲げれば良いか、その目安となる角度を知らないといけません。
なぜならライ角調整には限度があって、無限に曲げることはできないからです。
自分の身長を目安にしてライ角調整できるかを確かめる
身長180センチのゴルファーは、ライ角調整が必要になる可能性が高いです。
ライ角調整とは、シャフトを挿しているホーゼルを曲げることなので、大きく曲げるとヘッドが割れたりメッキにヒビが生じたりすることがあります。
そのようにならないためにも、自分の身長がライ角調整できる範囲なのか、その目安を知っておくことは重要です。
身長180センチで今の7番アイアンのライ角が62度のときは、63度に調整すると使いやすいと言われています。
つまり身長差10センチでライ角ズレは1度になるので、調整するときの許容範囲に入ります。
アイアンのヘッドの形状によってライ角調整できる範囲には、若干の違いはありますが2度以内が目安です。
ライ角調整で2度を超えると、曲げたことによってヘッドが破損したり、インパクトで割れたりする場合もあるようです。
身長が160センチの場合は、逆にライ角が1度マイナスになるイメージで、1度減らさなければならないため、7番アイアンは61度ということになります。
ライ角の基準とされる平均身長以外にも対象となる目安がある
ライ角の適合の目安とするのは身長だけではありません。
身長に違いがあるように、腕の長さにも違いはあるものです。
腕が長ければグリップ位置は当然低くなりますし、短ければその逆で高くなります。
またアドレスで前傾姿勢が深かったり浅かったりすると、グリップの高さは変わります。
平均身長を想定してグリップの高さが設定されていても、前傾角度が変わればライ角調整が必要になるということです。
このほかにもハンドファーストで構えたり、フックグリップで握ったり、さらにはハンドダウンで構える場合もグリップの高さに違いが生じるため、ライ角を調整しなければならない場合もありますし、逆に本来の姿勢ならばライ角調整が必要であっても変更しないで済む場合もあります。
ライ角が合っているかを確かめるためには、身長だけを目安にしてはいけないということです。
つまり実際にゴルフクラブを構えてみることが、もっとも確実なライ角の確認方法なのです。
ネットショップには身長180センチを目安にしたライ角もある
身長180センチでもライ角がぴったり合う場合があります。
ライ角の目安となるのは平均身長ではあありますが、それは日本人の平均身長です。
ゴルフクラブは世界中で販売されていますから、その地域によってライ角の基準値は変わってくることになります。
市場規模がもっとも大きな欧米仕様のライ角は、身長180センチを基準にしているそうです。
ネットショッピングで「並行輸入」と表示されているとしたら、ライ角は身長180センチに合わせている可能性があるのでカタログ値を調べてみてください。
もしも180センチの身長でゴルフクラブを構えたときに、グリップの高さが低いと感じたら日本向け仕様になっていますが、ちょうど良いと感じたら欧米向け仕様と考えることができます。
7番アイアンのライ角が62度なら日本仕様、63度なら欧米仕様と覚えておいて、もし違う番手のライ角が出ていたら0.5度ピッチで計算すると大体分かるはずです。
逆に170センチ以下のゴルファーは、並行輸入品を購入する場合には特に注意が必要です。
なおライ角は、1度以上の誤差があれば調整したほうが良いと言われていますが、一度ヘッドを曲げてしまうと元に戻すことはできません。
初心者に近いうちは手を出すのは止めて、スイングが安定した状態になってから調整するようにしましょう。
日本人の平均身長を目安していても実測が必要
ライ角は日本人の平均身長を目安にして設定されているため、身長170センチが基準となりますが、身長差があればライ角調整が必要になる可能性が大いにあります。
身長10センチで1度の調整が必要になるイメージですが、腕の長さや構え方によって違いがあるため、身長だけで決めずに実際に計測して調整するようにしてください。